September 10, 2006

日米金融政策の現状

大変ご無沙汰しております。

最近は日米金融政策を取り巻く環境が以前と変化していますので、確認をしたいと思います。

<アメリカの金融政策の現状>

3ヶ月程前の米金融政策の状況は「依然利上げのペース・頻度が注目点だが、ひょっとしたら利上げ停止モードになるかも。。。」という感じでした。

その後現状は、「既に利上げ停止モードだが、利下げモードになるのか否か」に変化しています。

FRBは先月のFOMCで遂に利上げを見送りました。そして、米国債マーケットに市場参加者の大部分も年内の利上げは無いと考えています。

これは米住宅市場の軟化を主とした景気減速を各指標が表したからで、かつての様なインフレ懸念の声はトーンダウンしています。

つまり、将来は別として現状のFRBの姿勢は「利上げでも利下げでも無い、極めてニュートラルな金融政策姿勢」に近づいていると言えます。

<日本の金融政策の現状>

先月、日本では予想よりも下振れた指標が多かったです。その際たるものがCPI(消費者物価指数)の下振れです。

これによって、日銀の追加利上げ観測は大きく後退し大幅な金利低下を招きました。これにより市場参加者の見方は現在二分されています。

一つ目の見方は、「いくら先月悪い経済指標が出たと言っても、日本の景気拡大という大きな流れは不変だと思うから、年内若しくは年度内に日銀は追加利上げを行う」というものです。

二つ目の見方は、「先月の悪い経済指標に加えて、アメリカの金融政策の状況を考えると日銀の追加利上げは当分の間は無く、少なくとも年度内の追加利上げは無さそう」というものです。

難しい局面です。。。

 

 

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July 23, 2006

補完貸付(ロンバート型貸出)制度とは

ご無沙汰しています。

先日とうとうゼロ金利が解除されました。ここから日本は、今までのゼロ金利から金利の有る世界に突入していきます。

本日はこのゼロ金利解除を取り上げますが、「ゼロ金利解除」や「無担保コール翌日物」については、当ブログで今まで何度か取り上げましたので、過去の記事を参考にして下さい。

そこで本日は、補完貸付制度(我々の間では単に『ロンバート』と言ってます)について解説します。

なぜこれを解説するかと言いますと、これに関しても日銀は今回意思決定をしていますし、公定歩合という単語にも関わってくるからです。

まずこのロンバートは、金融機関が日銀から資金を借りる制度で、申し込むと担保さえ入れれば必ず借りる事が出来ます。詳細な条件は日銀HPで見て頂きたいのですが、担保さえ入れれば金融機関はいくらでも調達する事が出来、貸借期間は1営業日となっております。つまり、金融機関にとったら日銀の資金供給オペ(過去記事を参照)やコール市場で取り損ねた、短期間の資金調達手段と言えます。

では、このロンバートで適用される金利(資金調達する金融機関が払う金利)は、『公定歩合』です。そして今回の日銀金融政策決定会合で、公定歩合は0.4%と決定されました(『公定歩合』は決定会合で決まるので、決定会合が無い日に変更される事は有りません)。

つまり金融機関が資金調達する際に、日銀の資金供給オペやコール市場での金利が0.4%よりも高ければ、ロンバートで0.4%で借りた方が得です。

従って、必然的に日銀の資金供給オペやコール市場の金利は0.4%以下で推移する事になります。なぜならこれらの金利が0.4%を超えると、資金調達者はロンバートで調達するので、資金運用者は運用する為には提示する金利を0.4%以下にしないと誰も借りてくれなくなってしまうからです。

このようにロンバートに適用される金利(=『公定歩合』)は、短期金利を抑え込む機能がありますし、今後の金融政策ではこの金利をどのように動かしていくかが、誘導目標としている『無担保コール翌日物レート』と同じ位に重要です(恐らく今後はこの2つは殆どパラレルに動かしていくのでしょうが)。

それと今回の会合では、『公定歩合』が死語になるという事も表明されました。昔は金融政策手段の一つとして公定歩合が位置付けられていましたが、最近はどの先進国でも公定歩合はメインにしていません。今後は、『公定歩合』では無くて「ロンバートに適用される金利」という事で『基準貸付利率』とか『ロンバート金利』という表現になりそうです。

