2016年12月02日

ピンク・フロイド ボックス・セット 原子心母の進化

ピンク・フロイドのボックス・セット、The Early Years 1965-1972のブック4の目玉その2がAtom Heart Motherです。

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CDには3バージョン、DVD/Blu-rayには3バージョン収録されています。
Wikipedia英語版をもとにこの曲の歴史をたどってみると…

・1970年初頭

リハーサルでできた複数のインスト曲を組み合わせ。
・1月17日
ハル大学でのコンサートで演奏。当時の曲名はThe Amazing Pudding。
・3月
アビーロードスタジオで録音。とりあえずできた。
ブック4のCD2に収録されたものは多分、これ。
しかし、何か物足らなさを感じ「この曲をどげんかせんといかん」と思っていたところで、ロン・ギーシンを紹介される。

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・4月頭

3月にできたテープをロンに渡して「後はよろしく」と言ってアメリカ・ツアーに出発。
・4月29日
アメリカのフィルモア・ウェストで演奏。
翌日、サンフランシスコのテレビ局KQEDで放送。
この模様はDVD/Blu-rayに収録。
・5月16日
アメリカ・ツアー終了。
ツアーの間、The Amazing Puddingを演奏。
・6月
ブラス、チェロ、コーラスを録音。
・6月27日
イギリスのバス・フェスティバルでブラス、コーラスつきで演奏。
・7月16日
BBCセッションでブラス、コーラスつきで演奏。Atom Heart Motherと命名される。
この音源はCD1に収録。
・7月18日
ロンドンのハイド・パークでブラス、コーラスつきで演奏。
この模様はDVD/Blu-rayに収録。
・8月8日
フランスのフェスティバルで演奏。
この模様はDVD/Blu-rayに収録。
・10月2日
アルバム発売
・11月21日
モントルーで演奏。
この音源はCD1に収録。

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3月のThe Amazing Puddingは、ニックのパワフルなドラム・フィルインで始まり、ドキっとします。全体を通してドラムが大きく迫力を感じます。ギターとキーボードは完成版と違いがないように聴こえますので、3月のレコーディングの分をそのまま使ったのかもしれません。ブラスなどがない分、寂しさを感じます。後半のサイケなパートはなく、曲が一旦終わったと思わせて再度始まるという感じ。スカスカで不恰好です。
4月30日にテレビ放送されたものは、飛行機のプロペラ・エンジン音で始まり、ニックのフィルインから演奏スタート。完成版でコーラスが入る箇所はデイヴがスキャットでアーアアアと歌います。曲の前半は演奏シーンではなく、湖や野原の空撮が延々と続き「騙された」感がありましたが、アーアアアあたりから演奏シーンが映し出され、ほっとしました。
7月16日のBBCセッションはチェロのパートをホルンが演奏したり、デイヴのギターがほぼアドリブ状態だったり、リックのオルガン・ソロがあったりと細かい違いがあって面白いです。サイケなパートはテープを再生。全体的にパワフルで圧倒される演奏でしょう。ラジオを聴いていたイギリス国民はびっくらこいたでしょうね。
7月18日のハイド・パークはステージの左手にブラス・セクション、右手にコーラス部隊を配置して演奏。白黒画像で画質、音質とももう一つ。ステージ右斜め上からカメラ一台で撮影したみたいでカメラワークもイマイチですが、長年見たかったブラス+コーラスつきの演奏シーンを見れて嬉しかったです。
8月8日の分は記憶にあまり残っていない…
11月21日のモントルーはバンドのみの演奏。 4月のフィルモアに似た演奏で、ニックのフィルインで始まります。荒々しさを感じる気合いに満ちた演奏です。コーラスの部分でのデイヴのスキャットは幻想感たっぷり。ラストは潔くサイケに入る前にビシッと終わります。間延び感がなくてよいです。

さて、曲名は、原子力で発電する電池を使ったペースメーカーを埋め込んだ女性についての新聞記事からインスピレーションを受けたという話は有名です。日本語版Wikipediaには9月のBBCコンサートの際にAtom Heart Motherと命名された旨が書かれていますが、間違いのようです。
英語版Wikipediaによると7月16日のBBCセッションでDJのジョン・ピールに曲名を教えないといけなくなった際、たまたまロンが持っていたその日のイブニング・スタンダードにAtom Heart Mother Namedという見出しで記事が書かれていたのを読んで名付けたそうです。
以下のようなやり取りがあったのかも。
ジョン「今晩演奏される組曲のタイトルを教えてよ。俺が演奏前に説明するからさ」
ロジャー「…仮題で『おもろいプリン』て呼んでいるけど」
ジョン「まじっすか? 全国放送だよ。そんなショボいタイトルでホントにいいの?」
ロジャー「…」
(横に座っていたロンがガサガサと新聞を取り出す)
ロン「今朝の新聞に出ていた見出し、Atom Heart  Motherってのはどう?」
ロジャー「それイイね! 決まり!」

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記事からインスピレーションを受けたどころか、そのままパクったという感じ。
しばらくしたら日本語版Wikipediaの記載を修正したいと思います。





 

rock70s at 09:01│Comments(0)TrackBack(0) ピンク・フロイド 

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