The Dancers

日本のダンス活性化、ダンサー応援します!

宝塚の古い動画配信してください!

最近、YouTubeで宝塚の古い動画を見るのに凝っていて....毎日iPadで今日はあれとこれにしよう!と楽しみにしているんですが、なぜか、しばらくするとその動画が消されている。

アップされているのは多くがWOWOWで放送されていたもの。でももっと古いもので、NHKで40年近く前に放映された松あきらさんのトップお披露目公演バウホール 『ヴェロニック』を見つけたのです。ビデオなんてない時代、カセットデッキをテレビに近づけ、しーっと家族を黙らせ、雑音だらけで撮った音を何度聞いたことでしょう。驚くことに、この動画を見ながら、ほとんどの歌を歌うことができた!!!!!
たとえば
素晴らしい気持ちよ、私大好きよ!朝のパリの街!恋人たちは皆....(北原千琴さんのヴェロニック)
すばらしいながめだ!すばらしいうれゆき、世界一の花つくりそれはこのコクナール!(みさとけいさんのこくなーる)
もちろんフロレスタン子爵役の松あきらさん、
ヴェロニックには言いましょう、一目見たときから心ふるえ永遠に忘れはしないと....
アガート役の上原まりさん、
森の中怖い一人じゃ危ないオオカミが出るうううううううううオオカミ吠える。でもみんな一緒ならにぎやかに行こう!
ナント平和な歌詞.....

本当にこの時代は豊富な人材がいたのだなあーと思います。だって宝純子さんがヴェロニックの家来役、北小路みほさんが宝純子さんのお嫁さん役、邦月美紀さんがまちこちゃんの叔母役!そしてなんと!今回じっくり見ていたらフロレスタン子爵が連れている友人役になつめさん発見!!!チョイ役なのに気障!さすが!なんだか涙が出てきたよ。

1時間半くらいの動画なのだけど、1週間くらいずーっと見ていたら、ある日なくなっていた.....どうして????
私、この動画なら買ってもいいと思っています。そういうひと、たくさんいると思います。配信ベースで是非、古い宝塚の動画を売ってください!お願いします!!!!

東京バレエ団ガラ公演

シルヴィーギエムが引退を発表。もう時間の問題とは思っていたけれど、やはり来たか...という実感。
このタイミングでの東京バレエ団50周年のガラ公演。盛り上がらないわけがない!
このガラ公演はすごい!ギエムのほかにもマラーホフ、ルグリを迎え、東京バレエ団のメインダンサー総出演。当日はもぎりの横でダンサーにより大入り袋が配られた。中身は小型LEDランプ。裏に東京バレエ団のロゴ入り。本当におめでとうございます!今回のプログラムはとてもよかった。

ノイマイヤーの「スプリング&フォール」は、大好きな作品。最初なんとなく違和感があったのだが、しばらく見てはたと気づいた。全員同じ色だ!ハンブルクやパリで見たときは髪の色や肌の色が微妙に違っていて、それが淡い照明の背景に溶け込んで美しかった。今回は女性は全員黒髪、男性は白(本当は黄色というべきなんだろうけど、まあ白)。これもあり!美しい。ノイマイヤーらしいロマンチシズムあふれる作品。一人、男性で踊りこなしていない感があって、遅れるダンサーがいて、残念。

「オネーギン」はルグリのオペラ座での最後の作品。相手役のタチアナは気品あふれる吉岡美佳さん。オペラ座を引退してからもう5年になるんだなあって、ということはつまり、もう50歳!円熟した演技だけど、たぶんもう自身で踊る公演を見ることができるのは本当に最後かもしれないと思いながら、しみじみ見入った。それにしても悲しいパドドゥだなあ。ガラ公演の悪いところはこういう幕ものの一部のパドドゥを切り取って上演するからそこまで持っていけない間に終わってしまうこと。でも今回はタチアナの吉岡さんがキパッと前のスプリングの柔らかさを切り取った。凛々しい。

