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 B-CASカードを発行・管理しているのは、ビーエス・コンディショナルアクセスシステムズ(B-CAS社)。 出資者は、NHK、民放BS各社、WOWOW、スター・チャンネル、東芝、パナソニック、日立、NTT東日本とあります。社名や出資者からも分かるように、もともとは、BSデジタル有料放送(限定受信、受信者が限定されているという意味だそうですが、一般的でなく分かりにくい表現ですね)に関する業務を行う会社でした。また、BSデジタル放送は、全て有料放送とする予定で、B-CASカードはその顧客管理のためのものだったようです。
 会社設立は、NHKが中心となり、出資目的は「メッセージ表示」機能の実現だったようです。「メッセージ表示」とは受信を開始して、30日経つと画面に表示される例の「お知らせ」です。画面中央部に表示され、とても目障りなものです。消去するためには、名前、住所、カード番号を連絡しなければならず、連絡すると後日、「契約のお願い」にNHKの人がやって来るという厄介な代物で、大抵の人は降参してしまうでしょう。
 WOWOW、スター・チャンネルは、有料放送ですから、専用のデコーダー配布の手間が省けるという利点がありました。
 一方、民放BS各社は全くの出資損となってしまいました。今もって有料化の目途が立たず、将来もその可能性がないからです。


  では、もともと有料放送のためのものであったB-CASカードが、なぜ無料放送である地上デジタルにも導入されたのでしょうか。
 それは、BSデジタル開局特別番組のデジタル海賊版販売で逮捕者が出たことから、「2003年12月の地上デジタル放送開始を前に,地上デジタル放送においても抑止手段としてのコピー制御をやらざるを得ないと。その方法として放送信号を暗号化して何らかの鍵で解く,という技術的ルーチンができあがっていました。そして,すでに200万台程度普及していたBSデジタル受信機を含めてデジタル放送のコピー制御システムを適応するためのベストな方策として,B-CASカードを鍵として利用することになったのです。」ということです。(ITproB-CAS社の透明化に努めますから)
 つまり、NHKはともかく、WOWOW、スター・チャンネルは、有料放送だから、放送信号を暗号化して何らかの鍵で解く、という機能が、B-CASカードに組み込まれていた。それを、利用するのが手っ取り早い。しかも、すでに普及していたBSデジタル受信機は、地上デジタル受信もできるようになっているから、従来のB-CASカードもそのまま使える、というのが理由のようです。
 ただ、B-CAS利用以外に選択の余地はなかったのか、という疑問が生じますが、「すでに出荷された受信機をコピー制御の対象外とするか,または鍵を持たない受信機として利用をやめてもらうか,あるいはコピー制御自体を投げ出すかなど,選択肢はありました。その中でのベストな判断であったと考えています」(ITproB-CAS社の透明化に努めますから)ということです。つまり、すでに出荷された受信機に、後から対策を施すとすれば、放送波を通じて、B-CASカードのデータを書き換えるという手段しかなかったということのようです。ただ、コピー制御をB-CASカードのデータの書き換えだけで行うというのは、極めて困難で複雑な作業であり、出来上がったシステムもとてつもなく使い勝手の悪いものになるのは、容易に想像が付きます。しかも、コピー制御もフリーオによって、簡単に突破されてしまったのですから、全ユーザーに無駄な出資と不便をもたらしただけと言うことさえできます。「コピー制御自体を投げ出す」という選択も十分有り得たと思われます。
  では、なぜ無理を承知で突っ走ったのか、そこには例えば、ハリウッドの圧力などがあったのではないかという疑問が生じますが、それについては、「NHKには『ハイビジョン画質の作品をコピーフリーで提供することはできない』という話はありましたが,圧力というものではありません。きっかけは,あくまで開局特番時の海賊版販売で逮捕者が出たことによるものです」(ITproB-CAS社の透明化に努めますから)ということです。 
 それでは、今後、B-CASシステムはどうなっていくのか、地上デジタルにも「メッセージ表示」を行うのではないかが気になりますが、その可能性は薄いのではないかと思われます。スクランブルをかけないまでも、「メッセージ表示」により登録を強制するのは、公共放送の建前から、やはり好ましくないでしょう。それに、発行されているB-CASカードの圧倒的多数が、3波共用カードであるという現状からは、あえて、地上デジタルに「メッセージ表示」を行う必要がないともいえます。地上デジタル専用テレビは、2台目、3台目のテレビであり、すでに契約済みの家庭が圧倒的に多いと予想されるからです。B-CAS社が、地上デジタル専用機向けB-CASカードのユーザー登録制度を3月いっぱいで廃止すると言うのもそのような事情からと推測されます。