おさらい
あれって多分青春だった part1

part2は続きを読むからどぞ↓

348  ◆KntgZQvT3E  2009/09/21(月) 02:09:50.54 ID:Q+eAWGO80
翌日。
両親が仕事に出ている時間帯を利用して、
俺は家に戻った。

俺が犯行に使用した、
「簡易タイヤ止め」のコンクリートブロック。
それが二つ、部屋に置かれていた。

そして、置き手紙。

「あと二回、何か割れるね。」
「次は何を割るか知らないけど」
「フロントガラスやったら、問答無用で勘当。」
「だそうですよ。 母さん」

俺はその日以来、何かを「割る」行為をした事がない。

349  ◆KntgZQvT3E  2009/09/21(月) 02:14:38.34 ID:Q+eAWGO80
ちなみに「土田晃之」がテレビに出てると俺は即座にチャンネルをかえる。
当時の親父にそっくりだからだ。ちんちん。

352 ローカルルール変更議論中@VIP+ 2009/09/21(月) 02:26:12.02 ID:uYNKGcya0
ちんちん支援

366 ローカルルール変更議論中@VIP+[sage] 2009/09/21(月) 23:10:46.61 ID:2hj00khpO
やっと追いついたぁぁぁぁひゃっほぅぅぅ!!
支援!

384 準主役 ◆KntgZQvT3E  2009/09/23(水) 03:35:14.06 ID:j6lHnbW/0
支援産休なんだぜ!!
書いたり書かなかったり中途半端な事してすまんこ。

ちなみに勘違いしてる奴がいるみたいだけど、
この話の主役はアオじゃなくて俺なんだぜ……

じゃあ続き

俺は自分の愚かさと不甲斐なさに辟易していた。
そりゃ大層うんざりだった。

「俺とお前らの差?生きた年数くらいだボケ」

と思っていた「大人」という生き物に、
たった3〜4行の手紙で丸め込まれた衝撃。

今までの俺なら躊躇なく家中の窓をぶち破り、
軽トラのフロントガラスをぶち破り、
さらにはシフトレバーを引っこ抜くというデザートまで振る舞ったはずだ。

心のシフトレバーは完全に「パーキング」。
ちんちんは相も変わらず「スパーキング」。

ムラムラとちんちんをおっ勃てる度に、
俺は虚しさを育んで行った。
さながら卵を温める鳥のように、
自らの体温で虚しさを孵化させようとしていた。




385 準主役 ◆KntgZQvT3E  2009/09/23(水) 03:47:31.18 ID:j6lHnbW/0
捕まえようとすると途端に逃げて行く「虚しさ」はいつしか、
「怒り」に変わっていった。
虚しさと性欲にかけては、
その時の俺はもう県内トップレベルだった。
愛しさも切なさも心強さも、インターハイに置いて来た。
世界が終わるまでは離れる事もない。

最近俺、スラムダンク再熱中なんだ。
俺はすべてをアオにぶつけた。


386 準主役 ◆KntgZQvT3E  2009/09/23(水) 03:54:48.41 ID:j6lHnbW/0

「お前は死んだ方が良いと思うよ、世界の為に」

これがその時の口癖だった。
苛立っていた俺はアオが喋る度にこれを口にした。

その日三十回程その言葉を口にしていた。
次第にアオは不快感を露にしていった。
このあとアオが放った言葉が俺に火をつけることになる。

「お前は世界どころか○○県にも相手にされてないから」
「別に死ななくてもいいと思うわ」


387 準主役 ◆KntgZQvT3E  2009/09/23(水) 04:01:57.29 ID:j6lHnbW/0
アオの追撃は止まらなかった。

アオ「お前が死んでも新聞載らないから(笑)」
  「地域新聞にも載らないから(笑)」
  「俺のコネで学級新聞に載せてやるよ(笑)」
  「せいぜい豪快に死ねや(笑)」

俺は、
「スーパーサイヤ人になる訓練を辞めなきゃよかった」
と思った。
中3で訓練を挫折した自分を呪った。

388 準主役 ◆KntgZQvT3E  2009/09/23(水) 04:18:02.98 ID:j6lHnbW/0
俺の手元には焼き鳥の紙袋にたっぷり入った「たれ」があった。
スーパーの前のおっちゃんはいつもたれを多めに入れてくれた。

俺は無言で「たれ」をアオの髪の毛にコーティングした。

ここから「言葉のない戦争」が始まった。

アオが手に持っていたのはサイダー。
何も語らず、まんべんなく俺の全身へ。
俺はアオの「愛の炭酸」をすべて受け入れた。
その攻撃が止む前には俺の飲んでいたビールが、
すでにアオの頭上に降り注いでいた。

