2016年09月27日

ビートルズ映画Eight Days A Weekを見る

ビートルズのコンサート時代を描いた映画「Eight Days A Week the Touring Years」を見てきました。
 コンサート映像を楽しむだけでなく、いろいろと考えさせられる内容でした。

image









映画はリバプールやハンブルグでのどさ回り時代からスタートし、ビートルズの歴史を追う感じで流れていきます。途中で最近のポールとリンゴのインタビュー映像やジョージの生前のインタビューが挿入されます。ドキュメンタリーがメインでライブ映像が入るというスタイルはビートルズ・アンソロジーの焼き直しみたいな気がして、「この映画の存在意義って何?」と思ってしまいました。中には初めて見る映像もありましたが。



最初のうちは「トップを目指して頑張るぜ」という勢いでライブを楽しんでやる姿が収録されていますが、後半になると様子が変わってきます。
ツアーとレコーディングに追われて多忙を極める毎日。Helpがその苦悩を歌ったことがよくわかり、ジョンが歌う姿に切実感を感じました。
ジョンの「キリストよりビートルズが人気がある」発言に反発して始まった焚盤キャンペーンの映像や日本公演で武道館が使われることに反発して街宣する右翼の映像があったり、インタビューで悪意に満ちた質問をされる場面があり、ダークさが増してきます。

image








ついには1966年8月のサンフランシスコでの最終コンサートをバックに「観客は音楽を聴きに来ているんじゃない。ビートルズを見に来ている。俺たちは演奏を聴いて欲しい。サーカスじゃないんだ」というジョージのコメントが流れます。そして、コンサート終了後に野球場のグラウンドに置かれたステージから退場するメンバーが乗ったのは囚人護送車。窓がない鉄製の四角い車に乗ってステージを離れていく姿は異様でした。観客とメンバーの心が分断された決定的な場面でした。

ようやくこの映画が描きたかったことがわかりました。「ビートルズのお宝コンサート映像を披露しまっせ!」というノリではなく、何故ビートルズがコンサート活動をやめるという決断を下さざるを得なかったのかを描いたのでしょう。
 
サンフランシスコ公演の映像の終了後、ペパーズを楽しそうにレコーディングしている様子が映し出され、その後、時代は一気に飛びルーフトップ・コンサートへ。Don't Let Me DownとI've Got A Feelingが連続で流れます。久しぶりのライブを観客なしで楽しんでいるように見えます。彼らの表情に解放感を感じました。



これで本編が終了し、続けて「劇場限定公開」という触れ込みのシェイ・スタジアム公演の映像が流れます。画像は4Kでレストアされ、音はアビーロード・スタジオでリマスターされたもので、画質、音質ともにクリアで30分間のコンサート映像を満喫できました。
ジョンの存在感には圧倒されます。ポールは声の甘さのせいで迫力がなかったです。
ジョンとポールが一本のマイクで合唱するシーンには「この頃は仲よかったんだよな。ずっとこのままなら良かったのに」と思ってしまいました。



本編も音がよかったです。映像がぼんやりしていても音はクリア。スタジオ・レコーディングの音源はリミックスされ、音の定位が自然になり、目の前で演奏していると思わせるくらいに生々しかったです。ジャイルズ・マーティンがまたよい仕事をしてくれました。

この感慨を胸に帰宅した後、先日発売されたライヴ・アット・ザ・ハリウッドボウルを聴きなおしまし
た。以前聴いた際にはさほどのインパクトは感じなかったのですが、数時間前に見た映像を思い浮かべながら聴くとじわじわっと感動がこみ上げてきました。






 

rock70s at 23:51│Comments(0)TrackBack(0) ビートルズ 

トラックバックURL

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