「影の王国」も素晴らしかった。私は上野水香さんのローザンヌのビデオ録画を持っているのだが、その時名毒舌解説だったクロードベッシーさんが彼女を非常にほめていたのを思い出す。というか彼女のコンテンポラリー作品をけちょんけちょんにけなし、(「趣味の悪いのは国を問わないというのを見せてくれているんですね。もうこれはどうしようもありません。」)でもそのときに「こんなことをさせるなんて。このダンサーは何か私の心を打つんですよ。」と言っていた。もう何年前になるのだろう。ベッシー氏の読みのとおり、正確なテクニック、ダンサーとしての美しさ、オーラを持ったダンサーに立派に成長した。このシーンもバヤデールの中では好きなシーンなので、うれしかった。

そしてそして「ボレロ」。もう何度この作品を見たことだろう。何度見てもいい!特にシルヴィーのは本当にいい!
ジョルジュドンは別としてやっぱり彼女のボレロは女性としては、最高の一人に入ると思う。特に若い時のエネルギーあふれるボレロとは少し違い、抑揚をつけ、抑える部分はとことん抑えている。最後、足を開いて床に肘をつき、そこから最後のクライマックスに向かう場面、とうとう涙が噴出した。NHKホールの3000人が一体となって見守る。最後のポーズが決まる。すごい.....ほんとうにすごい....
スタンディングオベーションはいつまでも鳴りやまなかった。素晴らしかった。
最後はルグリもマラーホフも出てきて...ミーハーとしては、ルグリとギエムとマラーホフと吉岡さんと高岸さん、並んでほしかったなあ。
おなかいっぱい!とても満足しました。本当におめでとうございます!
高岸さん、今年、キャンストですよね!観に行きます!あのーシングシング踊られるんでしょうか.....

ノーサイド - 長かった夏

長い夏が終わった。娘が所属するバレエ団の公演がひと区切りついた。娘のとっては、これからは基礎レッスンに集中する期間となる。娘にとっては、と言ったのはこれからコンクール、オーディションなどイベントが目白押しの生徒もいるらしいからだ。

児童バレエの場合、辞め際を決めるのは本当に難しい。いや、児童バレエに限らず、一般のダンサーも同じかもしれない。スタジオ公演などが定期的に行われるようなダンスカンパニーでは、公演が生活の区切りとなり1年があっという間に過ぎ、1年また1年と同じような生活を送ることになる。そのリズムを壊すには、人生におけるドラスティックな変化、もしくは自身が限界を見ることが必要だ。

多くの児童バレエの場合、決定的に考える機会となるのは入試対策であろう。周りを見ていると、まず小学6年生で最初の波がやってくる。中高一貫校に合格すれば、5年はバレエに集中できるが、高校入試をする生徒は中学3年が、大学入試をする生徒は高3がバレエを辞める辞め際となるように思う。ということはプロに進む人はここからプロに進む道を取る。2つの道がはっきりと分かれる。

あるバレエ団では、これは!という生徒は中学3年生で先生に呼ばれ、高校に行かなくてもいいのではないか、と打診を受けるそうである。そうなると、コンクール、公演にどっぷり浸り、ひいてはバレエ留学ということになる。戻ってきたあとはバレエ団のオーディションを受けるか、出身バレエ団で後進の指導にあたる。日本ではバレエを教えるための資格は必要ない。フランスでは国家資格としての「バレエ教師」という職業が存在する。自身がバレエが踊れることよりも「教える」ということに焦点を置いた資格で、医学的な背景、芸術的な背景なども必要とされる。パリ・オペラ座バレエ学校では、生徒たちに大学受験資格バカロレアを取らせる。けがなどで踊れなくなることを考えての初代校長クロードベッシー氏の配慮である。たとえダンサーとして踊れなくても舞台にかかわる職業に就く人は多いようだ。舞台関連の仕事は意外と多い。

