June 23, 2006

子育てに負けないために。

一つの大きな車両事故の前には、すんでの所で未然に防がれた
多くの事故が潜んでいるという。

最近起こった、思春期の子供と親をめぐるショッキングな事件には、
たいてい自分の子供と同年齢の少年が関わっている。
そんなニュースを耳にするたびに、いつも胸がキューっと締め付けられ
ドキドキしてくる。他人事ではない。事件は氷山の一角で、海の底には
どれだけの大きさの氷が沈んでいるのか計り知れない。
一つの事件の背後に、沢山の普通の家庭にその芽が潜んでいると
知らせているように思えてしょうがない。

自分の子育てが失敗したと考える時はどんな時だろう。
それはきっと、子供がいい学校に行けない事でも、
家出して夜通し街を徘徊し補導される事でもない。

最悪の子育ての結末とは、「親が子供を殺す」または
「子供が親を殺す」です。これ以上不幸な結末はありません。

と『強育論』の著者、宮本哲也氏は言う。


親子の関係は本当にやっかいだ。
それは、お互いを無関心でいられないという関係だから。
愛情か憎しみか。その両者のベクトルの中でたえず気持ちが揺れ動くから。

愛憎は表裏一体だから、無関心の相手を憎む事はない。
親も子も、幼い頃にあんなにお互い通じあっていたものが、
なぜいつの間に変わってしまうのか。

親は子供の幸せを願う。それはどの親もきっと変わらないはず(と思いたい)。
だけどたとえ親であっても、自分以外の人間を百パーセント幸せにする事は
できない。幸せって一人ひとり違うものだから。
最終的には、自分だけしか、自分自身を幸せにできない。

だから人は、誰でもない自分の人生を生きなければならない。
親や周囲の暗黙の期待を裏切ってでも。
誰かにお膳立てされたスマートで綺麗なものではない、
時間のかかるぼろぼろだけど、他でもない確かに自分の手で一つ一つ
作り上げた人生を。

思春期の子供と対峙して親が辛いのは、きっと親自身の人生はどうなんだと
突きつけられるところだと思う。

親は自分の挫折や後悔や願望を子供に、無意識のうちに投影してしまっている。
それがきっと子供には透けて見える。子供のために、という言葉が、
実は親自身のためにという言葉にすり替わってしまっているから。

******
今、子育ての転機に来ていると、私自身思っているので、
ここのところ、そんなことをずっと考えています。
子育ての転機とは、親が親自身の、子供が子ども自身の人生を生きる
という事を、それぞれがはっきり自覚する事なのでしょうね。
親には淋しい酷な作業だけれど。それが、子供のためなのだからしょうがない。

そして親が子と離れ、子が親と離れていく時、それぞれを支えてくれるのは、
やはり同じ境遇の仲間でしょう。
子供は仲間の中で、亀の歩みのように少しずつでも、大人になっていく。

この間高校でクラス懇親会がありました。話題は先日の試験の結果へと移り。
成績表になって子供達に渡されていたのに、男の子の母の半分はそれを
見せてもらっていないし、数人はその存在すら知らなかった。一同大笑い。
母達はさっそく何とかしてその成績表を探し出すと言っていました。
誰も正攻法で子供に見せてもらうとは言わないので、また大笑い。

愛が地球を救うというのは、あんまりにも遠すぎて伝わらないけど、
笑いが地球を救うというのは、身近でとても分かりやすい。
深刻な悩みも、夜が明けて、明るい日の光の中、同じ境遇の仲間と
笑い飛ばしてしまえば、それはきっともうたいしたことの無い事になっている。

子育てなんかに負けないように。今日も明日もみんな、頑張ろう。


*この記事は「ジャンバラヤ」にTBします。

riro at 12:21│Comments(10)TrackBack(0)ジャンバラヤ 

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この記事へのコメント

1. Posted by ぶんぶん   June 23, 2006 15:24
あの事件、うちにも高校生がいるから他人事とは思えません。

サインはたくさん出していたのでしょうけど、それはきっと事件が起きてから気づくのでしょうね・・・そういえば、あの時って。

>深刻な悩みも、夜が明けて、明るい日の光の中、同じ境遇の仲間と笑い飛ばしてしまえば、それはきっともうたいしたことの無い事になっている。

確かに、確かに(^^)
生きているからこそ、悩みもあるわけで、笑い飛ばしちゃえばいいんですよね。
私もその笑いの仲間に入れてくださいね〜(^^)
2. Posted by らびりん   June 23, 2006 20:53
本当に、最近親子での殺人事件を耳にすることが多いですよね。

>子育ての転機とは、親が親自身の、子供が子ども自身の人生を生きる
>という事を、それぞれがはっきり自覚する事なのでしょうね。

子供が子供自身の人生を生きようとする時、たぶん子供自身も手探りなんだと思います。その状態を親がどんなふうに受け止めるか。
もしかしたら、親が思いもしなかったことを選択するかもしれないし・・・。
そんな時、親はどうしたらいいのか、親も手探りですよね。

