June 14, 2004

いったいゆとり教育って何なの?〜算数のテスト編

小学生の娘が一日風邪を引いて、学校を休んだ。
その日は、ちょうど算数が新しい単元「がい数」に入った日だった。
それから、3回、算数の「がい数」の授業があった。
3回目の授業を終えて、学校から帰ってきた娘がため息をついた。
「あした、算数のテストがあるんだけど、全然わからないや〜。どうしよう?」



娘の学校は算数の授業だけ、クラスを解体して少人数(25人くらい)授業を
実施している。だが、習熟度別ではない。
ゆとり教育で、小学校の算数の内容も3割カットされ、しかも少人数授業になった。
以前より、少なくなった内容を、少ない人数の子どもに教えるわけなのだから、
当然、皆がわかるようになるはずだ。
文部省の目標は、誰もがテストで100点取れるようにする事だって、確か言っていたし。

ところが、なぜか4回の授業でテストだ。うちの子は一回休んでいるから
3時間しか習っていない。しかも授業でやらせたプリントが、まだ、まる付けして
返ってきていない。出来たか出来なかったか確かめられないうちに、テストになった。

いくら何でも「全然わかんない〜」ということでは、さすがに可哀想に思い、
テストの前日、一夜漬けをしてあげる事にした。理数系がまったくダメな私でも、
さすがに小学生くらいは何とかなるハズだ。

しかし、「がい数」? うろ覚えだ…。教科書を読む。ははあ、こういうことね。
しかし、改めて見てみると、本当に薄っぺらで、カラフルな絵本のような教科書に、びっくりする。

とにかく、今仕入れた知識を娘に教える。どうやら、問題の言葉の使い方が分かりにくく、
それが間違えるポイントらしい。
小学生の算数のつまづきの元は、ほとんど国語の問題にすり替わる。
つまり何を問うているのか、問題の意味そのものがが分からないのだ。

娘の場合も、「百の位までの概数に・・」と「百の位四捨五入に・・」、「上から2けたの概数に・・」の
「てにをは」関係で混乱している。その辺を強調して教え、後は教科書に出ている例題を、
数字を代えて何度もやらせる。たった5ページにイラストが半分以上で、説明が数行、
練習問題は数問ずつ。これじゃあ、飲み込みの悪い子はわかんないよなあと、思わず納得。
でも逆に言わせれば、一夜漬けには好都合この上ない。ピンポイントでそこだけ
教えればいいのだから。しかも最近のテストは絶対に、教科書に書いてある事以外は出ないのだ!

一時間つきっ切りで説明したら、やっと娘は問題がとけるようになった。
(理解したかどうかは別問題。なにしろ一夜漬けなのだからいいのだ)
あと一つどうしても分かりづらい問題があったので、とにかく、「こう聞かれたらこう答えよ」
と奥の手を伝授。それで娘はどうにか答えをだせるようになった。
そうしてやっと、ほっとした顔になった。

翌日。「テストどうだった?」と聞くと「バッチリ!」と答える。
「昨日やった問題とおんなじのばっかでたよ」
(そうでしょう、そうでしょう。お母さんが今まで学生時代に、山かけと解法暗記で
どれだけ数学のテストを乗り切ってきたと思っているの。小学生の算数なんて、
ちょろい、ちょろい)
「皆できが悪いって。先生、テスト中見回りながらそう言ってたよ」(う〜ん。そうでしょうね〜)

数日後、娘は百点のテストを持って帰り、「ママのおかげだよ〜」と飛びついてきた。
しかもクラスで満点は一人だけだったと言う。
先生に「すごいね〜」と言われて、実は全然わからなかったから、前の日お母さんに
いっぱい教えてもらったのと白状したらしい。

先生は「そうだったんだ、やっぱりね。だって、プリントひどかったから」と言って、
半分もバツテンマークで占められたプリントを、返してくれたそうだ。

“先生! 学校の教育っていったい何なの? そしてゆとり教育って??”
私には、さっぱりわかりませんよ。


riro at 23:59 │Comments(12)TrackBack(2)この記事をクリップ! 文句 

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1. ゆとり教育の末路?  [ bの侃々諤々 ]   July 18, 2004 11:21
うぅ。 4月から今日までの間で、初めて長女のテストが戻ってきた。 しかも2枚。しかも明日から夏休み。しかも2期制だから通知票もない。 天下統一までやったって娘は言ってるけど、縄文時代〜奈良時代までのテストが2枚だけ。 次女は今日までに、普通に10枚ぐらい戻っ
2. 良く聞き、良く知り、良く話そう  [ ジャンバラヤ 〓父・母・子のためのごった煮つぶやき集〓 ]   September 05, 2004 23:10
皆さんこんにちは。ジャンバラヤ「小学校」カテゴリーを担当しています、ミズタマのチ

