伊豆在住の二輪ジャーナリストである、『KAZU中西』さんが、WEB Mr.Bikeで「伊豆スカイラインライダー事故ゼロ作戦の開催」について書かれたのは、もうかなり前になる。

『KAZU中西「伊豆スカ事故ゼロ小隊」奮闘記』その1
『KAZU中西「伊豆スカ事故ゼロ小隊」奮闘記』その2
『KAZU中西「伊豆スカ事故ゼロ小隊」奮闘記』その3

このころ、特に2009年においては、「静岡県内の二輪車死亡事故の約8割が伊豆スカイライン内で起きた」という尋常じゃない事故数。
そして、これらバイクの重大事故多発に対して静岡県警本部は「二輪車は通行禁止」の検討を始めた。

当時の資料では、「事故の当事者」は、「暴走行為に興じる若者」ではない。
年齢的に30代以上で、特に40代〜50代の「大人」達。
しかも、それが「地元のライダー」というわけではなく、その大半が「静岡県以外の他県ライダー」。

要するに、「金と余暇にバイクに乗り始めたリターンライダーのオッサン達が、連んで休みの日にバイクに乗りにきて、テクニックも無ければ公徳心もないままに、調子ぶっこいて危険走行をし、結果、事故をやらかした」というのが実態。

それでも、「通行禁止策は問題となっているライダーが他の地域に移るだけで、根本的な解決策ではない。ライダーの安全運転意識に問いかけることで事故を防げないだろうか」の発案を起点に、「伊豆スカイラインライダー事故ゼロ作戦」が開始された。

「ビラ配り」「声かけ」「巡回視察」だけではなく「ライダーの転倒」や、「実際の事故」に遭遇した時には際には警察と協力して対処など、それらを「ボランティア」として行ってきた。

これらの活動が功を奏して、一時は事故件数も減少していった様に見えた・・・・
しかし時が経つにつれ、状況は逆戻り。

静岡県警もたびたび取締り方法を変えながら摘発を試みたが、時間が経てば「摘発と危険暴走はいたちごっこ」となり、結局「安全運転と事故撲滅に繋がる有効な手立て」が無くなってきた。
覆面車両や白バイによる摘発に力を入れるが・・なかなか現行犯での摘発には限界があり、「煽り運転」もなくならなければ、「スピード超過での車線はみ出し」もなくならない。

ボランティが手渡す「交通安全と事故防止」を促すビラ手に取ったかと思えば突き返し、「放っておいてくれ」「他にやることあるだろ?」の悪態まで突く始末。
こうなると「ライダーとしての資質」や「人格」を疑わざるを得ない。「捕まらなければ」「転倒しなければ」「自分には関係ない」という輩が圧倒的なのだ。

別方面からの抑制策として、、静岡県道路公社は、「通行料金は一回片道限り有効」を打ち出し、”反復”走行暴走族に対抗するが・・・それでもなくならない。


では「二輪の暴走に伴い発生する事故を未然に防ぐための一番簡単で、確実な方法」は何か?

・・・ということから「二輪車通行規制」が再浮上してきたわけである。

人間というのは、「 何かショックを受けるような厳しい事態」や「大きな変化」に遭遇した場合、その時は「反省と今後の対処」をしっかりと心に刻みつける。

そして、その時点から、さらに決意新たに「風化させてはならない」あるいは「もっと良い状態へ」と思う人もいる。
しかし時間とともに「喉元過ぎれば・・」と”風化”させていってしまう人もいる。
人によってそれぞれの感性を持ち合わせている。

しかし、「役所」や「組織」、そして「世の中」は、そんな甘い感性など「クソ食らえ!」だ。

「事故が絶えない」→「対策をした」→「改善されない」→「対策を変える」・・・これが当たり前。
いつまでも「摘発と危険暴走はいたちごっこ」では許されない。

くどいようだが、もともと最初から「二輪通行禁止が一番手っ取り早い『二輪事故撲滅対策』として最大限の有効な方法」だったわけだ。

そして、そこは道路を管理する側が「四角四面の行政ではなく、猶予を与えてくれていた」わけで・・。

しかし、これで「猶予を与えたことが、新たな死亡事故に繋がった」と評価される事になった。


俺だって、普段、特に仕事や企業のあり方として、「資本主義経済における最低限の原則=個人も組織も利益や経済力が無しでは、道徳的ではない」ということは理解している。
だから、「儲からないけど続ける」「結果は出ないけど続ける」なんてしない。「プロセス」はどうでもいい。「結果」が全てだ。結果が出なければ企業は倒産し、個人は路頭に迷う。だから、スパッとダメなことは切り捨てる。そして新しい「対策」を行う。
こんなことは、多分、事業経営者なら皆、そう言う決断をするだろうし、会社員でも責任の有る立場ににいる人、また新入社員だって「経営者意識」のある人ら理解していることだ。
その見地に立てば「最初から最大限の結果を得られる方法を採れよ」と思うはず。