この戦争は、アオ母の提供でお送りしていた。
軍事費はすべてアオ母の「小遣い」と言う名の資金提供で満たされていた。

389 準主役 ◆KntgZQvT3E  2009/09/23(水) 04:32:59.41 ID:j6lHnbW/0
もはや「新手のプレイ」と認識されていたのか、
公園の利用者は近づこうとしなかった。

覚えてないからあれだけど、
誰にも止められなかったってつまりそういうことじゃね?
うらやましかったんじゃね?

アオがカバンから弁当の残りを取り出し、
ポテトサラダとかカボチャの煮物系統の
「ぐちゃぐちゃ食感タイプ」
のクリーチャーを俺の頭に刷り込み出した頃、

「肉弾戦に持ち込むしかない」

という事にようやく気付いた。

発想の柔軟さ、瞬発力。
そしてアオ母補正の軍事力。
この点で俺がアオに勝つには、あと40年は必要だった。

390 準主役 ◆KntgZQvT3E  2009/09/23(水) 04:46:43.22 ID:j6lHnbW/0
俺は手始めに、
ビールとたれと、白米を彩る「ふりかけ」
の如く優しく散らした「砂」まみれの頭を引っ叩いた。

パシンッ

アオ「ぶつんだな?」
  「それでいいんだな?」

みたいな言葉が、「言葉のない戦争」に一石を投じた。
今思えばこの時点で負けだった。
人差し指を俺に突き立てて言葉を発したアオ。
過去のどんなDQNをも凌駕する程に、正直ビビった。


391 準主役 ◆KntgZQvT3E  2009/09/23(水) 04:59:40.57 ID:j6lHnbW/0
俺とアオの軍事力には大きな差があった。
・着流し
・文庫本
・雪駄
一方アオは、
・制服
・革靴
・カバン

俺の脳裏に暗い影がよぎった。

「死因 HBの鉛筆による裂傷、出血多量」
「死因 ペンケースの角による殴打、外因性ショック(以下略)」
「死因 シャープペンシルによる(以下略)」
「死因 ボールペンに(以下略)」
「死因 教科書(以下略)」
「死因 箸(以下略)」

392 準主役 ◆KntgZQvT3E  2009/09/23(水) 05:17:49.17 ID:j6lHnbW/0
しかし意外にもアオは「兵器」に手をかけなかった。
続けざまにアオの頬をはたいた瞬間、
アオが出した答えは「つねる」だった。

いや、ほんと「つねる」とか子供の喧嘩みたいに感じるよね。
でも違うんだ。
奴のそれは、「俺はつねりで七人はやれんだぜ」って訴えてくるレベル。
確かな殺意を孕んだ「つねり」だった。

「あ、これ死ぬわ」

俺は恥も外聞も捨てた。
アオの懐に潜り込み、押し倒した。
マウントポジションに入り、まずはカバンを放り投げた。

393 準主役 ◆KntgZQvT3E  2009/09/23(水) 05:26:39.66 ID:j6lHnbW/0
マウントなんか入ったら、間違いなく戦意を喪失させなくちゃいけない。
ひっくり返される前に。

でも俺はアオを殴れなかった。
膝で腕押さえ込むのがセオリーでも、それをしなかった。
アオだけは失っちゃいけなかった。
親父で後悔したのを糧に、俺は一歩成長したんだ。

鈍い痛み。
俺の両腿に、アオの両腕。全力つねり。
ゆっくり激痛へ変わる。
あぁ、これはアオに喧嘩を吹っかけた俺の、心の痛みなんだ。
甘んじて受け入れよう。
ふと視線をあげる。
アオの不快な薄ら笑い。