この記事へのコメント

1. Posted by miki_renge    June 16, 2004 12:39
百点おめでとうございます!って、笑ってる場合じゃないですね・・・
学校の授業でいったい何をやってたのか、って言いたくもなりますよね。
小学生を持つ私の友人の多くは、子供を塾に行かせています。
子供達は、「学校の先生の教え方じゃ分からないよ。塾に行ってない子はかわいそう」と言っているそうです。
何なんでしょうね・・・
2. Posted by riro    June 16, 2004 17:42
私も最近わかったのですが、ここだけの話(笑)、今学校は「勉強を教えてくれる場所」では
なくなったみたいです。
勉強は「塾」、水泳は「スイミングスクール」、図工は「お絵描き教室」etc、に行くもんなんですって。
学校はただ、そこで教わってきた事を「評価」するだけらしいです。
そして、今、学校の本当の姿は「同世代の子供達とふれあい、交流を深め、お家で体験できない事を
体験させてくれる所」のようです。
あれ? やっぱり勉強は入ってないんですね…(笑)
3. Posted by うみゅ    July 20, 2004 13:21
いろいろ、blogの海を放浪しているものです。
 家庭教師を長年していた立場からも、本発言に強く共感いたします。
家庭教師をやっていて感じることは、「成績の悪い子は、問題文の言いたいことを理解できていない。」こと。数学や英語の成績が悪い子を教えていた時に、もしやとおもって「この”求めなさい”で、求めるのは何について?」と訪ねると、まちがうことまちがうこと。このあたりの訓練を行うだけで全教科、とりあえずテスト70点以上には成績が上がるのが現状。(逆に言えば、70点未満のテストしか持ってこないお子さんは、国語力がかけている可能性が高い。)

よく考えれば、文部科学省の官僚は大部分が国立大学に入学できるくらいに頭がいいので、そのあたりで悩んでいることなんて思いもしないんだろうなーとか思っています。(教育の現状をつかむモデル学校である国立小学校には秀才か天才しかいないし。)私自身も家庭教師をするまで、気づかなかったことですので。
4. Posted by riro    July 20, 2004 23:54
はじめまして、うみゅさん。コメントありがとうございます。
マンツーマンで子供を教えている家庭教師の方から、そう言われると、説得力がありますね。こんな事と思われる些細な事に、気づいてあげられるかどうかが、子供の理解の分かれ目なんですよね。それを気づくのが「教えるプロ」の技ですかね。
逆に、教師は長年子供を教えていながら、なぜそんな事も気がつかないのかと、時々不思議になります。

私立の中高一貫の進学校を出て東大法学部を卒業した、文部科学省のスポークスマンである寺脇研氏は、「たくさんの事を教えれば理解しそこねる子も多くなるけれども、全員覚えなければいけない知識を本当の基礎・基本に絞り込めば、これは全員覚えられます」と著書の中で言っていますが、実情は全く違います。
娘の隣の席の男の子は、3割りカットされた、新学習指導要領のどのテストも20点そこそこしか取れていません。頭のいい人には、この事実がどうしても理解できないようですね。
5. Posted by ルー    February 16, 2005 10:58
>小学生の算数のつまづきの元は、ほとんど国語の問題にすり替わる。
つまり何を問うているのか、問題の意味そのものがが分からないのだ。

激しく同感です。
うちの4年生の息子も概数のとき、「日本語につまづいて」ましたよ。

割り算という単元をやっているときは、テストの文章題は全部割り算。
なので、読まずに出てきた数字の大きいほうを小さいもので割ってる(ガッカリ)
これ、何もうちのしょうもない息子にかぎったことじゃないようです。

2年生の娘も、「問題のイミがわかんな〜い。なにすればいいの?」とよく言います。
3度、声に出して読んでごらん、といつも言いますが、
絶対に国語の授業数が足りないですね。これは。
6. Posted by riro    February 16, 2005 21:41
ルーさん、いらっしゃいませ♪
「算数のつまずきは、実は国語の問題」という私の意見に
同感して下さって、うれしいです。