今の伊豆スカイラインにおいては、その「結果」として「二輪事故撲滅」が得られないのだ。

利用してるFBにも、不正行為について「ちょっと位はあたりまえ」とか「人に迷惑掛けなければ」とか「空いていて安全だから」とか「自分で安全と判断したので」とか・・・

まったく世の中に通用しない、現実を全く理解していない、まるで小学生のようなコメントを書く者が多い。
伊豆スカイラインの一部のライダーと同じだ。そして、その先まっているのは・・・

自分たちが「好きで走っている」のではなく、「走ることを許されている」という事にいい加減、気がつかないと・・サーキットだって、死亡事故ばかりなら、閉鎖されるのだ。

一般道なら、もっともっと簡単に「二輪通行規制」が出来るのだ。
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伊豆スカイラインを我が物顔で走るライダーはもちろんだが、私のいる大阪も実は同じ。
交通安全に興味関心のない、オッサンライダーには、実感がわかないかもしれないが・・・


実は伊豆スカイラインの問題は、他人事でも対岸の火事でも無い。

伊豆スカイラインが「二輪車通行規制」を導入したら、今度は『ゲートが無い西伊豆スカイライン(天城高原道路)』にライダーは必然的になだれ込む。

「道志みち」や「奥多摩周遊路」、「椿ライン」などにも分散さる。

軒並み『全ての峠道に二輪車通行規制を設置』するか、逆に『全ての峠道を通行止めにする』か。

1980年代に『二つ以上コーナーが続く道』で暴れた世代が、またぞろ『同じ問題』を繰り返す。

さらには、そこに『ニューカマー(新世代)』も加わっているのが現状。

個々の『二輪利用者』がこの問題を『自分を含めた社会問題』と意識しないと、解決への道のりは『程遠い』。

(伊豆スカイラインが二輪通行規制の適用を受けないように活動している関係者の談話)


実際のところ、過去に「同じ失敗を繰り返した大阪府下」では、現在こうなっている。
全国に「二輪通行規制道路」が700か所あるだけでも驚愕するが、なんと「大阪府」だけで「150か所」近くあるのだ。

二輪車通行規制区間情報
https://www.jmpsa.or.jp/society/roadinfo/

大阪府に次ぐのが「兵庫県」で40か所。やはり、バイクで走って楽しい場所だった。

ちなみに・・・京都府全域では4か所、滋賀県全域で5か所、奈良県全域で8か所、和歌山県全域で1か所。
もちろん、「多くの人が住んでいる場所」と「人が住んでいない場所」の差はあるにしても、単純に「暴走行為を繰り返すバイク」が多いところでこうなっているのだ。

今一度、読み直してほしいが、これはローリング族、改造車など、割合クローズアップされることの多い「自動車」の通行規制ではない。あくまでも・・・「二輪車」の通行規制なのだ。


KAZU中西さん福田さんのように、交通安全の啓蒙活動をしていると、必ず「綺麗事を言うな」というコメントが来る。もちろん俺にも来る。。

影響力のある人や、現役のライダー、そして大勢のメンバーがいるクラブの主催者からの誹謗中傷もある。

その結果もしも・・・
「誰一人として交通安全を唱えなくなったら・・」・・・を想像してみて欲しい。

世の中は「安全意識の無い者」と、「自分としては交通安全意識はある」という「傍観する人だけの世界」になってしまいます。

そして、事故を起こす人は必ず、その中から生まれる。

だから、一人でも多くの人が、交通安全や、交通ルールの遵守について「綺麗事を吐き、そして実行する」必要が有ると思う。

その人が傍観者から、「交通安全を声に出す」こと、「交通安全のために行動する・発信する」ことによって、少なくとも「その人自身が事故る確率」は一気に下がる。
そして、「発信された情報」を聞いて、「気づき」をする人が、また一人増える。その人も同じようにしてくれたら・・・

ゲティスバーグの演説を引用すれば、「ライダーの、ライダーによる、ライダーのための、交通安全啓蒙活動」というところだろうか。

簡単に言えば「ライダーによる、ライダーの監視」こそが・・・理想かも。


最後に、今回の伊豆スカイライン事故のあとの「関係者」による緊急会議での「監督者側」の言葉を引用して・・・

「ここまで多くの方々に協力いただき安全運転の啓蒙啓発活動をやり、悪質ライダーの取締りもやってきましたが、それでもこのように今年も事故、事故、事故・・・。しかも、よく走りに来ているグループが事故を起こしてしまうわけでしょ?もう、バイクは来ないでもらいたいということを言わざるを得ない段階に来たのかなと思います。どう思います?」