思いっきりぶん殴った。


395 準主役 ◆KntgZQvT3E  2009/09/23(水) 05:43:50.16 ID:j6lHnbW/0

俺「全部おめえのせいなんだよ!」
 「のうのうと学校なんか通ってんなよボケェ!」
 「お前が居なきゃ俺普通に高校出てたわ!死ね!」

アオ「自分に何にもないのを周りのせいにすんな」
  「自分だけ特別だと思ってんだろお前」
  「そこら辺のチンカスだって同じ事思ってるぞ」

もう殴り合う事なく、罵倒し続けた。

アオ「お前は俺が居なきゃ、今まで学校通えてないね絶対」

大体こんな感じで、アオの言葉達が的確過ぎた。
俺はまさにアオのせいにして喚いてるだけだった。

「もう、お前とはあそばない」

とんでもなく幼稚な言葉だった。
とんでもなく幼稚な俺には一番お似合いで、
とんでもなく幼稚な俺が一番恐れてた言葉を公園に置いて、アオは帰っていった。

396 準主役 ◆KntgZQvT3E  2009/09/23(水) 06:07:38.28 ID:j6lHnbW/0
でもほんと、アオは失っちゃダメだ。
だってもうほんと友達居なくなっちゃう。
アオとはもっと面白い事探したい。
まだアオ母に俺のエントリープラグ挿入させてもらってない。

そういった純然な感情を持って、すぐに追いかけた。

「アオごめん、ほんとごめん、ちょっと俺おかしかった」

意外にもアオはあっさり、

「いいよ、気にしてないから」

みたいに言って、
「今日おまえん家まで送ってやるよ」
とまで言った。






397 ローカルルール変更議論中@VIP+[sage] 2009/09/23(水) 06:08:31.29 ID:ZYJ2Ghi0O
追いついた
これはラノベにしてくれw

398 準主役 ◆KntgZQvT3E  2009/09/23(水) 06:15:45.96 ID:j6lHnbW/0
公園で頭と顔を洗い流した。
それでも乞食のような格好で異臭を放つ二人。
お構いなしで電車に乗った。

俺は駅までチャリだった。
上で自転車の話題が出てたななんか。
俺は中学以来初めての二人乗りをしてアオと家まで帰った。





399 準主役 ◆KntgZQvT3E  2009/09/23(水) 06:30:33.39 ID:j6lHnbW/0

俺「飯食ってけよ、シャワーと着替えも貸すから」

アオ「いや、買い物も頼まれてるし、着替えも要らない」
  「ただ、駅までチャリ貸して」

俺「さっき置いてあった場所、いつも置いてるとこだから」
 「そこに置いといてくれればいいや」
 「てか、また俺が一緒に駅までいけばいいか」

アオ「お前は早くシャワー浴びて飯食えよ」
  「自分との会話が必要なんだよ今の俺は」
  「それはひとりじゃないと出来ない。反省もしたいし」

俺「(アオ……)わかった、送ってくれてさんきゅ!」

翌日家の郵便受けに「何個分だよ…」レベルに大量の納豆が詰まっていた。
なぜか親父に掃除を命令され、
洗い流すと生魚が出て来た。
母のチャリが田んぼに横たわっていた。
解体された俺のチャリが駅前で死んでいた。

犯人に関しては未だ見当もつかない。



401 ローカルルール変更議論中@VIP+[sage] 2009/09/23(水) 09:13:37.61 ID:h28tz7Io0
なんだやっぱりおもしろいじゃないちいくしょう
てかもしかして書き溜めてただけか。生存報告は頼むよ
・・・・・・・べっべつにあんたのこと心配で言ってるんじゃないんだからね!続きが読みたいだけなんだから!///

403 ローカルルール変更議論中@VIP+ 2009/09/23(水) 10:03:46.62 ID:RddEA53/O
言葉のチョイスがいちいちツボなんだよ!
>>1面白い

406 準主役 ◆KntgZQvT3E  2009/09/23(水) 11:51:29.12 ID:j6lHnbW/0
親父とのケンカ、アオとのケンカ。
俺は日常のちんちん弄り以外に関しては大体彼女に話した。