いつまでたっても「親として、これでよかったのか?」と思います。
いつか、答えが出るのかなぁ・・・。

ところで、ここ文字数制限があるんですね。一度投稿したら「文字数多すぎ」って言われちゃったので、続きは改めて。
3. Posted by らびりん   June 23, 2006 20:57
さっきの続きです。

この間、会社の人たちと話をしてた時、高校生ぐらいの男の子がいる家は、だいたいどこも壁かドアに穴が開いてるって言ってました。

まぁ、最近の住宅建材が想像以上にチャチだっていうこともあるんだろうけど。

そして、家と一緒に焼かれること考えたら、穴ぐらい空いててもいいよねーって、みんなで笑い飛ばしました。

って、改めて投稿するほどの「続き」でもありませんでしたが・・・。失礼しました。
4. Posted by riro   June 24, 2006 01:04
*ぶんぶんさん
コメントありがとうございます。
高一男子。高校になって初めての中間試験の結果が出る時期もほとんど一緒。身につまされる事件でした。
ここまで追い詰められた少年の哀れ、残された父親のこれからの苦悩。両方の気持ちが分かるような気がして、切ないです。
本当にここまでこないうちに、誰かが気付いてあげられなかったのか。自分の事も省みて、色々考えさせられますね。

>私もその笑いの仲間に入れてくださいね〜(^^)
どうぞどうぞ!どんな事も笑い話にしてしまえば、
もうこっちのものですよね(^^)
5. Posted by riro   June 24, 2006 01:31
*らびりんさん
長文コメント、ありがとうございます。お手数かけました^^

>子供が子供自身の人生を生きようとする時、たぶん子供自身も手探りなんだと思います。その状態を親がどんなふうに受け止めるか。

そう、受け止める方の親も手探りだから、なかなか難しいんですね。手を出しすぎたら引っ込めて、足りなかったらまた少し手を伸ばして...。そしてこっちも少しずつ覚悟ができていくんでしょうね。

>高校生ぐらいの男の子がいる家は、だいたいどこも壁かドアに穴が開いてるって言ってました。

ああ、わかります!うちのドアや壁は幸い、とても頑丈にできているのでまだ無事ですが^^;
6. Posted by riro   June 24, 2006 01:38
(つづき)友人に聞いた話です。数人のお母さん達が井戸端会議をしていて。「うちの子供は全然勉強しないの」「部活頑張ってるからいいじゃない。うちのはいつもごろごろしていて」「でもおとなしいからいいわよ。うちは気にいらないと暴れるのよ」「家でならいいじゃない。人に迷惑かけなきゃ」「うちはこの間、人様の自転車勝手に乗ってつかまったのよ」「・・・。」最後は「とにかく元気なら、それでいいわよ!」とみんなで笑い飛ばしたそうです。井戸端会議って、いいもんですね^^
7. Posted by applespc   June 25, 2006 20:09
本当に胸が痛くなる事件が多いですね。
長男、思春期、普通の子ってのが特に多い様な気がして
本当に人事じゃないです(^^;)。
中1の長男は日増しに成長してるらしく、親に生意気を
言ったりししたりするようになってきました。が、
一緒に笑えることがあるうちは大丈夫かな?と思うこの頃です。
子どもが自分の道を行くようになっても笑顔を持ってられる親子でいたいです〜。
8. Posted by riro   June 26, 2006 16:06
*applespcさん
コメントありがとうございます。

最近、立て続けにこういう事件が起こるという事は、やっぱり社会的病理なのかなあ、という気もすごくしています。

長男、思春期、普通の子の3点セットに加えて、子供に強く関わっている(良し悪しは別として)親、という構図でしょうか・・・。

>子どもが自分の道を行くようになっても笑顔を持ってられる親子でいたいです〜。
ああ、ホントですね。私もそういう親子を目指したいです。なれるかな〜^^;
9. Posted by ハットトリック   June 10, 2010 17:01
ごぶさたしてます。

今も、親同士のいじめ
教師と親同士のいびりありますが。
何かと、いうといやみを言う相手の親や
いやみのようなことを言う教師と、いうのには
困りますよね。
そういう親や教師こそ
あんたの少年少女時代はどうだったんだなど、と
いいたくもなりますね。

いじめが増えるのは子育てがろくに出来ない親と
ろくに生徒と向き合えない 
ろくに生徒を指導できない
生徒をどこまでも
馬鹿にしている教師たち→その多くは日教組
が、多いからです。
こういう親や教師たちも悪いのです。
 
  
10. Posted by riro   June 11, 2010 00:53
*ハットトリックさん

古い記事にコメントありがとうございます。

いじめはどこの世界にもありますね。
いやみな人もどこの世界にもいます。
悲しいけれど。
年齢や所属にかかわらず、やはりその人の資質が
大きく関わっているんでしょう。

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