2005年10月18日

詩仙堂

石山丈山の隠居所、詩仙堂。



書院からの庭の眺め(上)。それほど広い部屋ではないので、人がいるとやけにせせこましいのだが、誰もいないと視界がひらけて開放感が溢れる。敷地そのものに起伏があり、この部屋が丘の上に建つような作りになっているので、庭の向こうの林に向かって奥行きを感じる。
左は老梅関(ろうばいかん)の門。右は嘯月楼(しょうげつろう)と呼ばれる望楼。
難しい漢語のオンパレード。他にも猟芸巣(りょうげいそう)だの躍淵軒(やくえんけん)だの洗蒙瀑(せんもうばく)だのと。石山丈山は漢詩にも長けた人だった。



書院から眺めた庭園のアップ。
白砂は海、サツキの木々は青山を表しているのだとか。けっして広くはない庭なのに、こうして見ると奥行きを感じるし、ゆったりもしている。ごつごつとして抽象的な石庭に比べると、見る者に緊張感を与えない。それは、粒の細かい白砂と、サツキの刈り込みの柔らかな丸みのせいだろう。石山丈山は作庭にも長けた人だった。



詩仙の間のあたりから書院と庭を眺めたところ。
こうしてボーッと一人で庭を眺めていると、時々、コンッ!という僧都(そうず)…鹿(しし)おどし…の音が響く。鹿おどしは石山丈山が考案したもの。うーん、いつまでもボーッとしていたい…と思った頃、他の拝観客がちらほらと。



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この記事へのコメント
いいですね、詩仙堂。
洛北のなかでは一番好きなところです。
去年の秋に行きましたが、すごい人。
この日は独り占めのような感じですね。
Posted by 一休 at 2005年10月19日 00:53
TB、コメントありがとうございました。
詩仙堂の閑けさが写真から伝わってきます。
入り口脇、白砂にくっきりと映っていた影が
こちらにもあって、嬉しく思いました。

アーカイブ拝見しました。
神護寺から清滝の遊歩道をそのまま川沿いに下ると
JR保津峡駅まで出られます。また歩かれる機会が
あったら、ぜひどうぞ。
Posted by pastorella at 2005年10月19日 10:34
>一休さん
そういえば、私も秋の詩仙堂に行ったことがあります。
狭い部屋で隣の人と肩を擦り合わせながら庭を眺めて…
という感じで、そのとき何を見たのか記憶にないんですよね…。
人の頭ばかり見ていたような。

>pastorellaさん
こちらこそありがとうございます。
詩仙堂はツツジじゃなくてサツキなんですね!訂正しました。
そうそう、実は、昨年は清滝から保津峡駅まで歩いたんですよ。
川の上にある駅ですよね?これはすごいなぁ、と思いました。
今度は高雄の方から清滝に歩いてみたいな、と思います。
Posted by 石庭 at 2005年10月19日 19:48
きれいに写真がとれていますね。
ここで人が少ない紅葉がみれたらどんなに贅沢か!って思いました。
Posted by rina-oha at 2005年10月20日 21:24
>rina-ohaさん
詩仙堂には紅葉の季節に行ったことがあるのですが…
休日だったせいもあって、それはもう、混雑してました。
Posted by 石庭 at 2005年10月21日 12:38