誰もがわかっていることだが、日本では、職業ダンサーとして食べていくのは本当に厳しい。それを考えるとある程度になると親は子供にバレエへの道を進ませることに躊躇する。でも中学くらいではそこまで考えてバレエを習う子供は少ない。中学でもバレエを続けている生徒は、意識も高く、一番伸びるときであり、またやったことの効果が一番見えるときであるがゆえに夢中になる。部活と同じ、と考える子もいる。確かに費やす時間は部活とバレエでは同じくらいかもしれない。でもその性質は全く異なる。部活はあくまでも教育の一環であり、運営、活動のすべてに生徒の主体性、自主性を重んじる。一方バレエは、どこまでいっても所属バレエ団の先生、振付家がすべてを決める。与えられたチャンスの中で精いっぱい自分を出し切る努力をするのは同じだが、バレエを続けるには経済的に、また人的に親の協力が不可欠となる。冷静な判断が必要である。

うちの場合は、それほど上手なわけでもないのだが、ただただバレエが楽しくて、休まずに通っているケース。今回は背の高さで1年上の先輩たちと同じナンバーを踊らせていただいたことで、バリエーションのレッスンをじっくり見る機会を頂いた。細かいところまで本当によく見ていて、自分のことのように集中している。家ではあこがれのお姉さま方のまねをしてタンバリン代わりにてんぷらなべの油受けを振り回して廊下を踊りまわる。ただただ踊ることが嬉しいという。私もそうだった、と懐かしく思う。

そんなことをあれこれ考えながら、ユーミンの『ノーサイド』を聞いた。娘は中学では部活をやりたいという。辞め際をなるべく遅らせたい、母は実は心の中でそう祈っている。

ロイヤルバレエ団 白鳥の湖

「白鳥の湖」は、たぶん多くの日本人が初めて観るバレエ作品の一つであろう。そのストーリーは単純かつ明快で、見どころも多く、華やかな演目である。多くの場合、白鳥と黒鳥は同じキャストで踊られ、その対比がダンサーの腕のみせどころとなる。2幕のグランパドドゥ、小さな4羽の白鳥の踊り、大きな3羽の白鳥、3幕の黒鳥のグランパドドゥのコーダで踊られるグランフェッテ、多くの見せ場がある中で、私が一番好きなのは、2幕のパドドゥでオデットがみせるバッチュー。細かく細かく、まるで足が振動しているかのような、美しいパである。目立たないステップだけれど、これを美しく行うのは本当にむずかしい。膝から先だけを震わし、体は最大限ひき上げて、姿勢を保つ。このバッチューの後、1回転、またバッチューで2回転、そして3度目のバッチューと3回転。ゆっくりとした動きが優雅で、オデットのはかなげな表情と相まって、とても美しいシーンである。

白鳥黒鳥を演じるのは、そのバレエ団のプリンシパルクラスだが、私の個人的な好みから言って、白鳥はプリンシパルになって少し経験を積んだくらい、そんなダンサーが好ましい。なぜか白鳥では、女性ダンサーの方が経歴が長く、王子はそのダンサーの引き立て役に回ることの方が多いように思うのだが、あまりにもオデットが完成されていると、このはかなさが半減されてしまうのだ。たとえばシルヴィーギエムは私の大好きなダンサーの一人だが、彼女のオデットは、筋肉ムキムキでどうにも合わなかった。吉田都さんがKバレエカンパニーで行った公演も然り。あまりにも完成されすぎている....ロシアのムキムキダンサーもちょっと。ロシアによくある演技過剰も私的にはNG。あくまでもはかなく、かつ気高く、凛々しくがいい。

