2005年07月29日

石のスープ(ストーン・スープ)

みなさん、『石のスープ(Stone Soup)』というお話をご存知でしょうか?

私が以前に読んだのはマーシャ・ブラウンが書いた本でした。
あの『三びきのやぎの がらがらどん』のマーシャ・ブラウンです。
子供向けの本でした。
英語だったか日本語だったか・・・。


フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』によりますと
「石のスープはポルトガルに伝わる民話。
そしてそのエピソードから、
協力を集めるための呼び水の比喩にも使われる。」
とあります。



お話はこうです。

3人の疲れた兵士が、ある村にたどり着く。村人たちはケチなので食べ物を隠す。兵士たちは村人に食べ物を分けてくれないかと頼むが誰も与えるものはない。「それでは、仕方がない」と言い、3人は、鍋を借り石と水をいれてグラグラと煮立てる。「石のスープ」を作るという兵士に興味をもった村人が鍋のまわりに集まってくる。「ああ、塩とコショウがあればなあ・・・」と兵士がつぶやくと、打ち解けてきたある村人が、それらを持ってくる。「にんじんがあれば・・・」「ジャガイモがあれば・・・」と言うと、次々と鍋の中身が充実してくる。最後にはミルクと肉が加わり、村人と一緒に分け合い、大いに盛り上がり、「こんなおいしいスープが石から出来るなんて信じられない!」と村人は大喜びする。夜更けまで飲んで踊っての楽しい一夜になる。


私が図書館で今日借りてきたのは
Troll Associatesというところから
出版されている英語の絵本です。
どちらも同じような内容です。


この話を読み返してみて
以前には気付かなかったことがひつあります。

それは、塾とは「石のスープ」だということです。

「はあ?違うでしょう!」とおっしゃる方も
多いと思います。「あん、どこが?」とか。


私がいつも思うのは勉強を教えてはいるんですが
結局、勉強をするのは生徒自身なので
我々は兵士のように「もうちょっと関係代名詞を勉強したらなあ・・・」
と言ってるだけなんですよね。
「おしいな、もうちょっと古文ができたらなあ・・・」とかです。

その教えている勉強というものも
自分で発見し考えたことでもないのに
偉そうに「速さ×時間は道のりだろっ!!!!!」
って言う部分が多い仕事です。

全く、こちらは石と鍋だけ用意して
残りはみな生徒のがんばりです。
「なんてことだ!
 成績がこんなに上がるなんて!」
「先生、おかげさまで
 数学の点数だいぶん上がりました」
志望校に合格すればもう大騒ぎ・・・。


お母さん、
すべてお宅の息子さん・娘さんが
努力された結果なんですよ!




一夜を柔らかなベッドで過ごした兵士たちは、
次の朝、村人たち全員に見送られ
村を後にすることになります。

「村のみなさん、ありがとう!」

「こちらこそありがとうございます。
 あなた方はとても大切なことを教えてくださいました!」

兵士たちが手を振っています。
村人たちも手を振っています。

「まったく、石からおいしいスープが出来るなんて、
 今まで聞いたことがあるか?」
と村人たちは互いにささやきあいます。



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1. 世界で一番幸せなスープ  [ オトナノトモ ]   2005年11月24日 20:28
by G-ToolsStone Soup: An Old Tale (Aladdin Picture Books)Marcia Brown Aladdin Paperbacks 1997-08-01Amazonにて洋書版の中身が閲覧できます!→画像をクリックせかい1おいしいスープ―あるむかしばなしマーシャ・ブラウン 渡辺 茂男 ペンギン社 1979-01絶版中。復刊リ...

この記事へのコメント

1. Posted by Sachi(学習塾講師のブログ通信Sachi-net)   2005年07月29日 11:11
 りんごさん、こんにちは。
 今回のりんごさんの記事を今読めて良かった。まさに今目にして本当に良かったです。というのは、まさにちょうど今、「動詞の過去形・過去分詞形」テストを必要枚数準備しながら、
「あの子達、出来ないんだろうなぁ…何回再テストしようかな。出来なかったものを何回書いて覚えさせようかな」とか考えていたところです。
 生徒がいない間に考えているうちと、だんだんと自分が悪い講師になっていました。『覚えさせる』『居残りさせる』『練習させる』『再テストさせる』。。。
 「絶対に旨いと言わせる秘伝の極上スープ」を作ろうとしていたように思い直しました。
 ありがとうございました。少し空き時間が出来たので、今からちょっとそこら辺に石を拾いに行ってきます。
2. Posted by りんご   2005年07月29日 16:50
サチさん、こんにちは。

なんかお役に立てたみたいで
うれしいですね。

>少し空き時間が出来たので、今からちょっとそこら辺に石を拾いに行ってきます。

なんかカッコイイですね。
また来てください。
3. Posted by 子供が勉強好きになるために   2005年07月29日 17:20
りんごさんへ

orbitsです。
この石なら、あるいはこの鍋なら、極上のスープができそうだと、生徒や親に思ってもらえるように、
教室の雰囲気作り、環境作りに精を出していきたいですね。

生徒が勉強したい,勉強って楽しい、この塾に来れば何か分からないけどやる気が沸いてくると思ってもらえるような塾にしていきたいですよね。
4. Posted by りんご   2005年07月29日 17:48
オービッツさん、こんにちは。