意味は同じなので、大した問題は無いですが。

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June 25, 2006

タカ派・ハト派とは

本日は「タカ派とハト派」について解説します。

一般的に、タカ派は色々な分野に対してアグレッシブな考えを持つ人を指し、ハト派は穏健的な考えを持つ人を指します。

政治家でも色々な分野でタカ派・ハト派と、マスコミは色付けをするのが好きです。政治同様、金融でもそんな単語が良く出てきますが、そんなケースは金融政策担当者に対して良く使われます。

金融政策担当者(大概中央銀行総裁を指します)の場合のタカ派・ハト派は、金融引締めに対して通常用いられます。

例えば福井・日銀総裁やバーナンキFRB議長は、タカ派と見られていて、分かり易く言ってしまえば、「利上げをしたい」と考えている人です。

福井・日銀総裁は、今年3月に量的緩和解除を決定しましたが、直前まで「まだ解除は早いのでは?」と特に政府関係者は言っていましたし、バーナンキFRB議長なんかは「インフレファイター」と言われている程、利上げに積極的な発言が良く出てきます。

因みに福井・日銀総裁の村上ファンド問題では、一部の外人投資家の間では「近々福井・日銀総裁が辞任するのでは?」という思惑が直近あり、日本の短期金利は低下しました。つまり、ハト派である福井・日銀総裁が辞任するとゼロ金利解除が遅れるという考えが背景にあるという事です。

日経新聞等では、福井・日銀総裁やバーナンキFRB議長がハト派というのは周知の事実として書いてあります。

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May 13, 2006

無担保コール翌日物

本日の日経新聞注目記事は、朝刊・5面にある「無担保コール翌日物金利 0.01%に上昇」です。

昨日無担保コール翌日物とは何かについて書きましたが、今日の新聞記事では昨日当ブログで書いたロジックが実現されています。

現在日銀は量的緩和政策を解除しましたので、日銀にある金融機関の口座である当座預金の残高をどんどん減らしています。その方法は、昨日の内容通り公開市場操作の中の資金供給オペの頻度を量を絞るという内容です。

日銀は市場への資金供給量をどんどん減らしている最中なので、結果的に無担保コール翌日物金利は上がっていきます(そのプロセスは昨日のブログ記事を見て下さい)。

とはいってもゼロ金利政策中なので、無担保コール翌日物の金利が急騰する訳ではないですし、新聞記事に「上昇」とありますがせいぜい0.00数%程度なのであまり経済には影響を与えません。

ゼロ金利が解除されるともっとこの金利は動きますし、まずは昨日のブログ記事を理解してみて下さい。

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May 12, 2006

ゼロ金利政策とは

最近は、日米の金融政策への思惑から世界中の金融市場が大きく動いています。そこで本日は、日本で今一番重要な金融内容であるゼロ金利政策について解説します。

まずゼロ金利政策は、日銀の金融調節手段の一つである「公開市場操作(=オペ)」を「手段」にして、「短期金利」を「ターゲット」として金融市場に影響を与える金融政策です。

一方既に終わった量的緩和政策は、「公開市場操作」を「手段」にして(→上記と同じですね)、「日銀当座預金残高」を「ターゲット」とした(→ここが上記と違います)、金融政策でした。

そこで「短期金利」とは、一般的には期間1年以内の資金貸借に使用される金利ですが、この場合の「短期金利」とは「無担保コール翌日物」という金利を指します。

この「無担保コール翌日物」は、金融機関同士の資金貸借であるコール取引の金利を指し、借りた翌日には返すという非常に短い取引です。

例えば証券会社は銀行と違って預金を預かっていないので、恒常的に資金不足で、常に何らかの手段で資金を調達しなければいけません。勿論恒常的な資金不足なので、日銀の公開市場操作で長い期間の資金を調達しますが、それでも足りない場合は、コール取引を使います。

逆に銀行等は日々の資金繰りでちょっと余った資金があったら、何もしないよりはましなので、コール取引で運用しようとします。

ここで気づいたかも知れませんが、このコール取引は直接的には日銀は関係ありません。ではどうやって、日銀はコール取引の金利である「無担保コール翌日物」に影響を与えるのでしょうか。

