主人公の貫井 響は中学の途中から引きこもりとなり、もう3年近く。
その原因は小学校の頃、国語の授業で散文詩を書く事になりますが、それが随分と気取ったものだったようで、ポエマーなどというあだ名を付けられ、中学に進級してもその詩のコピーを回され、不登校に。
高校は離れた高校に進学するも、結局引きこもりのまま1ヶ月。
有り余る時間の中、ギターと音楽にのめり込み、ボーカルソフトに興味を持ってオリジナル曲をひびきPという名前で投稿する日々。
そんなある日、五島 潤という人物から丁寧なメールを貰い、ひびきPの名前で投稿した曲だけではなく、匿名で即興で作って投稿した曲もあなたの作品ではと聞かれ、メールの主である潤に興味を持つ事に。
現状を変えるきっかけになるかもしれないと、会ってみないかという誘いに乗りますが、待ち合わせ場所に現れたのは想像したような仕事に燃えるサラリーマンでも余生を楽しむ老人でもなく、小学5年生の少女。
潤という名なら女性である可能性もある事を失念していた響には意外な相手。
潤と一緒にいた同級生の紅葉谷 希美、金城 そらに上手く丸めこまれ、3人が暮らす児童養護施設のリトルウイングへ。
教会が別館として存在するリトルウイングにはヴィンテージ物の楽器も多数あり、食指を動かされて3人がやりたいライブの手伝いをやる事に。
外に出た事により、中学時代の同級生で、アイドルのような美少女・鳥海 桜花とも再会。
どうやら高校でも同じクラスのようで…
せっかくのゴールデンウィークでありながら、外出する響を不満に思うのは、小学5年生の妹・貫井 くるみ。
響は妹に嫌われていると思っているようですが、どう見ても兄への好意を素直に表せないだけのツンデレ妹。
全裸で一緒にお風呂に入ってくれたり、全裸で一緒にお風呂に入ってくれたり、全裸で一緒にお風呂に入ってくれたり……、美味しいお弁当を作ってくれたり、朝スカートも気にせずに上に乗って起してくれたりする可愛い妹がいるとか、何て羨ましい奴。
潤、希美、そらが教会でライブをやりたい理由ですが、潤、希美、そらは言葉を濁しますが、保護者でもある元神父の沢渡 正義によって明らかに。
それは子供もほとんどいなくなり、施設も老朽化しているという事で、手放して引っ越しする事が決まっているよう。
沢渡はロック好きで、酔った時に教会でロックのライブをやってみたいと言ってしまったようで、思い出の場所で恩人の願いを叶えたいと思っているからと判明。
しかし、人を集めるなどそう簡単ではなく、辛い思い出になる位なら止めたいと沢渡は思っているよう。
響はどちらも善意からの考えと知り、出来る事をやってみようとします。
1番現実的な手は、学校の友達を誘う事ですが、それを頑なに拒む潤、希美、そら。
くるみが実は同じクラスだと判明し、潤、希美、そらが3人だけで固まり、誰とも接しようとしない事を知る響。
そんな中、桜花もリトルウイングで暮らしている事を知り、桜花が自身は気にしていないのに同情的な目で見られる事を嫌がり、周りの羨望を集めるような格好もリトルウイングに来た事を機に始めた、自らの境遇を隠す建前のためのものと知ります。
悪い見本となってしまった事を気に病む桜花ですが、自分にはそれを言う資格などなく…
人を集めるために響が決意したのは、高校に登校してクラスで弾き語り。
自身の曲を少しでも気にいってくれたらとなるのですが、突拍子もない行動で響自身も覚悟していた通り、浮く事になってしまい、話しかけてくれるのは桜花だけ。
ですが、桜花がその映像を携帯で録画して潤、希美、そらも勇気を振り絞る事に。
結果、クラス委員長のくるみが後押しした事もあってクラスメイト達は来てくれ、桜花も自身の境遇を友人に話し、響の弾き語り以降、それが頭から離れないという女子数名を連れて来てくれ、ライブは成功。
このライブ以降、響には桜花以外の女子も声をかけてくれるようになり、嫉妬もあるのでしょうが遠巻きに見ていた男子も案外普通の奴と気付き始め、距離は縮まったよう。
桜花のフラグも立っていますよね、これは。
そして、引っ越しに関しては響がイベントスペースとして運営させてくれと正義に頼み、そんなに甘い物ではないが何か成果を出せたらその先も考えてやると、1ヶ月の猶予を貰う事に。
物語も一区切りですが、あとがきを見る限りでは「ロウきゅーぶ!」と並行して新シリーズとして続いて行きそうですね。
ロウきゅーぶ!」以上にロリに特化し、ヒロインとなる小学生が1学年下がって小学5年生となり、いわゆるエロいイベントが複数あります。
「ロウきゅーぶ!」では入浴シーンなどはあれども主人公視点で見れるものではないですが、「天使の3P!」では主人公視点。
物語におけるロリの比率が上がっています。
今回の一件でくるみとの距離は縮まって毎日一緒に風呂に入るようになったようですし、希美、そらの全裸を見て両手で抱き止めるイベントも…
全裸の妹を抱ける悦び、プライスレス。』なんて一文がありますが、「――見えたぞ、逮捕(エンディング)が。」という「神のみぞ知るセカイ」のパロディの一文通り、本当に下手をすれば逮捕という感じ。
作中から引用するなら、「は、はわわわわわわわお兄ちゃんが!お兄ちゃんが私以外の幼女に囲まれて私以外の幼女に膝枕してる!はじけるタイホの香り!キュアポリス!」(byくるみ)ですね。
「ロウきゅーぶ!」に引き続き、ロリ方面で絶大な人気を持つ絵師と組むゆえ、それを最大限に生かしたという訳ではなく、あとがきを見る限りでは著者の蒼山サグさんの嗜好がそっち方面っぽいですね。
とは言え、「ロウきゅーぶ!」同様に真面目な心理描写や主題もあります。
「ロウきゅーぶ!」が比較的日常に近い身近な問題を取り扱っているのに対し、いじめやら他人との境遇の違いから感じる人との壁のように、社会的な問題を取り扱っている印象。
しかし、大枠で見るとテーマがバスケットからバンドに変わっただけのような既視感もあり、勿体ないです。
個人的には楽しめましたし、ロリ属性に興味はないのに、くるみを見ているといけない嗜好に目覚めてしまいそうになりました。
「ロウきゅーぶ!」が好きなら楽しめるとは思いますが、続けるならもっと差別化してほしい気はします。

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