主人公の永津樹 渡と鷹森 日未子、鶴城 亜泉、倉間 清修の友人3人がある日、異世界インブルーリアへと飛ばされて始まる魔法ファンタジー物でしたが、同じソフパルの作品の「ななついろ☆ドロップス」なんかと比べると、残念ながら正直かなり見劣りすると思います。
水の都が舞台で町並みも綺麗でCGも悪くないし、歌が4曲もあって結構力を入れているので、相応に期待はしていたんですけどね。
異世界インブルーリアのヒロインは最初から別れありきな感じで付き合って盛り上がりに欠けますし、そもそも数十年前にも異世界から飛ばされてきた人がいる等こういった事は何度も起こっているはずなのに、そうそう都合良く帰還する魔法が出てきたり、設定に納得させるだけの説得力が欠けるんですよね。
日常会話なんかはつまらなくはないですが、清修のハゲネタとかリドのシスコンネタとか最初は笑えても毎回同じリアクションで何度も出るので…
風呂覗きは定番イベントとはいえ、個人的にこういうので美味しい思いをするのは主人公だけであるべきだと思うので、むしろ無い方が良かったですね。
そもそも普段ワタルはタオル巻いてとはいえヒロイン陣と混浴しているので、ハプニングの1つでも起こした方が良かったと思います。
パッケージの仕様に関しては初回版にはゲームディスク以外にドラマCDとメルクリアの曲4曲のマキシシングルがついてくるのですが、4曲まとめて1枚のCDにして欲しかったですね。
無駄に重くなっているし、PCゲームのデカイパッケージが嫌いな身としては残念な仕様です。
あと、ライセンス認証プログラムがウィルスと誤認識される点も問題ですね。
この辺りは最低限何とかしてほしい所でした。

フィオレリーア=インブルーリア(CV:九条信乃)
ワタルが異世界インブルーリアにやってきて最初に出会ったリアは、インブルーリアの姫。
物語の設定とリアの言動から大体展開は予想できましたが、一見美しい世界に必要な犠牲としての存在のヒロインと、それを全てをなげうって助けようとするヒーローという事に全ては集約されます。
展開的にはあまり好きじゃないですね。
そもそも世界が犠牲を必要とするようになった理由というのも過去に間違えでマナを循環させる古代樹が切り取られた事ですが、そんな重要な物を根拠もなく普通切るでしょうか。
さらにその木の種も人が触れては駄目で道具を使っても動物を使っても駄目、自然に種を運ぶ能力もないなんてありえないです。
だったらどうやって繁殖しえるのでしょうか。
そこで都合よく異世界の人間だからワタルは触れるって都合良すぎな展開で、設定に突っ込みどころ満載です。
最後は全てうまくいって、エンディングの絵を見る限り異世界をつなぐ魔法も出来て元の世界に戻った皆も出席して結婚式へ…と一応大団円ですが、ご都合主義的展開です。

鷹森 日未子(CV:榊原ゆい)
ルートに入ってウザくなるキャラというのも正直珍しいです。
予知魔法に目覚め、物語にどう関わってくるかと思ったら、ズルだから封印するって皆に宣言したくせに、自分はそれを使って並行世界の他のヒロインと結ばれた世界の情事を覗き見し、勝手に負けたくないとか言ってそれ以上のシチュエーションで迫るという事の繰り返しでまだ続くのかよと苦痛に感じました。
くだらない事ですぐ泣くわ、帰る方法が見つかっても元の世界では予知魔法が使えないからワタルにどう接したらいいか分からないから帰りたくないとか、正直イラっと来ました。
結局の所相手を信じていないって事ですし。
中身の全くない話ですごくつまらなかったです。
最初はいがみ合っていたパメラとの友情とかも一応あったけど、この辺りをメインにすえてじっくり描いた方が良い話になったんではないでしょうか。

鶴城 亜泉(CV:兼崎晶)
病気で声を失った子が魔法の力で自分の声で告白するために頑張って難しい魔法を習得し、告白する話です。
色々と大変な思いをしてきたのに、それを感じさせないし、元の世界に戻って再び声を失う事も覚悟して受け入れたり、その強さが良かったです。
妖精のティアラとの友情も良い感じでした。
ティアラの口調がバカっぽく、それがなければなぁ…
まじめな事を話していても雰囲気ぶち壊しなのがマイナスでしたね。
亜泉のルートをクリアすると共通ルートと亜泉ルートの亜泉が話せるようになるまでの亜泉のスケッチブック文字に音声がつくものの、共通ルートと亜泉ルートをじっくり再プレイしようとでもしない限り全く恩恵がないので、最初から設定をいじってONとOFFを選択できるようにするべきだったと思います。

エルネスティナ=マドリー(CV:さくらはづき)
天涯孤独で妹を失った事を自分の責任だと思い込み、歌う事をやめてしまったというのは普段のドSな先輩という姿からは窺い知れないものでしたが、妹ニーナが説明書等に出ており、その事から全然サプライズにはなりませんでした。
この辺りはネタバレになるので隠しておくべきでしたし、そういう点でシナリオ以前に失敗しています。
あとはこのルートだけライターが違う事もあるのでしょうが、設定等で他ルートと齟齬を感じる部分もあり、その点でも減点です。
ワタルだけがニーナを見る事が出来、ニーナの心残りであるエルナと取り持っていく事に。
消える前にニーナが実体化してエルナと逢えたり、この世界でも他に例がなさそうな事が起こってこの辺りはご都合主義的ですね。
エルナはワタル達の世界に興味を示していたり、身の上を考えると帰還時に付いてくるのかなと思いきやワタルが残る事に最後はなっていますが…
こういう異世界ファンタジーで2つの世界の人間が結ばれた場合、行き来出来ない限りは別れかどちらかの世界にというのは当然の結末ですが、いま一つハッピーエンドって気はしないですね。

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パメラ視点から物語が進行します。
パメラがリアをライバル視し、つっかかっていく様と、その内面が一部を描かれる事になります。
…が特に目新しい事はなく、通常版には付かないだけあって、聞いてなくとも全く差し障りのない内容になっています。

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