そこに、公開市場操作が登場します。ロジックは以下の通りです。

,泙再銀が「ゼロ金利解除」を決定し、「無担保コール翌日物」の金利のターゲットを具体的な数字で示します。

日銀は、公開市場操作の資金供給オペ(手形等を使います)の「頻度」と「量」を絞ります。

そうすると市場に供給される資金が減ります。

ぞ綉に挙げた資金不足の金融機関(主に証券会社)は、少々高い金利を払ってでもオペで資金調達しようとします。

イ修譴任盍望額をオペで調達出来なかった金融機関は、取り敢えずの資金不足を埋める為にコール取引で高目の金利を払って調達します。

Δ修譴任癲嵬誼簡櫂魁璽詬眛物」の金利が日銀のターゲットに届かなかったら、△北瓩辰篤銀は資金供給オペを更に絞ります。

という流れです。分からなかったらまたコメントして下さい。今非常に重要な事ですので、幾らでも解説します。

因みに日銀は毎日金融機関からヒアリングして、「無担保コール翌日物」がその日どの水準かを把握します。昨日は0.007%でした。

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May 11, 2006

米、追加利上げとは

本日の日経新聞注目記事は、夕刊・1面にある「米、0.25%追加利上げ」です。

日本時間の昨晩、FOMC(日本で言う日銀金融政策決定会合)が開催され、利上げを決定すると共に、声明文(毎回公表されます)が発表されました。

この利上げは予想通りの結果で、市場関係者は声明文に最大の関心を寄せていました。なぜなら、この内容から今後の米・金融政策を世界中の市場関係者が推測し、市場が動くからです。

では内容はと言うと、夕刊・3面にもありますが「非常に微妙な」内容でした。つまり、今後FRBが利上げを継続する可能性も中止する可能性もあり得るという、読みにくい感じでした。

取り敢えず確かな事は、アメリカの利上げはFRBの公言通り「今後発表される経済指標による」という事です。

一方、日本とアメリカの金融政策は歴史的に見て同じような金融政策を採ってきました。一方が金融引締めで、もう一方が金融緩和という状況は過去あまり無かったのも事実です。

アメリカの金融政策はアメリカ経済に影響を与え、アメリカ経済は日本経済にも影響を与えます。そしてアメリカの今後の金融政策は、今後の経済指標に大きく依存している状況なので、新聞に載ったら必ず読むようにしましょう。

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May 07, 2006

米利上げ終了とは

本日の日経新聞注目記事は、朝刊・3面にある「為替想定「107−110円」」です。

昨日はアメリカの利上げ停止観測について書きましたが、実はこれは日本経済にも影響を与えようとしています。

まずアメリカの金利は前述の様に利上げ停止の見方が増えてきていますが、日本の金利は今後上がるという見方が多いです。

つまり今後アメリカの金利は下がって、日本の金利は上がると思っている人が多いという事です。これは言い換えると、「日米の金利差縮小」とも言えます。

では、「日米の金利差縮小」だと為替はどうなるかと言うと、ドル円は円高・ドル安になります(この解説はまたの機会に)。

そこで今日の日経新聞の記事では、日本の輸出企業は今後円高・ドル安を予想しているという内容です。

日本の輸出企業にとったら円高・ドル安になると、収益が圧迫されます。これは輸出代金をドルで受け取り、円に代える際に円換算で少なくなるからです。

ここまでの話だと、今後は円高を理由に日本の輸出企業は儲からなくなると思われるかも知れません。ここからは御自身の御判断ですが、別の考えとしてはそこまで影響は無いという見方も出来ます。

それは、円高による収益圧迫以上に、上向きの日本経済を背景に国内で利益をあげれば相殺出来るからです。

例えば去年は原油高を理由に化学メーカーといった原油輸入企業の収益悪化が懸念されました。

ところが実際は、国内の強い景気と強い財務体質(ここ数年どの企業もリストラや負債圧縮によって筋肉質になっていますから)によって、原油高の影響は相殺してきました。

これと同じ事が、今回の日米金利差縮小→円高・ドル安→日本の輸出企業、にも当てはまるかどうかです。

後は御自身なりの考えを持ってみて下さい。

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May 06, 2006

最近のアメリカ経済とは

ご無沙汰しています。

久々にアメリカの金融政策について書きます。つい半年程前までは、アメリカはインフレを警戒した利上げモードでしたが、ここ最近でちょっと風向きが変わってきました。

現状は、「利上げ停止モードになりつつある」です。

最近の米経済指標から、アメリカ経済の景気後退という見方が出てきましたので、FRBはそろそろ利上げを止めるのではないか、という意見が増えてきています。またFRB内でもそのような意見が浮上しています。