7月に来日したロイヤルバレエ公演では新作「アリス」と「白鳥の湖」といういかにも日本受けしそうな2作品が上演された。(ちなみにパリオペラ座は今年の来日では「一般受け」を狙わず、「天井桟敷の人々」を上演している。)チケットの争奪戦はかなり激しく、結局追加公演を行ったようだが、ガラ公演、ロイヤルバレエスクールの公演も含めて、大盛況だったようだ。私は白鳥の2日目を観たが、さすが王道!素晴らしい公演だった。オデットはブラジル出身のロベルタ・マルケス、プリンシパルになって11年めのベテランだが、ムキムキでなくてよかった...プログラムを見て驚いた、ロイヤルバレエ団には、外国人のダンサーがとても多い。今回来日した18人!のプリンシパルのうち英国出身は3人のみ。多くがロイヤルバレエ学校出身だが、その国際色は作品の幅も広げているように思う。ただ、パリオペラ座のオーレリ・デュポンがインタビューに答え、「私たちはオペラ座スタイルを子供の頃から徹底的に仕込まれる。そのスタイルを維持することが務め。」と言ってたが、ロイヤルではどうなのだろう、とふと思った。
相変わらずの重厚な舞台セット、品のある抑えた色合いの衣装、3幕にロットバルトと登場するこびとの不気味さ、演出は本当に素晴らしかった。いかにも王道。これぞロイヤル!コンテンポラリー作品を見ることが多かったここ数年で最も「クラシック!」な舞台だった。超満足。

うーん、でもこのようなザ・クラシックを見た後は、ノイマイヤーのコンテンポラリー版白鳥「Wie Swansee」が見たくなった。あれを見たときは感動してアルスター湖を一周歩き通してしまったことを思いだす。「湖」というのはなぜかドラマチックだ。

青葉公会堂にて

最近続けてスポーツクラブやカルチャーセンターの発表会を観た。
多いのは子どものダンス。中学校のダンス必須を見越して、と言うこともないのだろうが...
子どものダンス、いわゆるジャズやヒップホップ系のダンスは、振付家の意図やセンスが直接伝わる気がする。いいのも、そうでないのも....
全く個人的な意見なので、ご容赦頂きたいが、かわいい女の子(小学校低学年)達にブラックの衣装を着せ、媚びるようなセクシーな振りをつけたダンスには、観ていてどうにも嫌悪感が伴う。踊っている子はどう思って踊っているのか...それからもう少しお姉さんで長い髪を振り乱し、何となく入っちゃってるのを見てるのもちょっときつい....

先月青葉公会堂で行われた『青葉ダンスの光 2012』は、なかなかおもしろかった。
特に川和高校1年Rockのセンターにいたあなた!とてもいい!体の柔軟さ、敏捷さ、笑顔、そしてさりげなく高度なテクニック、際立ってた。2年Rockセンターのあなたもいい!何といっても表情がよかった。結構難しいことやってたよね!
好みとしてはやっぱりヒップホップよりいわゆるブロードウェイダンスが好きなのだが、この手のダンスはなかなか面白いし、観ていて楽しい。

どんなものでもxxxxチック、xxxxもどきはしょせん「もどき」でしかない。柔軟性やしっかりとした練習に裏打ちされたテクニックが光るダンスは、OUTPUTがどのような形態を取ってもいいもの。

最後のインストラクターが踊るダンスはさすが!とはいえ、ソロのつなぎではなく、ユニゾンが見たかった。同じ振付でも微妙に味が違うところがいいので。たぶん忙しくてなかなか合わせる時間がとれないのだろうが。
とにかくお疲れさまでした!

さーて今週末は名倉ジャズダンススタジオのCan't Stop Dancing!

第35回多摩バレエフェス 『マスカレード』

多摩バレエフェスティバルの「エチュードバレエアカデミー」の『マスカレード』は本当に見応えがあった。荒木夢美さんを中心として、中堅どころがびっしり脇を固め、基本に忠実な、きっちりとしたバレエを見せて頂いた。この10分ほどの小作品の隅から隅まで、しっかりと振付家の世界観が創りこまれ、指導が行き届いたダンサーのテクニックがその世界観を支えている。
まずフォーメーションが見事。舞台の隅から隅までを十分に使い、ダンサーの移動そのものがすでに画となっている。照明も素晴らしかった。センターでの縦一列からのほどけのラインの美しさ、全員が後ろ向きで踊り、その姿が影絵のように映し出される。ハチャトゥリアンの仮面舞踏会に載せて、まるで映画の一シーンのようだった。
もちろんテクニック的にも隙がない。振付では全員に高度なテクニックを要求されている。15人ほどのダンサーが位置をキープしながら続けるグランフェッテ、フォーメーションを作りながらトリプルのピルエットを次々に決めていく。

