2017年05月16日

スティーヴン・ウィルソンの新作をインスパイアしたアルバムとは

スティーヴン・ウィルソンの新アルバムTo The Boneが8月に発売されることが発表されました。

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プレスリリースによるとこのアルバムは、彼が少年時代に聴いた野心的なプログレポップアルバムからインスパイアされたものだそうです。事例として彼があげたアルバムは以下のとおり。

ケイト・ブッシュ「愛のかたち」】

1985年リリース。当時スティーヴンは18歳。

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このアルバムには想い出があります。大学生のころ、地元長崎から博多か熊本に遊びに行った際に立ち寄ったレコード屋でRunning Up HillとCloudbustingのLPサイズのシングル盤を買って、「フルアルバムになったらどんな出来なのか?」と胸を膨らませました。LPレコードのA面はピンとくる曲が少なく感じたものの、B面の組曲The Ninth Waveはケイト史上最強のプログレで圧倒されました。
前作の「ドリーミング」が奇天烈すぎてケイトは危ない世界に飛んでいってしまうのではないかと心配していたので、優雅さを感じるアルバムにほっとした記憶があります。
今回スティーヴンがプログレポップと言っているからにはA面にインスパイアされたのかな。A面ではCloudbustingが絶品です。




ピーター・ガブリエル「So」】

1986年にリリース。大ヒット曲Sledgehammerを含むアルバム。

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大学生になってから私はジェネシスを聴き始めたので、この作品が初めてリアルタイムで買ったピーターのLPでした。
彼が企画したワールドミュージックの音楽フェスWOMADが興行的に失敗して多額の借金を抱えてしまったので、「売れるアルバムを作らんばいかん」という心境になってポップな曲を含んだアルバムを作ったとのこと。
SledgehammerやBig Timeはド派手なポップ曲ですが、それ以外は怪しげ系やエスニック系があって全体的にはプログレ風で気に入っています。
緊張感たっぷりのRed Rainにスティーヴンはインスパイアされたかな?



このアルバムの目玉はピーターとケイトがデュエットしたDon't Give Up。



曲も声もビジュアルも美しくってたまりません。「あきらめないで!」「友達がいるじゃない」「私達もいるわ」というケイトの言葉に何度励まされたことか。
今回スティーヴンはTo The Boneからの一発目のフル発表に女性ボーカリストの二ネット・タイェブとのデュエット曲Pariahを投入発表しました。Don'tの世界を描いてみようと思ったのかも。


【ティアーズ・フォー・ティアーズ「シーズ・オブ・ラヴ」】

1989年リリース。

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当時、このデュオの存在は知っていましたがプログレ少年の私は関心が湧かず無視してきました。
しかし、ラジオかMTVでSowing the Seeds of Loveを聴いて、曲の目まぐるしい展開に圧倒されて「これはほってはおけない!」と思い、CDショップに駆けつけました。



プログレ的な曲はこれだけでしたが、女性ジャズボーカリストをゲストに迎えた曲には心を打たれ、好きなアルバムです。
Pariahでもこの曲を意識したか?




【トーク・トーク「カラー・オブ・スプリング」】

1986年リリース。

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存在すら知らなかったバンドです。Wikiによるとデビュー当時はデュラン・デュラン系のサウンドだったけどこのアルバムでは脱シンセポップしたそうです。
スティーヴンお勧め作品を聴いていなかったことが悔しくなり、Apple Musicで調べたら出てきました。
一曲目はSEや子供の歌声が入りプログレポップと呼べ、ラストの8分曲はエジプトでの儀式のような女性コーラスが怪しげ感をもたらしていますが、それ以外は淡々としていてさほどのことはなかったです。





 

スティーヴンのソロは、1作目はダークで特に盛り上がりなく時が流れ、2作目は幻想的世界が描かれ、3枚目は70年代感たっぷりのド派手なプログレ世界が展開し、4作目はシンフォニックさとエレクトロさが共存した世界となり、アルバムによって表情が変わります。「同じことの繰り返しなんてやりたくはないぜ」感が伝わってきます。新作でどんなサウンドを聴かせてくれるか楽しみです。