特に昨晩のアメリカで発表された雇用統計(アメリカの金融市場に最も影響を与える指標です)では、雇用者が予想を下回り、アメリカ国債は金利低下・ドル安という状況になっています。

「利上げ停止」を見込む人達は、今月が最後の利上げという人達もいます。

ここから本当にアメリカが利上げを停止するのであれば、日米の株・債券・為替の動きは特に注視する必要がありそうです。

しかしながら、FRB議長は「早急に利上げを休止する状態では今は無く、それは今後の経済指標の結果に因る」という主旨の発言もしていますので、取り敢えずは「利上げ停止は本当?」という半信半疑の姿勢で見てみて下さい。

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April 09, 2006

金利上昇とは

本日は金利が上がると日本経済にどのような影響を与えるかを解説します。

と言っても金利上昇は、実に多くの経済主体に多くの影響を与えるのでその内の一つを本日は取り上げます。

本日は「金利上昇が財政にどのような影響を与えるか」です。

これには巷の経済評論家・学者・エコノミストでも明確に意見が分かれます。つまり、「金利上昇によって、日本の巨大な負債(=国債等)に対する利払いが増えるか否か」です。

日本は現在、国債・地方債等を含めて巨額の負債を抱えています。例えば国債であれば、日本国政府の借金(正確には財務省)で決まった利息や満期なら償還金を保有者に支払わなければなりません。

日本は現在、景気が良くなったといってもまだまだなので、その利息や償還金は新たに国債を発行して賄うという自転車操業をしています。

つまり量的緩和解除で金利が上がってしまうと新たに今後発行する国債の利息が高くなってしまうので、国の利払い負担が増えて結局財政が悪化する可能性があります。その結果日本に対する格下げや、増税等と言った日本経済に悪影響を及ぼすシナリオが発生します。

だから政治家や日銀・財務省関係者は、「金利の急騰は良くない」といつも言います。

その一方で、楽観的に見る人もいます。

それは金利上昇は景気改善が伴っていれば、税収が増えるので国の利払い負担は結局軽微或いは増えないというのが根拠です。

これには、景気改善→株高・増配→株保有者の資産増→消費改善、景気改善→金利上昇→預金者の資産増→消費改善、景気改善→企業収益改善→国の法人税収入増(サラリーマン収入増→消費改善)、と言った波及経路を見込んでいるからです。

後は御自身なりの意見を持ってみて下さい。

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March 17, 2006

ジャパンプレミアム解消とは

本日の日経新聞注目記事は、朝刊・18面(マーケット欄)にある「ジャパンプレミアム解消」です。

記事によると、異なる短期金利(LiborとTibor)の最近の動きを見る事で邦銀の信用力が回復している、との事です。

まずLibor(ライボーと読みます)とTibor(タイボーと読みます)についてですが、そこまで我々の実生活に関係する訳では無いので詳細は割愛します。ご関心のある方はご自身で調べてみて下さい。

ざっくりとした説明だけしますと、この2つの金利は何れも1年以下の短期金利であり、銀行間の資金調達・運用の金利の事です。一般的にLiborは外銀の信用力・Tiborは邦銀の信用力を示します。因みに昨日日本の金融機関は日銀のオペでも資金調達が可能と書きましたが、オペは円です。従って、邦銀が外貨を調達・運用する際はこのLibor等の金利が目安となって資金貸借が行われます。

今まではTibor>Liborという邦銀の信用力が低い状態になっていましたが、最近逆転しLibor>Tibor、つまり邦銀の信用力が回復している状態になっています。

それでは、この情報から何が読み取れるでしょうか?