このバレエ団の特長として私が感じるのは、フランスのバレエにあるような細かいパや柔らかなニュアンスを求めず、ほぼ対角にあるロシアバレエ的な正確さ、大胆さ、技の高度さ、フォーメーションの中で高い完成度を達成しているところではないだろうか。

本当に素晴らしかった....相当な練習量だったことでしょう。お疲れさまでした。ブラボー!

『スパークスパーク』Vol.4

すっごく久しぶりの更新です。
1/20(金)草月ホールの名倉スタジオ公演『スパークスパーク』見てきました。これは1回からずっと見てますよ!最近はCan't Stopもスパークも元宝塚のゲストの出演が多く、先生と宝塚の繋がりを深く感じます。
あれはいつ頃の「歌劇」だったのだろう。もう今から30年くらい前のことだったと思うのですが。名倉先生が初めて宝塚で振付をされた時のことが載っていて。トップをはじめ、皆のふり覚えがどうも悪く。それは名倉先生の踊りに皆がお目々で集中できなかったからなのだ、とか。
今回のゲスト萬あきらさんはまさにその世代で、しかもダンスで定評があった方。とても楽しみでした。私、前回のCan't Stopで萬さんとお会いし、思わず!「けいさーーん!」と握手を求めてしまったのです。実はファン。
今回は第1部はSingSingSingの作曲者ルイ・プリマをしのんで、そして2部はJazz満載。SingSingSingで開いてSingSingSingで終わる、というとてもゴージャスな内容でした。
とーーーくに、橋本さとみ先生は圧巻!かっこよかったー!
萬さんも歌に踊りに大活躍で、男役の名残もちらっと見えたりして。とても楽しい公演でした。
客席には、前原政調会長がいらしてて、通路にセキュリティガードの方がうろうろしてて、何となく、ごちゃ混ぜのいい雰囲気でした。

生意気に感想を言わせていただくと、今回はベテランのカンパニーの先生方と若手が混ざっての配置で、これも面白かったことの一つ。これまでカンパニーの中でもスパークはベテラン、Flexibleは新しいメンバー、若手、というイメージがあったのですが、今回はどちらかというと背の高さでぱーん!と分かれていた気がするのです。目をひいたのは小椋祐子さん、北村典子さん、川口実希さん。小椋さんは表情がいい。それと音とぴったり!音が一寸伸びたりするとそこに自分のエッセンスを入れる。北村典ちゃんはちょっと遅れる。そこがいい。ぎりぎりまで手足をいっぱいに伸ばす。そして髪型のセンスもいい。実希ちゃんは存在感がある。踊りがちょっときざで、それがいい。
今年はCan't Stopの年。また楽しめそうです。
2月4日は岩下佳代先生の公演に行ってきまーす!

名倉先生舞踊生活50周年、おめでとうございます

2011年あけましておめでとうございます。
昨年末、日本テレビの所ジョージさん司会の『笑ってこらえて』に名倉加代子先生が出演されていた。振り付け師が選ぶ振付師No.1投票第1位!ということで、カンパニーメンバーをひきつれ、所、さんま両氏とスタジオで踊るSingSingSingはなかなか見ごたえがあった。(所さんはなかなかうまい!音のニュアンスをうまくとらえている。)

