一昨日から今日までの3日間、
この街最大のお祭りが催された


2年前、母が亡くなったのは、
このお祭りの真っ只中

母の余命をすでに告げられていた私には、
お祭りのことすらすっかり忘れていた


それに気づいたのは、
母を緩和ケア病棟に2度目の入院をさせた日の、
病院からの帰り道

いつもの通りが、やけに賑わっていたのだ

よく見ると、出店も並んでいる

「ああ、今日、お祭りだったんだ...」

助手席に座っていた私は、
運転をしている父に向かって呟いた

車の窓から見える華やかな世界は、
今、ここに存在している私たちとは
確実に距離を置いていた



そして、今日は三回忌

あれから2年...


そんな今日は、朝から一日中、
大雨の予報

母らしからぬ天候だ


が、予報とは裏腹に、
朝はうっすら曇り空

「なんとか法要が終わるまで
 もってくれないかな...」


家を出た瞬間だった

大きな雨粒がぽつぽつと、
アスファルトにその跡を残しはじめた

東の空は、
どんより暗い灰色の雲が厚く垂れこめている

「とうとう降りはじめたか...」


会場に着く頃には、
アスファルトの色はすっかり変わっていた

小さな水たまりを避けながら、
小走りで会場に入る


小降りだった雨が強くなったのは、
まさに、お坊さんの読経がはじまる直前

激しく、屋根を叩きつける雨の音...

読経がはじまると不思議と少し収まったが、
読経が終わった瞬間、
雷鳴が轟き、
再び雨が激しく窓を叩きつけた

不思議な現象だった


お参り後の会食では、
母の生前の様子を流そうと、
父がビデオを用意していた

母の兄弟・姉妹が集まったこのときに、
母が生きていた姿を見せたかったようだ


画面の中で、孫と戯れる母...

母の笑顔...

亡くなる3ヶ月前の、舞台で歌う姿...

そして、亡くなる1ヶ月前の、
舞台で挨拶をする母の姿...


母が動いている

母の声が聴こえている――


亡くなる1ヶ月前の母は、
自力で歩くのがやっとの状態

ふらふらとした足取りで舞台に上がり、
挨拶を終えると、
誰かの支えがなければ倒れてしまいそうに、
よろめきながら舞台から去る母


あの頃の...

ただ死を待つだけの、あの頃の状況が、
痛いほど甦る

母は余命を知らない

“あと1ヶ月”しか生きられないことを、
母は気づいていない

つらく悲しいあのときの記憶――


土砂降りの雨は、
道を川のように変えていた

まるで悲しみを洗い流すように――



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