〆8緞銀の格上げが行われる可能性が高い。

∨銀の資金調達コスト減少から、多少リスクを取った融資が拡大される可能性が高い。或いは貸し渋りが減少する可能性が高い。

K銀の資金調達が出来ないリスクが減少し、金融不安が一層後退する可能性が高い。

ざっと、このような事が今後推測出来ます。

紙面上には、この現象は外銀の高い資金調達意欲や邦銀の預金金利を抑える目的等が一因とありますが、私の個人的な日々の感触からもこれらの特殊・需給要因を差し引いても、金融市場に於ける邦銀の信用力は回復しているようにも思えます。

このTiborやLiborは金融に日々関わっていない方にはそれ程重要な数値ではありません。しかしながら、この記事から邦銀信用力向上は格付け機関による格上げよりも早く察知する事が出来ます。今後このような記事がたまに出てくると思いますので、そんな時は上記の 銑のような自分なりの推測を立ててみて下さい。

 

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March 16, 2006

ゼロ金利とは

昨日はいざ量的緩和が解除されると具体的に金融市場がどうなるのかについて解説しました。

今日はゼロ金利についてです。

皆さん、量的緩和政策とゼロ金利政策の違いは分かりますか?これは外から見ると中々難しいと思います。

まず両者に共通して言えるのは、共に「金融緩和政策」だという事です。

これは、日本銀行の金融政策手段(公定歩合・公開市場操作・預金準備率操作の3つ)を日本経済に対して「緩く」して経済を浮揚させる政策です。つまり、金利を低く誘導するとか、大量に市場に資金を供給するとかといった状態にさせる事です。

従って、日銀は量的緩和政策を止めましたが依然「金融緩和政策中」という事になります。

ではこの2つの違いはと言うと、金融政策のターゲットが違います。

「量的緩和政策」の場合、日銀は当座預金(金融機関が日銀内に作る預金口座のようなもので、利息は付きません)をターゲットとして、この当座預金がどの程度の金額になるかに注目して金融緩和を図ります。具体的には先日まで、毎日当座預金残高を30〜35兆円になるように主に公開市場操作(=オペ)を手段として金融政策を実行してきました。

「ゼロ金利政策」の場合は、日銀にとってのターゲットは「短期金利」です。ここで注意すべきは、「ゼロ金利」と言っても何の金利がゼロなのかです。正確には、無担保コール翌日物という短期金利がゼロに「極めて近い(実際はゼロでありません)」から、「ゼロ金利」とマスコミが言っているだけです。

では、「ゼロ金利政策」なのだからターゲットにしている短期金利もずっとゼロに近い水準なのでは?と思うかも知れません。実際は、日銀関係者(総裁等)が「いつ、どのように、どの程度」短期金利を上げるのか、或いは動かさないのか、について自らの発言によって市場に影響を与えます。それによって金利が動いていきます。これが「ゼロ金利政策」です。

また別の角度から「量的緩和政策」と「ゼロ金利政策」を見ると、順序が違います。現状の「金融緩和政策」から、将来「金融中立政策・金融引締政策」へ移行する場合、「量的緩和政策」→「ゼロ金利政策」→「金融中立政策・金融引締政策」と順序を踏みます。

この間にある「ゼロ金利政策」を飛ばしてしまうと、余りの過激さによって金利は急騰・乱高下してしまって日本経済にとって良い事は一つもありません。

取り敢えず、現状及び今後の金融政策を見る上での注目ポイントは現状の「ゼロ金利政策」をいつやめるか(いつ利上げするのか)、です。

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March 15, 2006

量的緩和解除とは

大変ご無沙汰しております。久々の更新です。

先日とうとう日銀が「量的緩和政策を解除」しました。これは報道の通り、日本経済にとって非常に重要な出来事です。

そこで簡単ですが、「量的緩和解除」を解説します。

まず「量的緩和」は、良く資金をジャブジャブの状態にする事を言われますが、これでは何の事だかさっぱりです。

具体的には、日本銀行の金融政策手段の一つである公開市場操作(オペとも言います)の中に資金供給オペというものがあります。これは日銀が金融機関から手形や国債を買い取ったり、一時的に借りたりする事でその金融機関に資金を供給します。

つまり、金融機関にとったら資金調達手段です。特に証券会社は銀行と違って預金を預かっていない為、株や債券を購入したらその資金をこのオペで調達したりします。そしてこれは入札方式なので、金融機関の調達意欲が高い程高い金利でオペが落札されます。