 

rock70s at 21:26|PermalinkComments(0)TrackBack(0) スティーブン・ウィルソン 

2017年05月09日

ニック・ベッグス 驚きの連発

ニック・ベッグスを中心に結成されたプログレ・トリオ、ザ・ミュート・ゴッズの新作Tardigrades Will Inherit the Earthを聴きました。

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ニックは昨年のスティーヴ・ハケットの日本公演でベーシストとして来日してズズンとしたプレイを聴かせてくれました。その際に荘厳なキーボードを鳴らしたロジャー・キング、復活U.K.で迫力満点のドラムで客を圧倒したマルコ・ミネマンの3人でザ・ミュート・ゴッズは編成されています。

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左からロジャー、マルコ、ニック

百戦錬磨の職人の集まりだけに、一辺倒ではなくハード系プログレからポップ、荘厳シンフォからシンプルという幅の広い曲が収録されており、聴いていて新鮮味の連発で飽きが来ないです。





さて、ニックには出会いから驚かせられっぱなしです。

【驚愕1:男だった】

私が彼を知ったのはスティーヴン・ウィルソンのライヴ動画を見た時。金髪おさげがベースを弾いているのを見て、「えらくごっつい女子が弾いてるな。なんて奴だ?」 と驚きました。



 調べてみて、さらに驚き。まさかまさかのオッさんでした。

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【驚愕2:イケメン・アイドル・バンドのメンバーだった】 

彼の経歴をwikiで読んでモアびっくり。
何と80年代にToo Shyというヒット曲を飛ばしたカジャグーグーのメンバーだったのです。私がカジャに抱いていた印象は、ルックス重視のアイドルバンドでToo Shyというヒットを放っただけの一発屋。まさかアイドルがプログレ騎士に進化したとは!
ちなみにカジャ時代の彼はこれ。数多くの苦労を重ねた末に今の風貌になったという感じ・・・

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【驚愕3:カジャグーグーは単なるアイドルではなかった】

 どうせならニックのルーツを探ろうと、Apple Musicでカジャのファーストアルバムを聴いてみました。
「胸キュンなポップな連発だろうな」と思ったら大違い。ドラムとシンセの入れ方は「これぞ80年代」という軽さですが、メロディはソウルフルな感じがするし、ニックのベースはバリバリなスラップで聞き応えあります。35年ぶりに聴いたToo Shyは、サビこそ胸キュンポップですがそれ以外のメロは脱ポップで印象が記憶とまるで違ったです。

 

【驚愕4:ニックはスティック担ぎながら歌っていた】
ボーカルのリマールが早々に脱退したことは知っていましたが、その後、ニックがリードボーカルなっていたことは知りませんでした。ザ・ミュート・ゴッズのファーストを聴いた時、「結構、ニックて歌えるんだ」と感心しましたが、歌えて当然だったのでした。
さらにセカンドアルバムでチャップマン・スティックを弾きながら歌っていることにはたまげました。


 
スティックと言えばトニー・レヴィン。そっちの印象が強いので、髪の量がまるで違うニックがスティックを担ぐ姿にはすごく違和感がありました。弾きながらよく歌えたものだと感心します。



彼のインタビューによれば、1980年代クリムゾンを見てスティックに憧れ、レコード会社から「セカンドアルバムでリードボーカルやってよ」と頼まれた際に、それを受ける条件としてスティックを買ってもらったそうです。

彼のプレイをもっと見たくなりました。
ザ・ミュート・ゴッズかスティーヴン・ウィルソンのバックとしての来日を切望! 






 

rock70s at 22:47|PermalinkComments(0)TrackBack(0) プログレ 
リリース情報
2017年
【5月26日】
ビートルズ「サージェント・ペパーズ」50周年記念

【6月2日】
ロジャー・ウォーターズ新作「 イズ・ディス・ザ・ライフ・ウィ・リアリー・ウォント?」

【6月16日】
チープ・トリック新作「ウィア・オール・オーライト」

【7月21日】
マリリオン「Misplaced Childhood」 スティーヴン・ウィルソンによるリミックス(5.1chあり)

【8月18日】
スティーヴン・ウィルソン新作「To The Bone」

管理人のオリジナル小説