彼女「○○(俺)はアオくんに勝っちゃいけないんだよ」
  「対等で居なきゃいけないとか、そういう綺麗事じゃなくてさ」

俺は相変わらずの理解不能で、
毎回二人分頼んでくれるデザートとデュエルしていた。

彼女「○○は、自分帝国を一度落とされなきゃいけないんだよ」
  「で、再編成しなきゃいけないのね」
  「そういう時期なんだよきっと」

彼女は考えながら話す時、スプーンとか持ってるものを振り回す。
それがいちいち左手で、かっこいい。
左利きに憧れる。 

俺「なんかモヤモヤすんのよ、いつも何してても」

彼女「そりゃそうだよ」
  「君は多分どっかで、もうダメかもしんないって気付いてんだから」
 

407 準主役 ◆KntgZQvT3E  2009/09/23(水) 12:06:02.49 ID:j6lHnbW/0

俺「そうかなぁ……。(能書きはいいからヤらせろや)」

俺は限界だった。
セックスがしたいという気持ちより、
全裸で添い寝してほしかった。
彼女が死んだら棺桶で添い寝する自信があった。

そんなピュアな気持ちとは裏腹に、
俺のちんちんはひとりでに身体を離れて、
彼女のスカートの中に潜り込んでしまうのではないか。

そのくらい俺と相棒のちんちんは別の意志を持っていた。

器用に食べるケーキ。
頬張る苺。
彼女の飲むリンゴジュースに至るまで。

その全てが卑猥なものに見えるのだから、
これはもう相当な末期だった。

408 ローカルルール変更議論中@VIP+ 2009/09/23(水) 12:11:07.34 ID:ErNRkjL4i
彼女すげー良い事言ってんのにwwwwお前と言う奴はwwwwww

409 準主役 ◆KntgZQvT3E  2009/09/23(水) 12:25:36.18 ID:j6lHnbW/0

俺「あのさ、付き合うってさ、どういう事なのかな?」

この言葉を発したのは俺じゃない。断じて違う。
ちんちんだ。ちんちんの暴走だ。

ちんちん「俺達デートとかしないじゃん」
    「付き合うってどういう事?いつもの饒舌で俺を納得させてよ」

俺(いいぞもっとやれ)

411 準主役 ◆KntgZQvT3E  2009/09/23(水) 12:38:05.87 ID:j6lHnbW/0

彼女「君自分で、普通のカップルのデートの話とか」
  「聞いてるだけで吐き気するって言ってなかった?」
  「本当に賢い人間は、脳みそと口だけで1日を潰せるって」
  「じゃあ聞くけど君、動物園とか行きたいの?」
  「君が行きたいなら水族館でも動物園でもアメリカでも行くけど」
  「お金も出してあげるよ」

ちんちん(てめぇ!!何俺の知らないとこでかっこつけてんだ!!俺の足引っ張るんじゃねえよぉぉぉぉぉ!!)

俺(ごめん……)

ちんちん「いや、そうじゃなくてさ、フィジカルの問題で。」
    「手繋いだり、ちゅうとかみんなしてないのかな?」

俺(おいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!!)



 

413 準主役 ◆KntgZQvT3E  2009/09/23(水) 12:55:53.35 ID:j6lHnbW/0
彼女は黙った。そりゃそうだ。
下ネタやこっち系のネタは今まで俺がタブーにしていたことだった。
彼女は無言で「箱」を作り始めた。

俺「なんかほんとごめ、怒った?」

彼女「怒ってたらここに居ない」
  「今日私会計しないけど」
  「財布持ってるの?」

俺(絶対怒ってんよ……)

俺「持ってない……ごめ……」

ちんちんと俺は配球が乱れ、そこにつけ込まれた。
彼女得意の機動力野球で掻き回された。
二回表、打者8巡、俺は白いタオルをグラウンドへ投げた。
20点差の歴史的コールド負けを喫した。



415 準主役 ◆KntgZQvT3E  2009/09/23(水) 13:28:03.86 ID:j6lHnbW/0
俺は何故彼女が不機嫌になっていたのかわからなかった。
彼女と居たらわからない事だらけなのでその時は気にならなかった。
しかし俺はこの日、「絶頂」を経験することになる。

当時俺はアオと彼女に会うか図書館以外、日中外に出なかった。
でも夜になると、軒並みシャッタが降りた商店街に繰り出していた。

戦友・アオと「サドル収集部」「深夜の来訪者」
等の闘いを繰り広げた地元商店街だ。







416 準主役 ◆KntgZQvT3E  2009/09/23(水) 13:37:02.38 ID:j6lHnbW/0
もちろん彼女は「深夜散歩」を知っていた。

単純に言えば深夜は「浸れた」。
人の気配もなく、普段騒がしい商店街。
これが日中とは打って変わってモノクロになる。

ここを歩いている時、自分だけ不思議な力に守られてるような気がした。
厨二病にとってこれほど悦に浸れる環境はなかった。

ファミレスの帰り道、彼女は言った。
「今日、私もお散歩行っていい?」
多分、休日の前の日だったんだと思う。

俺「まぁ、良いけど。あの場所にいる俺って無口だぜ?」

(やばい。一回帰って三回はちんちん弄っとかないと暴発する)




418 ローカルルール変更議論中@VIP+ 2009/09/23(水) 14:05:53.43 ID:SDwP1F1KO
絶頂が気になるw
いてらー

451 ちんちん ◆KntgZQvT3E  2009/09/25(金) 00:24:37.56 ID:ucn6fkrt0
アオとは違って、彼女と俺は自転車で会える距離だった。
確か1時か2時か、そんな時間に待ち合わせをした。