名倉先生といえば、昨年11月に舞踊生活50周年記念公演の『Can't Stop Dancing』を主宰された。宝塚の和央ようかさんをゲストに迎えての華やかな公演だったが、4年前に出演された鳳蘭さんだったらよかったなあ....と思うのは古いヅカファンだからか。この公演では、10回公演の馬のリメイク「月に馳せる」(10回の舘さんと優子先生、かっこよかったなあーーーーー)、「ボレロ」などのなつかしい再演があった。名倉先生がSカンパニーの先生方と踊る「Mack The Knife」。カンパニーオーディション、Flexibleでシニアメンバー、Jazz協会での再演など、その時によって振り付けは異なるが、このナンバーはもう名倉スタジオの古典ナンバーとも言える。シニアメンバーが踊ったときの迫力は忘れられない。「Side Winder」は11回で全員がトレンチコートを着たオープニングナンバーで無茶苦茶カッコ良かったのだが(レイコ先生決まりすぎ!でした)、今回は若手カンパニーメンバーによる「道化師」と生まれ変わりユーモラスなナンバーとなっていた。「Love in Them There Hills」は前回のFlexibleの再演。小椋裕子さん、北村典子さん(!!!)ダントツ!「What Now My Love」は大好きな曲。(これは宝塚で杜けあき主演のLa Passionで喜多先生の振り付けがよかったんだよなー。)今回は名倉先生らしい大人の男と女の洗練されたナンバーになっていた。カンパニーの方々の衣装が素敵!

名倉先生の舞踊生活の一部を振りかえるスライドが挿入されていた。12回の堀内さんとの大人のナンバー、舘さん、熊川さんとの垂涎もののJazz。今の先生は5年10年前の姿と全く変わらない。『笑ってこらえろ』ではある振り付け家の方が「凛とした化け物」と称されていた。ある意味、うーん、わかる。とにかくあれだけ数多くのダンサーがいても先生にはかなわないのだ。凛と背筋を伸ばし、まっすぐに前を見つめ、振付をされる先生は神々しい。西の宝塚、東の名倉、といわれるようにスタジオでのピラミッドは名倉先生を中心にゆるぎなく輝く。ずっとずっと。そしてそのエッセンスは次の世代に受け継がれていく。でも結局名倉先生の世界を創りだせるのは先生ひとりしかいないのだ。そのエッセンスに個性が加わり、新しい世界が作られていく。
ほんの少しの時間でも先生の世界の片隅にいることができたことを、心から心から嬉しく、そして誇らしく思う。

名倉先生、いつまでもいつまでも踊り続けてください。先生の世界を創り続けて下さい。

『ベジャール そしてバレエはつづく』をじっくり観て....

モーリス・ベジャール亡き後のBBLバレエ団の再生を追ったドキュメンタリー『ベジャール そしてバレエはつづく』のDVDを購入し、iPodに入れて毎日のように観ています。あまりにも偉大な師を失ったバレエ団の苦悩、そしてその再生に挑むジル・ロマンとダンサーたち。20世紀バレエ団を知るただ一人のメンバーとなってしまったジルがモーリスとの誓いを守るため新作に挑む。
この作品が来月日本に上陸する。

この映画をじっくり観て思ったこと。ある偉大な振付家が作ったバレエ団はその人がいなくなった後、維持していくのは厳しい。パリ・オペラ座のようにバレエ団固有のレパートリーにこだわらず、内外の振付家をどんどん採用していくのは確かに安全な運営方法であり、まして国家の予算でおこなっている事業であればいたしかたのないこと。常に安定した品質で観客にパフォーマンスを見せていく義務がある。

だがBBLのようにバレエ団そのものよりもその名声に振付家の貢献が大きい場合、その振付家の不在は大きい。ジルが映画の中で「観客の反応を見る。もしPositiveであればいいが、Negativeな場合、今後はモーリスの作品のみを上演する」と言っていた。それほど偉大な師を継ぐ責任は重い。「振り返るな、前に進み続けろ」という師の言葉を胸に彼は走る。

ジョルジュ・ドンが踊るシーンが何カットもあった。『愛と哀しみのボレロ』で初めて彼のボレロを見たときの感動は今でも忘れない。彼が亡くなってからもう20年が過ぎようとしている。それでも彼のダンスは人の心を打つ。
また若きモーリスがダンサーに指導するシーンもあった。すごい!オーラを感じた。

ニューヨークシティバレエ団もバランシンの作品を踊り続けてはいてもその精神を引き継ぐ人はもういない。ハンブルクバレエ団も、BBLと状況は同じである。ノイマイヤーの創作の感性は誰も引き継げない。