では、「量的緩和の解除」がどのような状態かと言うと、この日銀の資金供給オペの「量と頻度を絞る」という事です。

今まででしたら、日銀が大量且つ頻繁に資金供給オペを実施してきました(イメージで、毎日か2日に1度の頻度で、1回数千億円の資金供給)。ところが、上記のように日銀が資金供給オペの「量と頻度を絞る」と、資金が欲しい金融機関は少々高い金利を払ってでも(オペは入札方式なので)、資金調達しようとします。なぜなら、今後も日銀は資金供給オペの「量と頻度を絞る」ので資金調達が未達になるのが怖いからです。

どの金融機関もこのような行動を取り始めるので、段々とこの資金供給オペの落札金利(=金融機関の資金調達金利)が上昇します。これは即ち、将来的なゼロ金利解除にも繋がり、短期金利も上昇していきます。

以上が「量的緩和解除」です。これにはもう少し解説が必要かと思いますが、リハビリがてら今回はここまでにします。

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November 29, 2005

米国経済の見方

ご無沙汰しています。バタバタしていて更新が出来ませんでした。

ご無沙汰なので、本日は特定の記事は取り上げないで書きます。

ここ最近の米国経済は、今までとは違って岐路に立たされています。

過去の記事でも書きましたが、あくまで今後の米国経済を見る上でのポイントは金融政策とインフレの2点に集約されます。

つまり、原油高や不動産価格上昇によるインフレが今後どのようになりそうで、且つそれをFRB(米国の金融政策決定機関、日本の日銀のような位置付けです)がどのように捉えて、利上げを決定していくか、が鍵でした。

しかしながら、ここ最近になり「利上げモード」から「利上げ停止モード」になる可能性が急浮上しています。

その原因は、原油価格下落・不動産市場沈静化の兆し・弱い経済指標等が挙げられます。現に、最近公開されたFRBの議事録では「利上げモード」を一旦停止する議論がなされていた事が明らかになりました。

従ってある意味今は米国経済の分かれ目とも言え、今後の米国経済を見る姿勢は柔軟にする必要があります。

皆さんも今後新聞に出てくる米国経済絡みの記事は、注意して読んでみましょう。

 

 

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November 10, 2005

景気回復はいつまで続くか

本日は少し気の早い(?)お話をします。

景気には必ず山と谷があります。そして景気動向と物価は大体同じ動きをするので、物価安定を使命とする中央銀行は景気の山では金融引き締め、景気の谷では金融緩和政策を採ります。

内閣府によると、現在に至るまでの景気回復局面は2002年1月から始まっています。つまり今月で46ヶ月に至る景気回復局面という事になります。

それでは、日本の過去の景気回復局面はどれ位の長さでしょうか。

1位:57ヶ月(1965年10月〜1970年7月)

2位:51ヶ月(1986年11月〜1991年2月)

これからも分かる通り、現在の景気回復局面は非常に長く続いていると同時に、あと1年も続けば「そろそろ一旦調整かな?」とすら感じてしまいます。

来年前半には量的緩和解除も想定されますし、増税問題も更に具体化しそうです。

今回の景気回復が戦後の日本史上最長となる為には、企業の更なる設備投資増加等の新たなエンジンが必要になりそうです。景気回復は永遠に続く訳ではありませんので、皆さんもどの程度続くかイメージしてみると良いかも知れません。

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November 09, 2005

株式市場の売買高急増の背景

本日の日経新聞注目記事は、朝刊・1面にある「東証1部 売買高 最高の45億株」です。

記事によると、8日の東証1部の売買高は45億株と、過去最高を記録したようです。

この株の売買高とは、1日に売買された株の総数です。売買高が増えると、それだけ多くの投資家が市場に参加した、或いは売買した事を意味します。

つまり現在のように売買高が増えながら株価が上昇しているという事は、多くの買いが入っている事を意味し、株価に対して強気の人が多いという証です。

ではこの売買高をどのように捉えれば良いのでしょうか。大きく分けて2点あります。

‐綉の通り、売買高を伴って株価が上昇しているのでまだ株価は上がりそう。

売買高が減ってくると、強気の人が減少している事を表しているのでそろそろ天井の可能性がある。

と言った具合です。

ここからが本番なのですが、ここで最も注意しなけばいけない点があります。

それは、ここ10年間株は個人投資家が参入しやすいように分割や売買単位引き下げと言った方法で、一口あたりの投資金額を下げた事により売買高が増えている側面があります。

