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 トルクメニスタンには緋色の絨毯があります。
 羊毛糸ですが高級品では有りません。

 其処に膝をつけて擦るとドウナルカ。
 何でそんな事するんだって? 
 good question それを之から話しましょう。

 
 トルクメニスタンの首都アシュハバード
 旧ソビエト連邦、住民は白系ロシア人です。

 透き通るような蒼に近い白い肌、20代までの女性は超美人です。
 シェラトンホテルに一泊し近くのディスコに踊りに行きました。
 お店の名前は忘れましたがホテルから100mの距離です。

 PM10時頃から始まり12時を過ぎ
 周りのロシア人とも仲良くなり友人は一人増え2人増え

 自称エジプト人の髭のお兄ちゃんとも片言の英語で仲良くなりました。
 彼の紹介で30代前後のロシア人の姉妹とも友達に成りました。

 それがナターシャでした。

 僕は個人的にはお姉さんに好感を持ったのですが
 妹のナターシャは僕に興味を持って呉れたようでした。


 AM1時に成り2時を過ぎ 夜はエンドレスです。
 楽しかったーー。お姉さんとチークダンス。
 妹とジルバ。
 エジプト人と踊りを競い

 友達も沢山出来て朝も4時に成りました。
 ナターシャがそっと僕に聞きました「貴方ホモなの?」 
 エッなんで 「だってエジプト人さっきから貴方の事ジット視ているわ」

 ウンッ?  ワッ 本当です
 髭のエジプト人は僕に熱い視線を送っていました。 
 僕はノーマルです。 本当です。 

 時々誤解されるけど 本当です 信じて呉れよー!


 僕達は店を出てタクシーに分乗し姉妹の家に向いました。
 僕はナターシャと乗り
 エジプト人と彼の友達はお姉さんのタクシーに乗り込みました。

 ヨカッタ エジプト人と別れられて! 
 未だ暗いアシュハバードの街には彼方此方に屋台のチキン屋や
 ケバブ屋や諸々の食べ物屋が店を出し

 結構、車を停めて人で賑わっています。
 僕達も車を停め朝食を買う事にしました。
 エジプト人がチキンを奢って呉れました。

 お姉さんは僕の傍に来て
 「ナターシャは小さい時から私の側に付いて来て、とても可愛い妹なの
 大事にしてアゲテネ」と言いました。

 あー良いお姉さんだな やっぱり
 僕はお姉さんが良いなと思いながら OK と笑って肯き
 僕はナターシャとタクシーに乗り彼女のアパートへと走り出しました。

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 ロシアの労働者住宅は
 モスクワでもウラジオストクでも中央アジアでも同じ造りです。