俺は入念な計画を練った。
まずは、

「彼女と会うまでに3回ちんちん弄れるか」

4回目を自重するのに苦労したくらいだった。

三食のうち唯一、支給されていた夕飯をぺろりと平らげた。

長い長い、待機時間だった。
退学事件の前よりどきどきした。

さすがに5回目は自重した。


452 ちんちん ◆KntgZQvT3E  2009/09/25(金) 00:35:00.61 ID:ucn6fkrt0
もう自転車を持ってなかった俺は、
徒歩で商店街の方まで歩いた。

万全だった。

家を出る寸前のシャワー→OK!
いい具合にしぼんだちんちん→OK!
カウパーくんの暴走→ナッシング!!
財布の中のコンドーム→プライスレェェェェェェェェス!!!!!!

意味がわからない。
初体験を商店街で済ませられると思ってたのだろうか。

456  ◆KntgZQvT3E  2009/09/25(金) 00:49:31.55 ID:ucn6fkrt0
まさかの事態が起きてしまった。
俺は完全に自分の事しか考えちゃいなかった。

彼女の匂いはたまらなかった。
シャワー、シャンプー、お風呂。
ほかほか、ほてり、湿り気。

俺の「プリティ・ボム」は
彼女の「クランベリー・フレーバー」に
すべからく「クララ・ガタッタ」だった。

457  ◆KntgZQvT3E  2009/09/25(金) 01:00:12.65 ID:ucn6fkrt0
恐ろしいもんだ。
そして、なぜか悔しい。
かつては「賢者タイム」なんて20分で終わったもんだ。

俺と彼女は商店街を行ったり来たり。
個人経営みたいな、
こじんまりした居酒屋の明かりだけが煌煌と付いていた。

彼女「そういえばちゃんと全部返した?サドル。」

俺「返したよ。」

彼女「元の自転車のとこに返したの?」

俺「それはわからない。適当に挿してったから」

彼女「最低」

459  ◆KntgZQvT3E  2009/09/25(金) 01:08:55.65 ID:ucn6fkrt0
俺とアオがサドルの収穫を、
麻袋みたいな袋を広げて競っていた。
審査基準は数、形、持ち主の有無、持ち主の質。
そこに彼女が襲来した。
アオとケンカした、行きつけの公園だった。
「迷惑かける系」でバレた唯一の遊びだった。




461  ◆KntgZQvT3E  2009/09/25(金) 01:17:33.63 ID:ucn6fkrt0
俺は狙っていた。彼女の手を。
練っていた計画は
「まず、手を繋ぐ」
あわよくばきっすを奪いたかった。

いつも隠れている首筋、
指の間、耳たぶ、脇、へそ、
肩甲骨、内股、膝、くるぶし。

そのいずれかにきっすしたかった。


465  ◆KntgZQvT3E  2009/09/25(金) 01:26:50.93 ID:ucn6fkrt0
強引に手を握る。
なぜか俺の頭はそれしか考えていなかった。

「手でも繋いでみようぜ」

それが一番かっこいいという答えを、
当時の俺の脳みそははじき出した。

思えば高校に入ってから、
周りに誰もいない環境で会うのは久しぶりだった。

466  ◆KntgZQvT3E  2009/09/25(金) 01:33:04.58 ID:ucn6fkrt0
俺はニワトリも驚愕のチキンだった。
外車を破壊しても、
学校で爆破予告出来ても、
「やっぱ冷えるね」
なんてフラグビンビンの言葉を聞いても、
実の親を、唯一の親友を殴れる拳を持ってても、
好きなおんなのこの手のひら一つ温められなかった。


467 ローカルルール変更議論中@VIP+ 2009/09/25(金) 01:37:26.82 ID:L38LkWnki
>ニワトリも驚愕のチキン

お前やっぱすごいな
しえん

468  ◆KntgZQvT3E  2009/09/25(金) 01:46:26.07 ID:ucn6fkrt0
もうだめだった。
ちんちんが独断でバイアグラ飲んだレベル。
俺の4回のちんちん弄りは儚くも美しく無へ帰していた。

固いのなんのって、全盛期の屋敷の守備より固かったと思う。
彼女の手を握りたいんだけど、
その前にちんちん握りたかった。




469  ◆KntgZQvT3E  2009/09/25(金) 01:57:21.24 ID:ucn6fkrt0
彼女「あ、見てこれ」
  「え、なんかすごいかっこいい」