以前なら最小投資金額が500万円という株も多くありましたが、最近は100万円もあれば大抵の銘柄には投資可能です。

現にここ15年間で株は大きく下げましたが、売買高はずっと増加基調にあります。

勿論個人投資家の参加が要因の1つである事は間違いありませんが、このような技術的側面で売買高が増えている部分もありますので、この情報を最重要視するのは危険と言えます。

ちなみに私がこの世界に入った当初は、東証1部の売買高が10億株/日もあれば結構良く出来たなと感じたものです。

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November 05, 2005

電力料金引き下げの影響

本日の日経新聞は、個別企業の記事が盛りだくさんです。その中で興味深い記事を一つだけ取り上げます。

その記事は、朝刊・1面にある「東電 4%前後値下げ」です。内容は、東京電力が電力自由化による競争激化を受け、2006年4月にも電力料金を4%値下げする方針を固めたとの事。

この電力料金値下げの流れは以前から続いていますが、東電の値下げは1年半ぶりです。

ではなぜこの記事が興味深いかというと、この値下げにより消費者物価指数(CPI)の下落要因が増えるからです。

CPIは様々な項目で構成されていますが、その中でも公共料金は高いウェートを占めています。今までの公共料金値下げは、CPIを0.1〜0.5ポイント程度押し下げているとされ、原油高がそれを相殺している様な状態になっています。

そしてCPIは、現在の金融政策上極めて重要な指標となっています。それは日銀が量的緩和解除条件の1つとして、CPIがプラスになる事を掲げています。更に日銀は来年前半にもCPIがプラスになり、量的緩和政策の解除環境が整ってくるともコメントしています。

従って今回の電力料金引き下げは将来のCPI下落要因ですし、ある意味量的緩和解除時期を遅らせる要因とも言えます。

現時点では今回の記事がどの程度CPIに影響を与えるかは、計算をしないと分かりませんが、取り合えずこんな記事でも日本の金融政策に影響を与えるんだと感じて頂ければと思います。

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November 04, 2005

なぜ増税か

本日は増税について解説します。

衆院選挙・内閣改造を終えた政治の世界では、増税の話が急浮上しています。

このタイミングで増税の話が出てくるのは、世論の小泉内閣支持率が高いからです。

増税という政策は、政党・内閣支持率を下げる傾向にあります。財政再建の為には増税も一つの手段ですが、やはり国民の実生活の負担を考えると反対する国民が多いようです。

従って、通常増税は支持率が高い時や選挙を間近に控えていない時に行います。ですから小泉内閣は今増税に取り掛かろうとしています。

 

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November 03, 2005

円、独歩安とは

本日の日経新聞注目記事は、朝刊・5面にある「円、独歩安の様相」です。

記事によると、円はドルやユーロ等の先進国通貨に対して独歩安(円だけが売られている状態)となっていて、その原因は金利差との事です。

まずはじめに、日本と海外先進国の「金利差」は拡大傾向にあります。アメリカは昨日も金利を引き上げましたが、インフレ対策として金利引き上げ基調にあります。欧州も原油高によるインフレを警戒して金利を引き上げるムードになりつつあります。

では、日本はと言うと依然として量的緩和政策を採用していますので金利は下に張り付いています。最近は量的緩和政策を解除するという話が出ていますが、量的緩和を解除してもゼロ金利の状態は暫く続きそうです。

では、この各国の金利差が為替に与える影響を解説します。

これには色々な理論がありますが、一言で言うと「資金は金利の低い国から金利の高い国に流れ、為替は金利の高い国の通貨が買われ易くなる」という基本的な考えに基づきます。

今の我々に置き換えると分かり易いのですが、現在我々が銀行に資金を預けても利息は殆ど付かないので、より高い金利を求めて外債や外貨預金に資金シフトするケースは多いですよね。

