今まで、ローランドのMBOに関する記事をアップしてきましたが、今回は6回目になります。

(古い順に1、2、3、4、5です)。

1:ローランドのMBOはどうなるのか?
2:ローランドMBOは大丈夫? 泥沼化?
3:ローランドMBO どう転ぶのか?最終段階に
4:ローランドMBO大苦戦か 泥沼化していた状況がいよいよ不透明に  応募期間延長へ
5:ローランドMBOの参考に  過去のMBO不成立の例

6月27日、ローランドの株主総会が行われました。とても興味があったので出席したかったのですが、流石に仕事を休んでまで行くことはできませんのであきらめました。その後、株主総会の結果に関する書類が送られてきましたが、現経営陣がそのまま留任したみたいですね。

東洋経済オンラインにローランドの株主総会の様子が記事になっていますが、予想通りMBO推進派の現経営陣とMBO反対の筆頭株主の論争の場になったみたいです。

ローランドは2010年 約20億円、2011年 7億円、2012年19億円、2013年40億円と毎年赤字を計上してきました。2014年は4億7千万円の黒字になっています。ローランドが筆頭株主であるローランドDG(6789)の1株配当は増配して40円になったので、ローランドDGの配当は利益にかなり寄与していると思います。逆に本業はまだまだ厳しいと考えるのは自然でしょうか。3Dプリンタ関連でも知られるローランドDGは、2014年は42億円の黒字です。ローランドDGの第2位の株主は今回ローランドのMBOにからんでいるタイヨウファンドになります。このままMBOが成立するのであれば、タイヨウファンドのローランドDGに対する影響力はより大きくなります。以前に旧ライブドアがフジテレビの親会社であったニッポン放送の株式を大量取得して、というお話がありました。その時と似たように、あまり稼ぐことのできない親会社ローランドを手中にすることというよりも、2015年度は2014年以上の利益を想定している子会社ローランドDGに狙いがあるのかもしれません。

又、MBOをするにしても、ずっと赤字続きでようやくちょっと黒字化という経営陣に対して筆頭株主は不信感があるのかもしれません。MBOした後は株主総会のようなチェック機構が作用しませんので、赤字を出し続けても経営陣が一般株主からの追及で罷免されることはなくなりますしね。

そんなことが考慮される今回のMBOは、創業家である筆頭株主からすれば受け入れられるものではないのでしょう。

逆にローランドDGの側はどうでしょうか。ローランドの持っている株をある程度先日買い取りましたので、これらを別の大口安定株主に割り当てることを模索しているのではないでしょうか。ファンドの力が強力化すると、最悪敵対的TOBによってむりやり買い取られかねませんし。

1875円のTOB価格に対して7月4日の終値が1847円でした。手数料を考慮しないとするならば、今日の終値で購入し、TOBに応募して成立すれば1.5%の利回りになります。成立すれば随分な利率になりますが、やはり状況が状況だけに私は手を出さずに静観したいと思います。