そう思うと、偉大な振付家モーリスと、ノイマイヤーと同じ時代に生まれ、その作品を、彼らが手を取って作り上げた舞台を生で観ることができたことを心から幸せに思う。

ジルはBBLを引き継ぐ責任を負っている。でもモーリスに引きずられるのではなく、彼自身の作品を、世界を確立していってほしいと心から願う。

エトワールガラ 2010 (Etoiles Gala)

2010年7月31日 エトワールガラのBプロ最終日。結果からいうとWunderbar! Superb! Bravo!!!!
特にイリ・ブベニチェクの日本初演作『Fragile Vessels(フラジルヴェッセル)』は最高だった。昔仲間のリアプコ、アッツォーニと3人で踊ったこの作品は一瞬たりとも目が離せない完璧な仕上がりだった。はかなく弱いながらも絆を大切にして生きていく、そんな人間の営みをラフマニノフのピアノ協奏曲第2番にのせて淡々と表現していた。彼のこのロマンチシズムは明らかにノイマイヤーの影響を受けている。そこに若さゆえの苦さや危うさ、優しさが表れているのが彼の作品に共通する流れのように思う。

ローランプティの『失われた時を求めて』から2作品。「モレルとサンルー」にはまたまたジーンときた。頽廃的な男性のデュオ。前回観たアメリカ・カナダダンサーのときよりもよりパリ的な香りを感じたのは気のせいか。マチューガニオの抑えた内向的なパワーが素晴らしかった。

バレエ・リュスへのオマージュとして『薔薇の精』『瀕死の白鳥』『牧神の午後』。薔薇の精はそのまま!という感じだったが残り2作品はびっくり!という感じ。日本初演の『瀕死の白鳥』はマリ・アニエスの強気な女性像の中に秘めた激しい愛が彼女にぴったりだった。また『牧神の午後』のアバニャートの奔放な牧神は、なんというか、彼女の美しさ、激しさによく合っていた。ノイマイヤーの春と秋のようなクラシカルで美しい作品も、今回のような作品もこなしてしまう彼女の個性は素晴らしい。

そしてイリとマリ・アニエスが踊るマッツエックの『アパルトマン』は圧巻。ダンサーとして、最も充実した時期を迎えている2人のがっちり組んだナンバーは見ごたえがあった。乾いた感じがなんともいい。

ガラ公演はスターの競演であり、普段見ることのできないペアで作品を観ることができるのが魅力だが、その構成や演出には失望させられることが多い。前回ルグリがシルヴィーと行ったガラも一つ一つの作品はそれぞれよくても全体としての流れが途切れてしまったり、集中できなかったり、何となく消化不良が残りおまけにB席で13000円という価格と何時間も電話をかけ続けた割に...という失望感が大きかった。ただ、今回のガラはいい。作品の流れも非常にスムーズだし、出演者の間の暖かい交流が感じられた。舞台も最低限の舞台効果が施され、ダンスとうまく絡み合っていた。S席で15000円。まあ納得のいく値段だとおもう。これ以上ではちょっと二の足を踏む。

昨今のバレエ公演は高くなる一方だ。もらったチラシの中にベジャールバレエ団とメータ氏率いるイスラエルフィルの公演の案内があったが、何と39000円。いったい誰が買うのだろうと思うが、シカゴ交響楽団とシルヴィーのボレロの時も一瞬で売り切れたらしいから、たぶんすぐになくなってしまうのだろう。いくら奇跡の公演といえども高すぎる。日本が文化的な底辺が狭いと言われるのにはこういう値段を打ち出すことも大きな原因だ。

パリオペラ座でも、ハンブルクバレエでも10000円出せば、いい席が買えた。学生は3000円弱であいてさえいれば前から3番目でも観れた。興行的なことばかりを考えるのではなく、出演者も、スポンサーもいい作品を多くの人に見てほしい、という基本精神を忘れないでほしいと心から願う。







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