私の好きな詩

2005年08月04日

駅前の方の教室の窓は東と南に向いて開いています。
そのため朝から夕方まで太陽の光が差し込みます。
エアコンの温度計は33度。
室外は35度とか表示されます。
焼け石に水という言葉がありますが
やっぱり雨が降るとうれしい。
窓には水滴が滴り、
アスファルトも電車も
遠くの山々も色を取り戻す。



なぜだかわからないのですが
十代の終わりの頃より詩が好きで
読んだり書いたりしていました。


特に好きだったのが西脇順三郎でした。
彼の言葉はなぜか透明な日本語だと感じていました。



詩集<Ambarvalia>より引用します。




『雨』




南風は柔い女神をもたらした。

青銅をぬらした、噴水をぬらした、

ツバメの羽と黄金の毛をぬらした、

潮をぬらし、砂をぬらし、魚をぬらした。

静かに寺院と風呂場と劇場をぬらした、

この静かな柔い女神の行列が

私の舌をぬらした。






この詩集は昭和8年(1933年)、
西脇順三郎40歳の時に日本で刊行されたはじめての詩集です。
それまでにイギリスで英語の詩集を自費出版しています。

まったく風化しないこの「言葉」はなんなのでしょうか。
いまから70年以上も前の日本語とは思えません。

同じく詩人のエズラ・パウンドが
スエーデン・アカデミーに推薦したそうですが
残念ながらノーベル文学賞は取れませんでした。



今日は夏季講習はお休みです。
朝から長女(3ヶ月)の子守をしています。
女神のような笑顔を私に向けています。
さっきオムツを替えていたら、
彼女のオシッコが私の手をぬらしました。



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ringo_juku at 10:19|この記事のURLComments(4)TrackBack(0)