異国迷路のクロワーゼのオリジナルエピソードによる短編3話構成のノベライズです。
第1話は湯音の過去、第2話は華やかなパリの裏側にある貧民街の話、第3話はいつものように文化の違いからくる湯音とクロードのすれ違いとなっています。
第2話と第3話は悪くないと思いますが、第1話はこれはどうなんだろうと思わされた部分が多かったです。
湯音が日本にいた頃の汐音と共に暮らしていた頃の話なのですが、日本の長崎の看板娘だった頃ではなく、それよりも以前、母を亡くして商家に養子に引き取られる前の話となっていますけど、そんな設定原作にはなかったですよね。
私の場合、アニメを見て原作を読んだ人間なので、2巻以降の雑誌で連載されている最近のエピソードを除けば読んでいない話もありますし、あるいはそこで出てくる設定なのかもと考えもしましたけど、あまりしっくりきません。
湯音の性格はある程度恵まれた環境があって培われたものという印象を受けますし、母の形見の着物も上等な物でした。
この小説にあるような貧しい境遇で、村八分と言っても良い扱いを受けていれば、もっと他人に対して警戒心の強い人間に育つと思います。
養子の話にしても、その引き取った商家が良い人とはありますけど、そんな恩がある家で働いていたとなると、そこを出てまでフランスに渡ろうと考えるでしょうか?
第1話が全体の足を引っ張っていて、評価を下げざるを得ないです。
あとは、原作で出ていない固有名詞。
名称不明の貧民層の少年がテオドール、原作に登場もしないその妹がアネット、あとアリスの兄の名前がウジューヌとなっていますが、今後原作で違った名称で登場したりしたらと思うと…

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