2004年12月24日

どうなっちゃうの?ソニーらしさ 【ソニー】

 今日注目のニュースはこれ。

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ソニー/アメックス/P&G、米国の所得二極化対応で新戦略

 ソニーが米ウォルマート・ストアーズ向けに専用の製品を供給する計画 を進めていることが分かった。早ければクリスマス商戦にも製品が店頭に 並びそうだ。



 低価格が売りもののウォルマートは、これまで日本製家電では船井電機 や三洋電機の低価格帯のテレビやビデオなどを中心に扱ってきた。そこに ソニーはあえて飛び込み、“船井化”を目指す。ソニーは今年秋からウォ ルマートとの取引を強化し、既存のソニー製品を供給してきた。米国ソニ ーの三好林太郎上級副社長は、「ウォルマートの主要顧客層と購入価格帯、 さらにどんなヒット商品が出たかを分析して、先方の要望に合った特別仕 様の製品を作りたい」と戦略強化を語る。

コストコでは高額所得者を狙う

 ソニーが狙うのは低価格帯の強化だけではない。ウォルマートと同時期 に取引を開始した米コストコ・ホールセールでは逆に高額所得者を狙う。会 員制販売のコストコでは、年間の会費は100ドル(約1万1000円)かかる。「 まとめ買いイメージが強いが、高額品を買う所得者が多い」(三好上級副 社長)として、薄型テレビやビデオカメラといった先端商品を販促する。 ソニーは米国でショールーム主体の販売店を自社で展開しているが、コス トコをそれと並ぶ柱にする考えだ

 低価格帯と高価格帯それぞれに新たな販路を広げたソニーの狙いは、米 国で顕著な消費の2極化への対応だ。米大統領選挙は、地域による政党支 持の傾向で、分裂する米国の姿が改めて話題になった。米国の分裂は、消 費にも及んでいる。米国では今、かつてないほど貧富の差が広がっている。 国勢調査によれば、所得層の上位5%と最下層20%の差は19倍にも達した。 所得2極化への対応は、ソニーのように富裕層と低所得者層を別々に狙う 販売戦略を取る企業ばかりではない。顕著なのは、高額所得者向けのサー ビスや商品を強化する動きだ。
(以下省略、日経ビジネスエクスプレス 2004年11月26日 00時00分)

全文はこちらから

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 個人的には、IBMレノボへのコンピュータ製造部門の売却より格段 に衝撃的なニュースでした。

 アメリカが今「赤と青の対立の構図」になっていることは、みなさんも よくご存知だと思いますが、「国勢調査によれば、所得層の上位5%と最 下層20%の差は19倍にも達した」とういのには驚きですね。これはすでに 国内の「南北問題」ですよ。内戦が起きたっておかしくない。

 ILO(国際労働機関)の調査によれば、世界の労働人口の半分は、一 日2ドル(200円)以下で暮らしているとのこと。中国の平均月収が、確か 1万2000円くらいだったでしょうか。中国は一日4ドルと倍ですから、豊 かな方に属するわけですね。

 私は自著「新スペシャリストになろう!」の中で二極化の話を取り上げ、 労働環境の未来予測をしましたが、すでにアメリカでは現実のものになっ ています。日本も早晩なるのはもう止められないでしょう。年収200万円 の人と、4000万円の人がすぐ隣で暮らす時代になるのです。

 衝撃はソニーです。ソニーは決してお金持ちのために存在したわけでは ないと信じていますが、大衆にとっては「あこがれ」の存在だったはずで す。常に人々にとって「ソニーを持ちたい、持てるようになりたい」とい う未来世界を提案し、デザインを見せつけてくれていました。

 そのソニーがアメリカの「赤」の象徴であるウォルマート向けに、OE Mの船井などを競合として参入するというのです。

 恐らくソニーにとっては、アメリカ市場をしっかり読んでの決断なので しょう。そこには「すでにかつてソニーに憧れを抱いた中流という大衆は 存在しないのだ」ということを物語っているように思います。

 二極化の中で、ソニーの「らしさ」はどうなっていくのでしょうか。マ ーケティングの雄であるソニーが「価値」と「価格」の戦略を同時進行す ることのリスク、ブランド価値を維持することの難しさを知らないわけが ありません。

 記事の最後にマーケティングが専門の米ノースウエスタン大学のドン・ シュルツ教授のコメントがあります。

 「大衆市場が縮小することで「企業は販促方法を変えなくてはならない」 と言う。二極化する消費者に別々の製品開発をすると、企業のブランド管 理が難しくなるからだ。統一した企業イメージをどう高めるかという課題 もある。」(酒井 耕一、広野 彩子)


 私は、二極化は企業単位でも進むと見ています。
 高い付加価値を提供できず価格競争に追われつ続ける企業と、高い付加 価値で儲かってしょうがない企業とに。

rinenshintou at 12:00│Comments(0)TrackBack(0) 【マーケティング】 

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