その行動は円を売って外貨を買う動きなので、金利が高い国の通貨が買われる事に繋がります。

これは個人だけでなく、世界中の資産に投資をしている巨大な年金等でもこの傾向は出ます。

以上ですが、為替の動きを全て各国金利差で説明出来る訳ではありません。

為替は他の要因にも影響を受けるので、過去の金利差と為替の動きをプロットすると異なった動きをする事も良くあります。為替は数ヶ月間毎にテーマが変わりますので、一要因として捉えた方が良さそうです。

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October 17, 2005

靖国神社参拝とは

ご無沙汰しております。PC故障の為、更新が出来ませんでした。

それでは、本日の日経新聞注目記事は夕刊・1面の「小泉首相が靖国参拝」です。

現在日本の対中・対韓外交において小泉首相の靖国神社がネックになっていると言われています。なぜ首相が靖国神社を参拝すると中国や韓国は反対するのでしょうか?

簡単に言うと、「靖国神社は日本のA級戦犯が祀られているので、過去日本の侵略を受けた中国や韓国にとったら「まだ日本は反省していない」と不愉快に感じる」からです。

まず靖国神社について説明します。靖国神社は戦前から日本の象徴的な神社として扱われていました。戦後になると、「戦傷病者戦没遺族等援護法」と「恩給法」(1956年に当時の厚生省が作りました)という法律が出来たのを機に、戦没者(A級戦犯含む)を靖国神社にて合祀しました。さらに、現在靖国神社では、崇敬者総代会という内外の人間を集めた役員会のようなものがあり、その総代には自民党・古賀誠議員が就いているなど政治色が濃い神社となっています。

それにより戦没者を参拝したいと思う政治家達は、靖国神社へ参拝しに行きます(靖国神社参拝は義務ではありませんので、参拝の有無や頻度は政治家によって異なります)。ただこの問題を問題化したのは1985年に中曽根首相(当時)が「靖国公式参拝」を行ったところ、朝日新聞がこれを重要視して大々的に取り上げ、中国がそれに乗ってきたからとも言われています。現にそれまでは天皇陛下も参拝していましたし(昭和50年11月21日(終戦30周年)に天皇・皇后両陛下が参拝されたのが最後)、朝日新聞が取り上げるまで中国は「ヤスクニ」を知らなかったとも言われていますので。

一方小泉首相は中国・韓国の反発を受けながらも、余程の強い信念からか毎年参拝しています。その為、2001年10月以降小泉首相の訪中が実現しておらず、対中外交の足かせになっています。小泉首相は中国・韓国への配慮から毎年日程・格好等を変えて参拝していますが、中国・韓国にとったらそんな事では納得出来ない様です。

尚この解説は全て私の私見であると同時に、靖国参拝問題はナイーブな問題である為解釈等はご自身の責任で行って頂き、正確な事実は直接靖国神社等へ確認して下さい。

 

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September 24, 2005

量的緩和解除

本日の日経新聞注目記事は、朝刊・3面にある「量的緩和解除 日銀地ならし」です。

現在、日銀が採用している金融政策は量的緩和政策ですが、最近はそれを止めようという動きが日銀内に出てきているようです。

量的緩和政策を止める事を、マスコミは「出口」と表現しますが、そもそもゼロ金利政策・量的緩和政策は金利が極限まで低く誘導するという世界的に異常な政策で、更にその期間が数年間にも渡っている事からトンネルから出るような表現で、「出口」と言ったりします。

この出口について、日銀政策委員の最近の講演等で会話されているのは、紛れも無く日本経済が好転していて、量的緩和解除が「視野に入りつつある」からです。

1年前の日銀政策委員の発言を見ると、当時は「量的緩和解除なんてとんでもない。」という主旨の発言が殆どでしたので、状況はかなり変化していると言えます。

では、彼らが何故最近になって量的緩和解除を口にし始めたかというと、新聞タイトルの文字通り、「地ならし」が目的だからです。

ある日突然量的緩和を解除してしまうと、市場参加者は驚いてしまい、金利が急騰してしまいます。そんな混乱を生じさせない為に、前もってそれに関するコメントを出す事で市場に徐々に織り込ませようとします。今はまさに、その段階と言えます。

今後新聞等でこういった記事がどんどん出てくる程、量的緩和の解除時期は近くなっていると判断出来ます。

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