まず、この試合に対する関大の準備・気迫は素晴らしいものでした。
試合前の練習から、その気持ちは伝わってきましたし、「これはマズいかもな…」と思っていた不安が、結果的には的中しました。
この日の関西大学カイザースは勝利に値するチームでした。
立命の敗因を挙げるとすれば、その「準備の差」だと思います。
ただし、これは選手の問題ではなく、コーチ陣の問題。
前半は関大の準備したプレー(特に関大のディフェンス)になす術がなく、おまけに立命オフェンスのミスも重なって苦しい展開になりました。
ディフェンスは本当によくやってくれました。
前半あれだけオフェンスが進まなく、かつミスをし、ディフェンスの時間が多かったにも関わらず、3失点で済んだのは奇跡でした。
あの内容で前半が立命0-3関大で終われたのは、全てディフェンスのおかげでしかありません。
なので、最後の最後で疲れが出てしまったことについて、責めることなんてできません。
特にDL99鈴木・DL56加藤・この日初スターターだったDB20榎本はゾーンに入ってるかのようにナイスプレーを連発していました。
前半にディフェンスが関大オフェンスをロスさせた距離は、確実に立命のラン獲得ydsの倍以上あるでしょう。
逆にオフェンスは気合が入りすぎて堅くなった印象があります。
以前から指摘していたようにOLは前に押せなければ、今回はパスプロも持ちにくい状況でした。関大セカンダリーのカバーが秀逸だったこともあり、QB19荒木が投げるタイミングがありませんでした。
QB19荒木は…副将ということもあり、気負いすぎてしまったのかなと思っています。
「自分がなんとかしなければ」と背負いすぎて、視野を広く持てていませんでした。
他でもファンブルロスト、パスを上に弾いてしまってのインセプ献上など、スキルポジションのミスも生まれてしまいました。
OLは…関大ディフェンスの準備されたプレーに対して、何もさせて貰えませんでした。前半のラン獲得ydsは7yds…これでは試合になりません。ランプレーで押せなければ、安定していたパスプロも持たない。もったとしても、関大DB陣のカバーが良くてターゲットが見つからない。そんなシーンが散見されました。
キッキングはP8長尾がキックオフを蹴るなどの工夫は見られました。カバーもまずまずだったでしょう。
唯一のミスはエンドゾーンを背負ってのパントでファンブルして蹴れず、関大に1yd地点からの攻撃を与えてしまったこと。
冷静に考えてみれば、あそこはわざとセーフティにすることもアリだったかもしれません。
これは結果論なのですが、そういったプレーも選択肢に持っておいて欲しい、ということです。
そして最大の敗因だと思っている「コーチ陣の準備の差」
前半は特に関大用に用意したと思われるプレーもなく、中央のランプレーとパスプレーのみ。
関大ディフェンスの準備の前に、全くよいところが出せず、ミスも加わって窮地に陥れました。
後半になってようやく尻に火がついて、オフタックルや横に広げるランプレー、相手のラッシュを逆手に取ったパスプレーを展開しましたが、結果的には前半のツケを挽回することはできませんでした。
あと、残り1分58秒でのTDとなったWR25福田へのパス。
あれは正直「早すぎる。時間が残りすぎた」と感じていました。
関大の逆転の芽を摘むなら、もっと時間をかけるべき。ランプレーで時間をかけていれば、残りは1分程度になっていたはずです。
コーチから出たコールに対して、QB19荒木・WR25福田は最高のプレーをしてくれました。でも、それが結果的には関大に逆転される時間を作ってしまった。
これはコールを出したコーチの責任です。
最初はベースだけでなんとかやっていきたい、後半は逆転さえすれば関大には逆転されることはない、というコーチ陣の油断がこの敗戦を招いたと私は思っています。
攻・守・蹴、全てにミスがあり、正直よくこんなスコアで収まったと思います。本来だったら自滅でボロ負けしててもおかしくありません。
個人的な反省としては、立命館大学応援団が不在の中で、「チームに力を与える応援をできたかどうか」という点については、自分の力が足りなかったと痛感せざるを得ませんでした。
「1位じゃないなら2位でも3位でも、全国トーナメントに出られればいい」などと間違っても思っているようなら、抽選で4位扱いになってシーズン終わるのを想像してみて欲しい。