本にも書いてありました。
「いい石を選ぶのが肝心なんだ」って。
いつの日か、オービッツさんの教室へ
お邪魔することができたら
楽しいと思います。
それでは。
5. Posted by こだま   2005年07月29日 22:45
りんごさん、こんばんは。
いいお話ですね。それとなく兵士がつぶやくのがいいですね。このつぶやきを大切にしたいと思います。
ありがとうございました。
6. Posted by りんご   2005年07月29日 23:37
こだまさん、わざわざコメントありがとうございます。『九九神話の崩壊』の話はすごい話ですね。私の意見がまったくまとまらず、コメント出来ずに申し訳ありません。やっぱり考えたこともないような話だからでしょうかね。けれどなんでもかんでも人より早く学ばせようとすることの弊害が、非常にうまく表現されている話でした。「九九の暗記」の是非は本来は副次的なポイントだと思いました。
またよろしくお願いいたします。
7. Posted by Sachi(学習塾講師のブログ通信Sachi-net)   2005年07月30日 01:24
 りんごさん、Sachiです。今日はありがとうございました。夜の授業で生徒から「なんか今日の先生テンション高くない??」と言われました。自分勝手にも「最高の褒め言葉」だと受け取りました。これも、りんごさんから今日すばらしい記事を読ませていただいたおかげです。
 さて、僕は「石のスープ」の話を知らなかったのですが、ふと嫌らしい疑問を持ってしまいました。僕は実に良い話と感じ取りましたが、実際にはこのお話ってどういうお話なんでしょう? 兵士は「どのように村人から信頼を得ようか」と考えていたのでしょうか、それとも「どのようにして村人をだましてやろうか」と考えていたのでしょうか。
 せっかく感動したのに実に嫌らしい質問ですね。良いように受け取っていればそれでメデタシなのに、いちいち裏を知りたくなる、悪い性格です。。。
8. Posted by 癒やしの花   2005年07月30日 11:24
りんごさんへ  
楽しいお話ありがとう。これはぐいぐい引き込まれました。また次もぜひ英語のお話を勉強したいです。ところで、「石のスープ」の感想は、私としては、兵士達と村人の微妙なやりとりで、仲良くなれて良かったと思うのです。子供達も同じ気持ちでいる子が多いとおもいます。
9. Posted by こだま   2005年07月30日 13:56
りんごさん、こんにちは。
コメント、ありがとうございました。
あの記事はもしかして、教育界のタブーのように思っていましたので、いろいろなところからの反発を予想していました。あの記事を投稿した後、予想通りのコメントを頂いた後(コメントを頂いたことは非常にありがたかったのですが・・・)、四面楚歌のような気分も味わっていましたので、りんごさんのコメントを見つけたときに、砂漠でオアシスを見つけたような気分になり、またまたエネルギーが身体の底から湧いてきました。
本当にありがとうございました。m(_ _)m
10. Posted by りんご   2005年07月30日 14:20
サチさん、再度のご訪問ありがとうございます。
私も実はこの話、いまだによくわからないのです。
意地悪くとれば意地悪にとれるし、全然違う捉え方も出来ますね。実際に原文を読まれたら、別の感想が生まれるかもしれませんよ。けれど、一番初めにおっしゃった「絶対に旨いと言わせる秘伝の極上スープ」を用意して飲ませるのではないと思います。教育とは生徒から引き出すものであると言われるように、はじめにサチさんが感じられたことが、大切なんだと思います。実は私もこの2日間、授業中テンションがかなり高いです。
またよろしくお願いしますね。
11. Posted by りんご   2005年07月30日 14:25
癒しの花さまへ。

コメントありがとうございます。おっしゃるように、塾で考えた場合、誠意をもって接すれば、ほとんどの子供は、しっかりと受け止めてくれますよね。それがまた、子供と接する仕事のおもしろいところですよね。先生のような芸術関連の方にいつもアドバイスいただき、私は本当に助けられております。いつも背中を押して前進するように助言してくださり、感謝しております。
また、いつでもおこしください。
12. Posted by りんご   2005年07月30日 14:45
こだまさん、こんにちは。
私と違い、常に直球勝負のこだまさんですから、風当たりもきついかと思います。今回は剛速球で、内角ギリギリを狙われたので、特にです。
ところで私なんか最初に、あの文章の量に驚きました。私なら1時間や2時間では書けませんね。コメントの量もすごいですよね。
これからもよろしくお願いします。
13. Posted by えほんうるふ   2005年07月30日 18:40
こんにちは。えほんうるふです。コメントを頂いてさっそく遊びに参りました。
「Stone Soup」は私も大好きな絵本で、自分のブログでのレビュー予定リストにもしっかり入っています。私の解釈はりんごさんとは微妙に異なるのですが、この物語はたいへん示唆に富んでいて面白いですね。りんごさんの興味深い視点からの記事、楽しく読ませて頂きました。

私がこの物語から学んだことは色々ありますが、一番大きいのはどうしたら人間のやる気を引き出せるか、そのヒントを得られたということです。そして、人を動かすにはやってほしいと働きかけるよりも「やりたい」と思わせること。
できることから始めて、本人が気が付かない能力に気が付かせてあげることで、子供達の学力や才能ももっと伸びるのかも知れませんね。
14. Posted by りんご   2005年07月30日 19:12
えほんうるふ様、いらっしゃいませ。
早速、リンクを貼らせていただきました。
これから楽しみがひとつ増えました。

>どうしたら人間のやる気を引き出せるか
>人を動かすにはやってほしいと働きかけるよりも「やりたい」と思わせること
>本人が気が付かない能力に気が付かせてあげること

すべて我々塾講師の大切な仕事だと考えています。
つまり塾講師とは「学校の勉強」や「受験勉強」を通して、それらの事をし、社会に貢献することだと今日ある方のブログを読んで感じました。

これからもよろしくお願いします。

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