2017年11月15日

人生初 デヴィッド・ボウイの全作品を聴き魅力を理解

人生52年、ようやくデヴィッド・ボウイが尊敬を集めるミュージシャンだいうことに納得が行きました。
今の今まで、嫌いなミュージシャンでした。

私がデヴィッドを最初に聴いたのは1979年。当時14歳でビートルズやウイングスを中心に洋楽ファンだった私は、音楽の幅を広げたいという思いに燃えていました。そんな中、雑誌かFMラジオでデヴィッドの存在を知り、「そんなに凄いアーティストなら聴くべし」と思い、レコード屋で買ったのが当時の最新作「ロジャー」でした。

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この作品、エスニックリズムを取り入れた冒険作で中学生に理解できる世界ではなかったです。



 

このアルバムで私は「デヴィッド・ボウイはヘンな奴として人気があるだけ」と思い、心のシャッターを閉じました。

次に彼の曲を聴いたのは1983年。誰もが知っているヒット作、Let’s Danceです。

 

当時私はプログレ至上主義派の最前線に立っていて、大衆音楽を軽蔑していたので、ポップなデヴィッドの存在を嫌悪しました。彼の仰々しい歌い方も嫌いでした。

そして、1997年。雑誌で見た「アースリング」のジャケット。
とてもカッコよく、中身もカッコいい曲が収録されている直感がしたので聴いてみました。

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ダメでした…
打ち込み風の軽薄なドラム。相変わらず仰々しい声。「やっぱり無理…」と思いました。



月日は流れ、2016年1月を迎えました。 
新作「ブラックスター」の発売のニュースを見ても「ふーーん、そうなんだ」と思うくらいでしたが、その2日後の死去のニュースには驚きました。 
多くのミュージシャンが彼を追悼するコメントを出すのを見て、「食わず嫌いではなかったのか? 真のデヴィッドの魅力を知らないだけではないのか?」という気持ちになり、彼の傑作と言われる「ジギースターダスト」をApple Musicで聴いてみました。
ガンガンなロック世界が展開されていると期待したのですが、オープニングのFive Yearsはおとなしめで、その後も惹きつけられる曲がなく「傑作でこの程度なら、やっぱり自分には合わない」とデヴィッド封印を続けました。



そして、先月。
ふいに「新しい音楽に出会いたい」と思い、何かないかと考えたところデヴィッドが頭によぎり、ダメもとで聴いてみるかと思って、ジャケットがカッコよい「世界を売った男」を聴いてみました。

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それが大当たり。



トニー・ヴィスコンティが弾く、唸るようなベースラインのカッコよさ、ストレートなデヴィッドの歌い方に、ビビビッと来ました。
次の「ハンキー・ドリー」も地味ながら味を感じたし、「アラジン・セイン」の豪華絢爛なサウンドには惹きこまれました。



「こ、これがデヴィッドの魅力なのか!?」と思うとさらに極めたくなり、一気にラストまで聴いていくことを決意しました。

アメリカ時代、ベルリン時代、大衆音楽時代、彷徨い時代、エレクトロ時代など、常に新しい世界に挑戦していく姿には感銘しました。
それと同時に私を「デヴィッド嫌悪の道」に誘った「ロジャー」と「アースリング」が最底辺レベルだったことに気づき、ハズレくじを引いてしまったためにデヴィッドの魅力を知らずに40年近く過ごしていたことにやるせなさを感じました。

せっかく全スタジオアルバムを集中して聴いたので、彼のアルバムを紹介するサイトを書き込みました。
私みたいにハズレ作品を買ってしまったがために人生を損する人が少しでも減れば嬉しいです。



 

rock70s at 22:43|PermalinkComments(0) デヴィッド・ボウイ 

2017年11月03日

ピンク・フロイド おせっかい カバーアート秘話

いよいよ11月1日、ソニー・ミュージック入魂のピンク・フロイド紙ジャケ発売が発動しました。
まず出たのは「夜明けの口笛吹き」から「狂気」。LP時代に東芝EMIで発売されていたものです。LPがCBSソニーから発売されていた「炎」以降は22日に発売です。

「狂気」までのカバーアートで私が一番印象に残っているのが「おせっかい」です。
最初見た時、何が映っているのか全くわかりませんでした。

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レコード屋で手に取るものの「もしかしたら卑猥な物体で、家に持ち帰ったら親に怒られるかもしれない」と思い、当時高校1年生だった私はなかなか買う決心がつきませんでした。
上下ひっくり返してみて「鼻だ! これなら大丈夫」と一瞬思ったものの、影のつき方がヘン。

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裏面を見ても困惑は深まるばかり。

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悶々としながら他のアルバムを買い進めていくも、「Echoesは大傑作だ」という情報に強く後ろ髪を引かれ続け、とうとう我慢の限界を超え、親に怒られるのを覚悟で買いました。

疑問はゲートホールドのジャケットを開いた瞬間に一気に解けました。

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まさかの「耳」。こんなもののために数ヶ月間も悩んでいたことに落胆しました。
一旦わかってしまうと、このトリックプレイ的なアイディアに感心しました。

プールに頭を入れて、何か物体を水に落として波紋を起こしたように見え、撮影が大変だっただろうと思いました。
しかし、真実は違いました。
ヒプノシスの中核人物ストーム・ソーガソンによるピンク・フロイドのカバーアート解説本によると、ボブ・ドーリングというカメラマンが撮影していた耳のアップ写真と波紋の写真を重ねただけとのこと。

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カバーアートに、波紋を起こしたはずの物体が写っていないので長年疑問に思っていましたが、納得できました。

ストームは「このカバーアートの出来はイマイチ。音楽の完成度の高さと不釣り合い」だとずーーと気になっていました。1993年にピンク・フロイドのアルバムがリマスター&パッケージ一新されることになった際、作業をやり直すことを決め、もともとの二枚の写真をコンピュータに取り込み、レタッチソフトを駆使して色やコントラストを強調して仕上げました。

リマスター盤のブクレットに、波紋と他の物体を重ねた写真が載っているのを見て「波紋をうまく再現できたものだ」と感心しましたが、波紋写真が独立していたので何の苦労もなかったでしょう。

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なお、ウィキペディアには「音波で波状が立った水に映った耳」と書いてありますが間違った情報なのでそのうち修正しておきます。






 

rock70s at 23:38|PermalinkComments(0) ピンク・フロイド