ゲーム漬け : AV女優とAV男優が同居する話。　レビュー

表題作である「AV女優とAV男優が同居する話。」を含め、幾つかの短編構成。
「AV女優とAV男優が同居する話。」は、AV女優の柊梓とAV男優の館石大地が同居する事に。
事の発端は数日前、洗濯機のホースが外れて大家の部屋まで水浸しにし、元々仲の悪かった大家とのトラブルで部屋を追い出される事になった梓。
損害補償で貯金もパァ、頼れる友達もおらずに困る事に。
事務所ではネタ出しの人出が足りないと、自分の企画提案をやってみないか、バイト代として事務所が借りている部屋を使っていいと。
その部屋がルームシェアで、AV女優とAV男優の同居に。
梓もルームシェアの相手が男とは思っていなかったようですが、AV女優だけに男慣れしていて気にせず、大地もAV男優だけに動じず。
仕事でセックスしているだけに、カメラ回っていない所で金にならないセックスしてどうすると、特に色っぽい展開にもならず、同業者として気楽な関係からスタート。
ダラダラ過ごして金がなくなり、知り合いの伝手に頼ったらAV男優になった大地と、セックスが好きで金の入りが大きいからAV女優になった梓と、駄目人間ですね…

仕事でセックスしているだけで、恋愛は別と言った所で、恋愛とセックスは切っても切れず、理解出来る訳はないのですが、梓を意識し始めていた大地が、同業者ならという流れで告白してカップルとなりますが…
恋人との初めてのセックスが、仕事となってしまい…

傷付いて現実を知り、AV女優を辞めて、大地の前から姿を消す梓。
ささやかな恋が踏みにじられた的な話ですが、究極のプライバシーであるセックスを売り物にした訳ですし、普通の恋愛が出来ないのは自業自得なのですよね。
大地もAV男優は辞め、新人営業マンとして、新人OLとなった梓を見つけ出し、もう1度始めからやる事に。

同じ世界で語られるエピソードの「AV女優とAV男優が同居する話。2」は、AV出演を勧められる落ち目のアイドルであるリリの話。

当然のように拒み、着エロでも我慢しているのに、デブやオッサンに挿入されるなんて無理と言いますが、イケメンだったらAVデビューでもいいんだと、引き合わされるのは大地。
イケメンの大地に一目惚れし、拒む気もなくなったようですが…
梓が姿を消した直後のようで、大地ももうAVに出たくはないようですが、借金を持ち出されては拒めず、リリのAVデビューのお相手に。

大地が前に同業者とルームシェアしていたと聞き、そこに潜り込むリリ。
梓より女子力も高く、魅力的な相手と言えるのですが、既に大地の心には梓がいて、リリの望むような事にはならず。

幼い頃に両親を亡くし、愛情を求め続けた末に、アイドルから転落し、AV女優となってしまったリリ。

アイドル時代に所属していたグループの映像は、リリの顔はモザイク入りで放映される扱いで、ハードなプレイのない女性向けAVといっても、AV女優である事に変わりはない現実に今更気付き、この先、私の事を好きになってくれる人がいるのかと後悔。

地下アイドル時代からリリのファンだったという玉置潤は、リリを追いかけて事務所に入り、リリのマネージャーへ。
最終的には元AV女優のタレントとして成功し、結婚して幸せにとなりますが、不特定多数ではなく、誰かに愛されて満足するなら、そもそもアイドルをやる必要も、AVに出る必要もないような…

表題作以上にインパクトがあるのが、「兄が好きな妹と妹が怖い兄の話。」。
老舗の呉服屋の二男の真太。
真太には兄の弥彦、双子の妹の灯奈と雅奈がいて、両親は忙しいと、顔も合わす事もほとんどない生活の結果、灯奈は弥彦にべったり、雅奈は真太にべったり。

雅奈は本気で自分を好きなのではと、悩む真太。

弥彦は灯奈が自分にべったりなのは家にいる時だけで、妹として甘えている、双子で似ている雅奈も同じと、真太が安心する言葉をかけますが…
実際はそんな事はなく、卒業したら都内に出る事を決めた真太に性的に迫り…

拒まれると、代わりにともらったお金で買ったバイブで処女喪失、そのレシートを真太に渡すヤンデレっぷり。

一見するとクールな一面もあった雅奈と違って、甘々な雰囲気の灯奈は、そういう願望もあれど、不毛とキッチリ弁えていました。

他の短編も含め、癖のある恋愛模様が多いですね。
表題作を見ると、過激なシーンも多そうですが、実際には内面的な描写が多く、「AV女優とAV男優が同居する話。」ではやる事はやってますが、一番露出があるリリのセックスで1コマだけ乳首が描かれている位なので、直接的なエロを求める人でなければ、楽しめるのではないでしょうか。