お祭りのチラシとか貼る商店街の掲示板だった。

「なんでも屋」

確実に小学生の文字だった。
いま考えると恐ろしい事この上ない。
なんかぐちゃぐちゃ能書きたれた紙。
その下に電話番号が記載されてた。

彼女「今度電話してみようよ」
  「私に見つかってよかったねこの子」
  「絶対いたずらされるもんね」ベリッ(剥がす音)

俺「いたずら…」ビンッ(さらに立つ音)

472  ◆KntgZQvT3E  2009/09/25(金) 03:28:06.09 ID:ucn6fkrt0
おはよう
みんな寝たとみた
こっから朝方が俺の勝負

彼女は深夜の商店街をえらく気に入っていた。

「動物園や水族館よりよっぽど君らしくていい」
「○○(俺)の世界を垣間みれる気がして良いね」

みたいな事を止まる事なく喋っていた。

俺は、

「空が白んで、排気ガスの匂いがし始める20分前が至高なんだ」

などとそれらしい事を供述していたものの、
脳内警察にはすでに逮捕されていた。

「殺人的な性欲による妄想猥褻物陳列罪及び名誉毀損」だ。
もちろんプレイ内容は俺が被害と言う名の快楽を受ける側だった。





474  ◆KntgZQvT3E  2009/09/25(金) 03:36:09.78 ID:ucn6fkrt0
歩き疲れたので、小さな神社に入った。
すぐ隣にベンチとちょっとした遊具があった。
ベンチに腰をかけて、自販機で飲み物を買って飲んだ。

俺と、彼女と、神様。

邪魔すんじゃねえぞ神。
賽銭?1円たりともやるかボケ。
てめえには使用後のコンドームをくれてやる。

477  ◆KntgZQvT3E  2009/09/25(金) 04:06:34.32 ID:ucn6fkrt0
そんな気持ちとは裏腹に、普段通りの会話を続けた。

「一人の神様に固執しない日本人と、島国という環境の因果関係」
「日本文化における妖怪の機能」

なんだか抽象的な、また訳の分からない持論を展開された。

俺「神社とか寺って、なんだかせいなるものを感じるよ」

彼女「そう?私はどっちかって言うと」
  「神社とかお寺って言う『建築物』がかっこよくて好き」
  「祀ってるものはなんでもいいや」
  「聖なるものかぁ……」

俺「うん、性なるもの。」
(強いて言えば背徳感、かな)

478  ◆KntgZQvT3E  2009/09/25(金) 04:21:14.81 ID:ucn6fkrt0
彼女「これさ、いつ電話する?」

俺「ん、あぁ。○○さん(彼女)が学校の日がいいんじゃないかな。」

俺と彼女は、

1・小学生がなぜ商店街の掲示板に電話番号まで貼ったのか
2・なぜ何でも屋を開業するに至ったのか

とても興味があった。
むしろ俺より彼女が食らいついていた。

この日「深夜散歩」に同行したのがアオだったら、
間違いなくこの「何でも屋さん」に
「大人の厳しさ」を叩き込み、
「社会の残酷さ」を少年の心に刻み付けたと思う。

社会も知らないし大人でもないのに。

考えるだけでゾッとする。
その200倍はウキウキする。


479  ◆KntgZQvT3E  2009/09/25(金) 04:38:56.71 ID:ucn6fkrt0
彼女が「商店街に戻ろう」と提案した。

「空が白んで、排気ガスの匂いがし始める20分前が至高なんだ」

を体験したいらしかった。
俺は猛烈に後悔した。
なぜならその言葉は、

「孤高の詩人」

を演じる為に俺の脳味噌がはじき出した、
ただの文字列だったからだ。
まさか彼女が食いついてくるなんて思わないもの。
人間だもの。


480  ◆KntgZQvT3E  2009/09/25(金) 04:52:27.73 ID:ucn6fkrt0
救いようのない病、厨二病。
それは自分を守る防衛本能であり、
唯一、自分を粉々に粉砕できる凶器。
完全にこの時、牙を剥いたよ。

「空が白んでから約20分間」

排気ガスの匂いを彼女に感じさせてはいけない。

潰すか…?奴の鼻を。否、狂気の沙汰だ。
高速で動いて彼女の周りの空気を拡散…?
排気量の多い車をどうにか……できないよ、ママ。


HEY!!運任せ!!