 5階建ての住宅にエレベーターはマズ有りません。
 3m程の広い階段を上がって行くとカランカランと靴音が響き
 各階毎に電球は切れています。

 その暗い階段の遊び場には
 洗濯機や子供の遊び道具がダラシナク置いて有り
 廊下で近隣の住民に逢う事はマズ有りません。

 階段の各段は10cm程で低く
 セメントの材質も酷いものです。

 壁はベニヤが多く、壁に直接ペンキを塗っています。
 トイレ等水周りも貧弱で部屋は3部屋程が多いみたいです。

 僕は車を降りるときタクシーの運転手に
 6時に此の場所まで迎えに来て呉れるよう頼み
 チップを渡しました。


 ナターシャの部屋に入ると靴を脱ぎ
 トイレを借りると其処はバスルーム。

 湯船には水が張ってあり
 5〜6ヶのバケツや洗面器にも水が入れて有りました。

 何でこんな事するのと聞くと「毎日、長時間の断水があるの! 
 東京はそう云う事はないの?」と聞かれました。


 彼女の机の上には博物館行きの
 古いパソコンがセットで置いてありました。
 仕事は病院に勤めているが看護婦では無いと言います。

 テーブルの上には可也大きなラジカセが置いて有り
 多分之が彼女の一番の財産なのでしょう。

 電気を消してラジカセをつけ
 ナターシャのお気に入りのカセットをいれます。
 音と共にラジカセの明かりが踊るように明るさを変えます。

 
 そこで僕たちは服を脱ぎました。
 蒼いような白いナターシャの縊れた腰の後ろには
 赤い緋色のトルクメニスタン特産の絨毯が敷いて有りました。

 アフガニスタンを含む此の地域は

 緋色に黒の模様が織り込んだ絨毯が特徴です。
 荒い織りの絨毯に素の両膝を突くと
 生地の糸が膝に刺さり込んできました。


 僕のみぎ手の指が彼女の肌の上を走ると
 じょじょに身体は火照りだし
 うめきにも似た声が流れだしました。

 ヴァイオリンを奏でるように
 ひだり手は彼女の膝を包みます。

 ラジカセの揺れる明かり流れ出す中央アジアの民族音楽
 バラライカの響き、緋色の絨毯
 蒼く白いナターシャの小さな肩。

 耳に唇を這わせ軽く歯を併せると
 揺れる伸びた透けるような肢体。

 僕たちは永く唇を逢わせ
 お互いの心と身体を信じ始めていました。


 ナターシャは僕の額に手を添えやがて肘を首の後ろに廻すと
 僕の身体に乗り上げて来ました。

 そして一口二口、熱くリズムを刻むように唇にチカラをいれて
 僕の唇を貪り吸いだした其の瞬間。 

 アツッー!  顔に激痛が走りました。 
 エッ エッーえっー。 

 僕の唇から熱い鉄分を含んだ液体が 
 急いで唇に手を沿えると 真っ赤な血が! 
 ナターシャの唇には僕の血が! 

 僕は思わず叫んだ  I’m not your tomato! 
 そうナターシャはサドだったのです。

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 軽く噛むのは分かります。
 でも噛み切るのはルール違反です。
 ベーコンでも噛み切れる強さでした。

 彼女にはリズムが有って、ワン・ツー・スリーで来るのです。
 ワン・ツーを確認してスリーで身体を替わすのですが

 其れでも被害は拡大し熱と痛みで気が遠く成り始めました。
 30分程逃げ廻ったとき
 階下の庭で車のクラクションが大きく2回響きました。


 6時に向かえに来るように頼んだタクシーの運転手です。
 少し早いが助かった。

 僕は彼女に迎えの車の事を話し
 早業で服を纏いドア際で彼女の肩を抱き。
 頬に早業でキスを済ませると礼を言い、階段を駆け降りました。

 ナターシャは何度も・何度も「また来てね!」と言いました。
 僕はニッコリ笑い、「また来るよ」と手を振りました。

 でも階段を駆け降りながら
 『もう絶対来るもんか!ゼッタイに絶対に!』と
 堅く心に決めました。

 アパートの階段の出入り口に来ると外の朝日が見え
 昨晩のタクシー運転手の顔を確認すると
 急に安堵感に包まれました。


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(レストランスタッフ  トルクメニスタンはロシア系美人が多い)

 シェラトンホテルへと行き先を告げ、部屋に着いたのが7時。
 朝食を済ませ出発は8時30分の予定です。

 急いでバスルームに駆け込み
 シャワーを浴びようと服を脱ぎ、鏡に向って自分の身体を見ると
 ナッナント。

 脇の下から腕、胸、腰、背中まで
 20ヶ所以上の噛み傷が顕わに溢れ
 歯型と血が滲み出て

 脱ぎ捨てたシャツには血がべっとり付き
 唇は勿論腫上がって居りました。

 タスカッター 此の時の僕の正直な感想です。
 其れからは消毒を込め石鹸を身体にタップ塗り
 傷を抑えてタオルで拭き取り

 8時30分の出発時間に間に合わせました。


 バスがホテルのエントランスを離れ
 昨晩のディスコの前を通り
 国境に向かいアシュハバードの街の中を駈け抜ける時。

 ナターシャとエジプト人とお姉さんや
 ディスコで踊った友達やタクシーの運転手と
 夜中の街角に居たチキン屋のオジサンやお客や
 食べ物屋の臭い。

 アパートの階段で響いた足音や朝日の輝き
 ラジカセの踊るような明かり、緋色の絨毯
 ナターシャの蒼く白い肢体
 タクシーのクラクション。


 バスルームでの傷だらけの僕の身体

 朝食のビュフェットは
 つい数時間前のドラマのような本当の事だったのだろうかと。

 何時までも手を振るナターシャの心配そうな姿

 建設途中のアシュハバードの街は土埃が舞い
 バスは国境に向って町から離れて行ったのでした。

    さようならアシュハバード


 
       さようならエジプト人 思い出をありがとう。

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(このブログ記事は一部、他の記事と重複しています)