2006年01月05日
神の子
数は少ないんですが
今小1が帰りました。
1時間ずっとがちゃがちゃしながら
たくさんのプリントをやっていきます。
数の感覚が未発達な子達に教えていると
涙が出そうになりました。
彼のわからないことがわかり
とてもうれしかった。
私はその迷路をこのつぎ、用意してあげる。
彼はそれでくちゃくちゃとやる。
するとまた迷路の領域が広がる。
「ありがとう」と言いたかった。
けれど文脈としておかしかったので
無言で彼を見つめた。
彼はうれしそうな顔。
私は泣きそうな顔。
不謹慎かもしれないが
算数の苦手な子は神の子に見える。
信じられないほどのものを私に与えてくれる。
彼らと過ごす1時間は黄金の1時間だ。
私が今日得たものはなんだと思いますか?
「数字は逆からも数えられたほうがいいよね〜」
と
「数字はひとつ飛ばしでかぞえたれたほうがいいよね〜」
です。
「10からひとつずつ減らして言って」って言うと
「10、9、7、6、8、9」
またまた〜、神様。
「じゃあ、ひとつ飛ばしで言って」
「1、3、5、6、7、8、19!」
マジですか、神様。
彼が言えないということは
全国で何万人言えないんだろう?
じゃあ、世界では。
「あらやだ、うちのヒロくんは
お風呂で覚えましたよ。
日本地図もトイレに貼ってま〜す、ふぁいと〜!」
っていうのは単なる自慢だ。アドバイスじゃない。
生徒と、それじゃお風呂に入ろうか、ってわけにはいかない。
「お風呂で楽しく覚える」みたいな教材を作りたい。
もちろん机上の学習教材として。
毎日勉強して賢くなって
だんだんと忘れていくことを
彼らは教えてくれる。
どんな簡単なことでも
それが難しかったりわからなかったりした時があったはずだ。
勉強を続けると
わからなかった状態を忘れてしまう。
そんな失くした記憶を
笑顔で彼らは教えてくれる。
彼らは私に教えている意識なんかもちろんない。
塾講師に必要な能力のひとつは
生徒がなにがわからないかを感じ取る能力だ。
おっと、ありふれた結論になってしまった。
これはビジネス一般で言うと
顧客が何に不満に感じているかを知ることではないでしょうか。
あらあら、もっとありふれた結論になってしまった。
ということで時間もないのでこの辺で。
では。
ringo_juku at 17:55