482  ◆KntgZQvT3E  2009/09/25(金) 05:03:20.77 ID:ucn6fkrt0
実際、そんなことを考えている場合じゃなかった。

彼女「昨日の話だけどさ」

俺「うん」
 
彼女「なんかいきなりだったし、ちょっとびっくりしたんだけど」
  「なんであんなにあぁいう話題を嫌がったのか」
  「こう、今思うとなんか別に普通の事だよね」

ちんちん(俺の出番か?)

俺(おいちょっと待て)

試合終盤、まさかのキラーパス。
忘れた頃にやってくると言うのを、
この時初めて、身を持って経験した。

483  ◆KntgZQvT3E  2009/09/25(金) 05:26:28.42 ID:ucn6fkrt0
不思議と俺は冷静だった。

俺「いやいや別になんちゅか話題づくrちゅうかそんなんだたシ」

ちんちん「え、結構興味みたいななんかそういうのあるんダ?」

俺「気にしなクていいヨなんか俺モ急に話題出して自分でもびっくりしたシ」

ちんちん「でもやっぱそういうの大切だとおもったりもするんダ?ヘヘへ」

彼女「ん〜…やっぱ謝りたくて」
  「大人げなかったかなって」

不思議と俺は冷静だった。

うん、大切な事だから二回言った。

484  ◆KntgZQvT3E  2009/09/25(金) 05:50:14.60 ID:ucn6fkrt0
突如訪れたチャンス。
高鳴リ過ぎた鼓動、北島康介の如く泳ぎ散らす目。
爆死を覚悟した。
けど人間ってよく出来てる。
あまりの非常事態に俺の焦りは消し飛んだ。

(もう手繋ぐとかきっすとか…しなくていいや)

この変わり身の術。
まさに自己防衛本能。
この瞬間の俺はジャパニーズ・ニンジャを越えた。
越え過ぎて着地する前にまきびし撒かれた。

彼女「冷静に考えて、○○はどう思う?」

これはまきびしですか?いいえ地雷です。
着地できねぇ。

485  ◆KntgZQvT3E  2009/09/25(金) 06:07:55.64 ID:ucn6fkrt0
この状況で俺は地雷をかいくぐり、
つま先で地面に立っていた。

「沈黙」だった。
「何もできない」と言う事が功を奏した。

その沈黙の間にまた俺は
(もう手繋ぐとかきっすとか…しなくていいや)
と言う思考を展開した。
冷静さを勝ち取った。

俺「いや、やっぱ俺もさ」
 「平気で人前でイチャイチャしてるカップルとか、見るのうんざりだし」
 「どうせ長く付き合ってたら、自然とそうなる訳じゃん」
 「焦る事ないっていうかさ。」

彼女「じゃあ人前でもないしキスでもしてみますか」

俺「お願いします」


487  ◆KntgZQvT3E  2009/09/25(金) 06:20:18.74 ID:ucn6fkrt0
彼女「はいオオカミさんこんばんは〜」

俺は卓球部顔負けの反射神経で頭まで下げていた。
お茶目さを演出しつつ、
にやけた顔を彼女に見られないように。

いつも彼女は一枚も二枚も上手だった。

彼女「したいことはしたいって言ってよ」
  「私は恥ずかしくて言わないけど」

なんて勝手な女だ。
思わず射精するところだったぜ。ベイビィ。

489  ◆KntgZQvT3E  2009/09/25(金) 06:38:48.72 ID:ucn6fkrt0
「と言う事で…」
と言って彼女が差し出したのは手だった。
肩甲骨でもくるぶしでもお股でもなかった。

結局その日きっすはしなかった。
むしろこの先も彼女ときっすする事は叶わなかったのだから、
これはもう大変なチキン野郎としか言いようがない。

手を繋いで商店街を歩くとき、
なぜか彼女はいつもとは違う話をした。



490  ◆KntgZQvT3E  2009/09/25(金) 06:51:24.88 ID:ucn6fkrt0
「過剰な豊かさはいらない」
そのくせ住む家にはどうしてもグランドピアノが置きたいらしい。

俺「どんな職種なら買えるんだろうね」

彼女「相手が君ならオルガンまで妥協するよ」

将来の事など一切、考えもせず話もしなかった。
正直、嬉しすぎた。
同時に大リーグのマウンドに立つ程の重圧だった。





492  ◆KntgZQvT3E  2009/09/25(金) 07:06:21.16 ID:ucn6fkrt0
彼女とする「将来の話」は俺にとって、
観客席でヤジを飛ばしてる俺が野村監督に、

