今年は梅の開花も早く、じっくり楽しもうと思っていたのですが・・・、世の中騒然としていますね。まだこれからがどうなるのか、今回ばかりはただただ祈るばかりです。
予期せぬ事態に直面して国全体に不安が満ち、政治も経済も結構な混乱状態。ちょうど3.11にも重なり、あの時と同じような空気を少し感じます。今年はオリンピック(昨日で、あと147日!! AKIRA)も含め日本の政治や社会に大きな変革が来るかもしれないですね。これからの日本の、そして世界の人間の在り方を問われているような気がします。


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昨年の梅花(皇居)

この時期は毎年花粉症の時期でもありますので、私自身は毎年家で譜面書きをしていることが多く、3月8日の神奈川の貞昌院での演奏会が中止になった以外は特に影響は無いですが、身近な方々の公演も随分と中止になっていると聞きます。
平時はすまして突っ張って生きていても、こういう事態になると、改めて社会の中で生きる「自分」というものを感じますね。自分では冷静なつもりでも、自分の心もどこか動揺しているのでしょう。人間の心など弱いものです。人間は社会を離れて生きて行くことは出来ないし、また音楽も社会と共に在ってこそ成立するもの。こんな時には、一緒に舞台をやる仲間がいることを嬉しく感じます。ともすると一人でつっぱりがちな私ですが、やはり色々なパートナーシップが、私の存在を支えてくれているのだと実感します。

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ストライプハウスギャラリーにて photo 新藤義久
先日、年明けに創ったフルートとのデュオ曲「君の瞳 EayNayk」の初音合わせをしました。思った以上にいい感じで手応えがあったので、早速細部を手直しして、磨きをかけています。まだまだこれからですが、定番のレパートリーになって行きそうで嬉しいです。そして今、もう一曲デュオの作品に取り組んでいます。曲想としてはバラードです。邦楽のメロディーとは違うのに薩摩琵琶でばっちりとアンサンブル出来て、しっとりとした雰囲気に仕上げるべく奮闘中です。

私は琵琶を手にした時から、いわゆる出来合いの「和風」とは距離を置いてきました。表面の形をなぞったり、ちょっとお着換えした、似非和風のような音楽だけはやりたくないですね。型ではなく、音楽の中に核を感じて欲しいのです。表面の形は時代と共に、どんどんと変化して行き、またその時々で人間の感性も変わって行きます。形が変わっても、時代の好みが変わっても、変わらずに日本の風土に生きる人々が受け継いできた「核」を、私も受け継ぎたいのです。新たな「和風」を創り出すくらいの気持ちで曲創りにチャレンジしたいですね。理想は利休や世阿弥です。新たな時代に、新たな音楽を!!


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3.11祈りの日 福島安洞院にて 津村禮次郎先生と

震災の時にも思いましたが、こういう不穏な時こそ、音楽や芸術を止めてはいけないと思うのです。ものだけでなく、政治も経済も教育も「刹那」に支配されているかのような現代にこそ、大きな視野、柔軟な視点、多様性を受け入れて行く感性を育てることがとても大事なのです。それを育むのは芸術であり、人間が人間として生きる根底に直結しています。今こそ我々には芸術が必要なのです。また音楽を聴くと免疫力も上がるのは実証済みですので、是非是非、今こそ素晴らしい音楽を聴いてもらいたいですね。

この時代にこそ音楽を響かせたい。その場を盛り上げる賑やかしではなく、じっくりと聴くことが出来る音楽を奏でたい。今色々な演奏会やイベントが中止になっていますが、私は自分の主催する演奏会はやって行こうと思っています。次は3月11日の琵琶樂人倶楽部。個性的なスタイルで独自の活動をしている岡崎史絃君をゲストに開催します。是非お越しください。

音楽が豊かに響く世の中にしたいですね。