おりもおり、今朝の新聞記事で文科省が「国語に力を
いれる必要性を強調」なんて事を言っているのを見て、
「今更何言ってるの!」と呆れてしまいました(苦笑)

ルーさんも関連記事を書いていらっしゃいましたね。
後ほど、お邪魔させて頂きます。
7. Posted by ひな    January 28, 2007 23:20
初めまして。私は教員,4年生担任です。正直胸が痛いです。「ゆとり教育」と言うけれど,まだまだ私が未熟者だからかもしれませんが…我々教員にはゆとりは全くありません。授業時数は絶対的に足りません。指導が難しいときには時間を見つけては個別に子どもに教えていますが…
休み時間には子どもと話をしつつ,宿題忘れの指導と生活指導,宿題の○付け,連絡帳のお返事書きそして個別に学習を見ていますが,力不足ですみませんといった感じです。どうしても休み時間に勉強を見ておかなくてはならないときは,子ども本人や保護者の同意を得て個別に指導をしております。学校でしか遊べない子どももいて休み時間を毎日奪ってまで教えるのもどうかという意見もあります。ごめんなさい。これが私たちができる精一杯の形です。
言い訳だといわれるかもしれませんが,みなさんのご意見に答えられるよう,ガンバリマス!!
8. Posted by riro    January 30, 2007 00:53
ひなさん、初めまして。
コメントありがとうございます。

>我々教員にはゆとりは全くありません。授業時数は絶対的に足りません。

まさにそうだと思います。そして現場の先生もそう思いながら仕事をなさっているんだということがわかって、納得の思いです。
個々の先生方が一生懸命にやっていても、「ゆとり教育」の成果があらわれないのは、根本のシステムがおかしいのだと思います。もともと無理なことは、どんなに先生が頑張っても無理なのかもしれませんね。

この記事は、先生にというよりは、もっと上位の組織、「ゆとり教育」を考え、現場に取り入れた人達に訴えかけたかったことです。
これを書いてからほぼ2年経ち、「ゆとり教育」は見直され、変えられようとしています。翻弄されるのは、いつも学校の教師や生徒達だという事を、もう一度考えてもらいたいです。
9. Posted by ゆき    February 14, 2007 00:22
はじめまして。
私には、成績が天と地ほど離れた双子がいます。
かたや、要領よく、何でもこなしていけるのに、
もう片方は、付きっきりでないとまるでだめ。
国語力のないせいで、理解させるのが至難の業です。
やっとできるようになったと思えば、問題の読みができてなくて、テストの点が取れないとか・・・
教えるほうが、キレたらいけないとわかっていても、つい怒ってしまう・・・努力を認めてほめてあげたいのに。どんなトレーニングがいいのか教えてください。公文の国語・算数習っていますが、読解力は、ついてるとは思えないんです。
10. Posted by riro    February 14, 2007 22:15
ゆきさん、はじめまして。
コメントありがとうございます。

双子ちゃんはお互い比較されやすい(しやすい)ので、大変ですね。
国語力は、色んな勉強の基礎中の基礎ですから、まず国語力を何とかしなくちゃと思いますよね。
月並みですが、まず色んな本を読むことでしょうか。あとは、親子の会話も大事ですかね。
どっちにしろ、時間がかかることですよね・・・。
11. Posted by ゆき    February 15, 2007 11:39
ありがとうございます。
やっぱり、そう簡単にはいかないですよね。
言葉が出始めのころから、日本語につまずき、今もって引きずっているのですから。
時々ブログを見させてもらい、忙しい毎日から、少し一休みさせてもらうことにします。

ゆとり教育やら、学校不信やら、何かと共感できるのですが、変な親も、最近多いです。
私は、小児科で看護師をしていますが、聞かれたことにも、友達言葉で返ってくるし、子供のことより、親の都合を優先する人、病院の中で、子供をほおっておいて、迷惑かけてても、知らん顔とか。
あげていくとキリがありません。ゆとりで削られ、
先生たちも、当たりはずれがあり、家でもこうでは、これからどうなっていくのでしょうね。
12. Posted by riro    February 16, 2007 22:06
●ゆきさん
ここは本当に忘れた頃にやっと更新するようなブログですが、よかったら読みにきてくださいね。

ゆきさんは看護士さんですか。それでは色んなお母さんを見ているんですね。

>変な親も、最近多いです。
学校もそういった親にかき回されるケースが、大変多いと聞きます。

>これからどうなっていくのでしょうね。
地域ぐるみで、子供達にかかわっていくことができればいいのでしょうが。難しいですね・・・。

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