「お前次の回投げろ」

と言われて9回裏のマウンドに駆り出されるようなもんだった。

その日、俺と彼女は商店街が賑わい出しても手を繋いでた。
排気ガスの匂いはちっとも気になんなかった。
ちなみにこの日、
俺のカウパーは人生史上最高の降汁量を観測した。






503 ローカルルール変更議論中@VIP+[sage] 2009/09/25(金) 22:59:20.44 ID:QnkMw7J40
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     l:::::f´j  ,, ヒノ   ヒノ ,ハ:}| < 支 >
     丶へ.   rv―、__'  |   < 援 >
∧∧∧∧  レ'ム{      ノ ノ   < は >
      >x┴―≧ェ一 '´     < す >
 し ち  >----'´  \      < る >
 ま ん  >/  /    |      < ! >
 え こ  >'  /    |      <    > 
  !!!    >  、{     |       ∨∨∨

504 アナちゃんが至高 ◆KntgZQvT3E  2009/09/25(金) 23:29:38.08 ID:vyvjHXcV0
オーケイ、ちぃ。ちんちんしまったよ。
だからもっと罵倒してよ。ね?

じゃ、続ける

童貞の「絶頂」なんてこんなもんだ。
手を繋ぐだけで射精レベルのカウパーにパンツは浸食される。
俺は興奮冷めやらぬまま帰宅した。

俺のズリネタはこれまでの語りからわかるように、
「イマジネーション」一択。

「イマジネーションオナニスト・オブ・ザ・イヤー」

俺「視覚に頼り切ったちんちん弄りは」
 「つまりは性欲減退の第一歩だよ、アオくん」

アオ「仏像をイメージしても精子は出るが」
  「極楽浄土には到達できないのだよ」

早漏の彼を極楽浄土に導くのは、
仏陀でもキリストでもなく、熟女デブ専でしかあり得ないようだった。







505 アナちゃんが至高 ◆KntgZQvT3E  2009/09/25(金) 23:47:43.98 ID:vyvjHXcV0
性欲で恐ろしいのは「慣れ」だ。
そして一番の感動に導くのも「慣れ」だ。

AVをぶっ続けで見ていると、
女子の肌もおっぱいもお股も肩甲骨も
「人の一部」としか見えなくなる。
それに慣れてしまうとちんちん弄りが物足りなくなる。

末期になると確実に女子の肌の触感をイメージ出来るようになる。
そして廃人駅の一歩手前に差し掛かると、
二次元の「清潔感」の虜になる。
廃人にとっては「人間」が恐ろしく汚いものに見える。

DQN→オタ
リア充→オタ
のプロセスを経験した人間なら分かるかもしれない。

そして実際の女子の肌を触ってみると、
これはびっくり、今までの「慣れ」はひっくり返る。
一流シェフのオムライスは表面が焼けても中は半生。

噛んで初めて「とろみ」に気付き驚愕する。
その旨さに。

いけない、取り乱した。
俺とした事が。







506  ◆KntgZQvT3E  2009/09/25(金) 23:57:24.00 ID:vyvjHXcV0
俺は「イマジネーション」すら超越していた。
リアルな感覚を求めていた。

そこで俺が行き着いたのは「音声」。
高音質のヘッドフォンとかそんなんじゃない。

自ら声を出す。

それはリアルにより近づこうとする意志。

「あぁ…○○さん(彼女)……」
「痛いです…もっと…もっと捻ってください…」
「取れちゃいます…それ以上は取れちゃいます……!!!!」
(アイマスク着用済み)

ガチャ

母「ただいま!!返事くらいしなさ…い…よ」

ガチャ




508  ◆KntgZQvT3E  2009/09/26(土) 00:14:05.20 ID:3DG60DUA0
俺は動揺した。
仕事は?ねえ仕事は?
面白い事に、こういった修羅場で出てくるのは、
「独り言」だった。

「え、どうすんの」
「まじ帰ってくるとかないっしょ……へへ…」
「ちょっと待って逃げ場とかないし」

こんな感じで普通に小さい声で喋った。
「俺の中の同情してくれる人」
に喋りかけていたんだと思う。

母「ちょっとどこ行くの!お昼ご飯は!!」
配給を断っていたお昼ご飯。

俺を引き止めるにはあまりに軽い優しさだった。



509 ローカルルール変更議論中@VIP+ 2009/09/26(土) 00:14:49.97 ID:eAf6yVljO
やっちまったなぁ

510 ローカルルール変更議論中@VIP+ 2009/09/26(土) 00:18:32.29 ID:ycjCt+y70
誰か漫画化しろww