今年は年明けから、実に様々な方々と共演しています。

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左:ストライプハウスにて坂元美蘭さん、藤田晄聖さんと
中:音や金時にて、日野道夫・伊藤アツシ・藤田晄聖各氏と
右:大府こもれびホールにて、玉川奈々福さんと

年明けは、トランスジェンダーパフォーマーの坂本美蘭さんとストライプハウスで共演。今まで何度も一緒にやってきましたが、今回が最高の出来でした。琵琶樂人倶楽部と衎芸館では筝の内藤眞代さん、笛の長谷川美鈴さんと久しぶりに「春の宴」を演奏。ブログ記事にも書いた愛知の大府では、小泉八雲のメモリアルイベントにて八雲の曾孫でもある、小泉凡先生、アンソロジストの東雅夫先生の講演と共に、能楽師の安田登、浪曲師の玉川奈々福、人形師の百鬼ゆめひな各氏と共演。

輪五の舞
舞踊「輪五の会では、日舞の花柳面先生はじめ、中国舞踊、韓国舞踊、モダンダンス、フラメンコの方々が拙作「Sirocco」で踊るという何とも面白い企画があり、先日はフラメンコギターの日野道夫先生、アラブPerの伊藤アツシさん、尺八の藤田晄聖君、そしてパフォーマーのナガッチョさんと共演。今月もヴァイオリンの濱田協子さんと共演します。聴く方も吉岡龍見さんの尺八古典本曲や三曲合奏、ジャズなどを聴きに行きました。


節操が無いとも言えますが、実に私らしい展開ですな。いずれも興行的にさして売れるものでもないですが、大府の公演や舞踊の会ではホールが満席になるなど、お客様もそれなりに来てくれて、本当にありがたい限りです。こうして世の流れの中で日々色んな舞台に接していると、音楽や舞踊の在り方も変わるべき時代に来ているのだなと、そんな思いが募りますね。民族色の強いものは、どうしても歴史、民族、アイデンティティーなどいろんなことが頭に浮かんでしまいますが、こうして色々なものが集い合うというのは平和な証拠でもあります。また私がギタリストだったら、なかなかこれだけの多岐に渡るジャンルとは交流が出来なかったようにも思います。どんなジャンルにも適応するギターよりも、日本のものしか出来なさそうな琵琶だからこそ、そこに今迄に無い新たな可能性を見てくれる。ありがたいことです。こちらに広い心さえあれば、色んな方面から声がかかるのです。

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音や金時にて パフォーマー ナガッチョさんと

現代はネットで世界のものが見聞き出来、何処にでも行ける時代ですが、果たして多様なものが共存し得ている世の中でしょうか。私にはそうは思えないのです。確かにいろんな国のものは見聞き出来ますが、何事においても刹那的な面白さが優先し、面白おかしいものだけが溢れかえっているのが現状ではないかと思います。日々ディアに誘導され、実際に目にしている範囲はとても小さいのではないでしょうか。華やかなものだけを観させられ、生き生きとした人々の営みは、ネットや海外旅行では見えない所にあるように私は思います。

基本的に人間の心はなかなか多様なものを受け入れません。身を守るという本能がある限り、排他主義に傾いている方が楽なのでしょう。今回のコロナウイルス騒動でも、ヨーロッパのレイシズム的な部分が浮かび上がりましたし、9.11も同様だと思います。便利なものや楽しいものは受け入れますが、それ以外はなかなか交流はままならないというのが現実ではないでしょうか。
しかしここを乗り越えて行くのが芸術家だと私は思っています。芸術家は常に時代の最先端のセンスを世に示し、次世代へと誘う存在です。囚われた観念や、因習を開放し、次の世界を見せるのが芸術家です。歴史を創るのは武将でも政治家でもなく、芸術家と言っても良いのではないでしょうか。芸術家がどのように動いて行くかで世界は変わると私は思っています。今のままで世界が動いて行ったら、人間も地球も疲弊してしまう。新しい概念や哲学が必要な時期に来ているように思います。


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2年前の日本橋富沢町楽琵会 鶴山旭翔さんと

さて今月20日は筑前琵琶の鶴山旭翔さんを迎え、日本橋富沢町楽琵会をやります。琵琶の聴き比べなど、現代のエンタテイメントとは程遠いと思う方も多いでしょう。しかし琵琶樂は日本音楽の根幹をなすものだと私は信じています。琵琶樂の多様で豊かな魅力を、どうこの世に響かせて行くか、そこが私の使命であり、腕の見せ所。琵琶樂という命を次世代に繋げるためにも、どんどんと色々な形でやっていきたいと思っています。ご興味のある方は是非お越しくださいませ。詳しくはHPのスケジュールをご覧ください。

豊かさとは何か、今こそ考えて行きたいですね。