詩仙堂
石山丈山の隠居所、詩仙堂。

書院からの庭の眺め(上)。それほど広い部屋ではないので、人がいるとやけにせせこましいのだが、誰もいないと視界がひらけて開放感が溢れる。敷地そのものに起伏があり、この部屋が丘の上に建つような作りになっているので、庭の向こうの林に向かって奥行きを感じる。
左は老梅関(ろうばいかん)の門。右は嘯月楼(しょうげつろう)と呼ばれる望楼。
難しい漢語のオンパレード。他にも猟芸巣(りょうげいそう)だの躍淵軒(やくえんけん)だの洗蒙瀑(せんもうばく)だのと。石山丈山は漢詩にも長けた人だった。


書院から眺めた庭園のアップ。
白砂は海、サツキの木々は青山を表しているのだとか。けっして広くはない庭なのに、こうして見ると奥行きを感じるし、ゆったりもしている。ごつごつとして抽象的な石庭に比べると、見る者に緊張感を与えない。それは、粒の細かい白砂と、サツキの刈り込みの柔らかな丸みのせいだろう。石山丈山は作庭にも長けた人だった。


詩仙の間のあたりから書院と庭を眺めたところ。
こうしてボーッと一人で庭を眺めていると、時々、コンッ!という僧都(そうず)…鹿(しし)おどし…の音が響く。鹿おどしは石山丈山が考案したもの。うーん、いつまでもボーッとしていたい…と思った頃、他の拝観客がちらほらと。

※写真をクリックするとちょっと大きな画像を表示します。
Posted by rock_garden at 23:04│
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小有堂(しょうゆうどう)の門をくぐると光も風も音も一変、いつもここにしばらくいます。
紅葉が色づく前の百花塢(ひゃっかのう)の彩り(10月9日快晴)
オオバショウマ
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秋一線
新緑の詩仙堂
詩仙堂 紅葉を待つ庭【Day Wind 京都散歩】at 2005年10月19日 10:34
空も地も秋のリズム
上;庭園のサツキ越しに/下;百花塢(ひゃっかのう)の秋明菊
03年紅葉の詩仙堂今日のキンモクセイほんの僅かに小花がこぼれてきました。
秋日澄む 詩仙堂にて【Day Wind 京都散歩】at 2005年10月19日 10:36
8月22日お昼頃
一乗寺といえば、「詩仙堂」
正しくは凹凸菓(でこぼこした土地に建てた住居という意味)
といい詩仙堂はその一室の事。
詩仙堂は、中国の詩家36人の肖像と詩を四方の壁に掲げた「詩仙の間」からきているそうで、
詩仙の間には肖像画が掲げてありました。
...
詩仙堂【花調】at 2005年10月20日 21:19
いいですね、詩仙堂。
洛北のなかでは一番好きなところです。
去年の秋に行きましたが、すごい人。
この日は独り占めのような感じですね。
TB、コメントありがとうございました。
詩仙堂の閑けさが写真から伝わってきます。
入り口脇、白砂にくっきりと映っていた影が
こちらにもあって、嬉しく思いました。
アーカイブ拝見しました。
神護寺から清滝の遊歩道をそのまま川沿いに下ると
JR保津峡駅まで出られます。また歩かれる機会が
あったら、ぜひどうぞ。
>一休さん
そういえば、私も秋の詩仙堂に行ったことがあります。
狭い部屋で隣の人と肩を擦り合わせながら庭を眺めて…
という感じで、そのとき何を見たのか記憶にないんですよね…。
人の頭ばかり見ていたような。
>pastorellaさん
こちらこそありがとうございます。
詩仙堂はツツジじゃなくてサツキなんですね!訂正しました。
そうそう、実は、昨年は清滝から保津峡駅まで歩いたんですよ。
川の上にある駅ですよね?これはすごいなぁ、と思いました。
今度は高雄の方から清滝に歩いてみたいな、と思います。
きれいに写真がとれていますね。
ここで人が少ない紅葉がみれたらどんなに贅沢か!って思いました。
>rina-ohaさん
詩仙堂には紅葉の季節に行ったことがあるのですが…
休日だったせいもあって、それはもう、混雑してました。