2006年05月21日

【展】藤田嗣治展

竹橋の東京国立近代美術館にて「生誕120年 藤田嗣治展〜パリを魅了した異邦人〜」
会期終了ギリギリでの飛び込みで鑑賞。話に聞いていた通り、かなり混雑はしていたけれど、昨年秋の北斎展の激しさに比べれば、まだまだ耐えられる感じだった。

藤田嗣治展

藤田嗣治については、正直に言ってしまうと、好きかどうかと問われると実はそれほど好みではなかったのだが、今回、作品を間近にしてみると、その繊細さにちょっと驚いた。
藤田嗣治の個性を特徴付けている輪郭線、服飾に描きこまれた模様、自画像などにさりげなく描かれている生活用具……それらの細密さは、カタログ本などを見るだけでは到底分かりえない、実物の絵を目の当たりにして「うわぁ、すんげぇ細けぇなぁ」と嘆息が漏れる。

時代とともに画風を変えていった藤田だけど、こうして通して見ると、やっぱり見ていて面白かったのは、パリで人気を博したエコール・ド・パリの時代だろうか(と言ってしまうと、何のひねりもなくて、身も蓋もないないような気がしますが)。
戦争画のコーナーは、ちょっと照明が暗かったのもあって見難かったけど、「アッツ島玉砕」を見ることができたのは良かった。
それから、晩年に描かれた子供の画の数々も、けっこう好みだ。描かれた子供たちは無機質な印象を与えるのだが、肩の力が抜けてリラックスした雰囲気があり、ほんのりと温かく、微笑ましくもある。晩年の宗教画と子供の画というのは、藤田が本当に自分自身のためだけに…要するに、自分の心の平安のためだけに、描いたものだったのかもしれないな。だから、どこか温かい。

藤田嗣治展はこのあと京都国立近代美術館へ。

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