■板谷 祐

鈴木慎一郎が脱退し、今度こそ絶対絶命かと正直思った。

CRAZEも解散してしまうのかという思いの中で
救世主のように現れた男が、最後のヴォーカリスト、
TUSK(板谷 祐)だった。

哲が祐に解散の相談をしたところ
「俺はまだCRAZEで歌っていねえ」と加入を決め
その足で当時やっていたバンド「THE SLUT BANKS」脱退した男である。

私はスラットも好きであったので、複雑な思いはあったが
彼のおかげでCRAZEが存続したのは間違いない。

当時、祐加入の記事を読んだとき、心が震えたし、
ようやく長い間続いた藤崎喪失感がなくなるのかなと期待した。

前二人のヴォーカリストに比べ、
ジキル、スラットというバンドキャリアを持っているし、
藤崎と同じように、楽器隊の3人と友人であった。

そもそもCRAZE結成時に、最初に声をかけたヴォーカリストが
TUSK(板谷 祐)らしいし。

だが、一方で、歌い方、歌詞も含め、
個性の強いヴォーカリストだったので、
果たしてCRAZEに合うのか?という懸念はあったが
その予感は当たってしまった。

結論から言うと、祐CRAZEの音楽、ライブは決して嫌いではない。

むしろ好きだ。

だが、CRAZEというバンド名で活動する意味があるのか?
と考えてしまうほど、祐の個性は強く
音楽性も含めもはや別バンドになってしまった。

CRAZEの出自は、BOOWY直系のビートロックに、
メロコアなどの要素を加えたモノだったが、
祐CRAZEになってからは、ハードコアパンクの要素が強く、
歌詞も抽象的なモノが増えてしまった。
(もう少し、ジキル時代のような歌詞を期待したのだが)

だが、歴代で一番長く在籍したヴォーカリストであるし、
ステージングはピカイチだった。

10周年記念のマンスリーライブで久方ぶりに
「RISKY」を歌っていたが、
祐独自の歌唱で、様になっていた。

「この路線で続けてくれたらなー。」と思っていたら
祐は脱退してしまった。



・唄もバンドもやり尽しました。
もう唄いません。



祐脱退を引き金にバンドは解散を宣言し、
AXでの「CRAZE LAST PLAY」にて
前代未聞の楽器隊3人だけでの演奏をし、解散してしまった。

演奏した曲は「NAKED BLUE」「TO ME,TO YOU」の2曲。

どちらも藤崎時代の楽曲だった。

ヒストリー盤「THE BLACK BOX」にも、藤崎時代の
未発表曲が収録されていたし、
結局、最後まで藤崎を引きづってしまったバンドだった。

「祐脱退後、加入するヴォーカリストはKYOしかいない」
などという書き込みも見たが、
KYOでも同じことになっていたと想像できる。

再結成は望まない。

例え、藤崎が戻ってきたとしても。

そんなバンドだったよ。

TUSK