2006年08月11日

【展】若冲と江戸絵画

東京国立博物館の平成館にて開催中の「プライスコレクション 若冲と江戸絵画展」を見に行く。これが2回目。
伊藤若冲といえば、18世紀の京都を代表する画家の一人。好きな絵描きさんの一人です。

若冲と江戸絵画展

お盆休み前の金曜の夜だし、多少は空いているかなぁ……と思ったら、けっこう人はいるものだ。日がまだ落ちきらぬ夕方の上野公園、国立博物館にやって来る人は絶えることがない。
というわけで、まずは本館の平常展の興味のあるところだけを流し見ながら時間を潰し、平成館に向かう人波が少なくなるのを待つ。
とはいえ、今月の平常展の絵画コーナーは、けっこう素敵です。
酒井抱一「夏秋草図屏風」の他、狩野探幽や久隅守景の国宝作品(納涼図屏風)も。さらに、応挙の「虎図」、扇子で若冲「鶏図扇面」と尾形光琳と狩野山雪。
そして「これはすごいな」と思ったのが、円山応瑞の「鯉魚図襖」。今にも動き出しそうな鯉が三匹。さすが応挙の子というべきか。

その後、ようやく若冲展へ。
驚いたのは、女性が多いこと。それも、若い人から年配の人まで、年齢層にとらわれない雰囲気。
館内に人の流れが絶えることはないが、スムーズに動く。そうはいっても、若冲コーナーはそれなりに人が多かったので、あとまわしにした。閉館に近くなれば人も減るので、先に他のコーナーをまわっておく。
今回の展覧会で注目すべきは、絵画と鑑賞者を妨げるガラスを取り払い、あたかも一日を追うがごとくに刻々と表情を変える光を用いて、数々の屏風絵を見せる試み。
そんな中で長沢芦雪の「白象黒牛図屏風」を見ることができたのは、嬉しかった。

最後は若冲コーナーで締める。
今回は、若冲の円熟期の「動植綵絵」以前の作品も多いので、そのあたりを頭に入れながら見ていくと、初期若冲の初々しさもまた興味深い。すでに「動植綵絵」に連なるモチーフで描かれ、ディティールにも後年の若冲が見せる個性の発露もあるのだが、しかし、生き物たちは絵の中に「ただ置かれている」感があって、何となく居心地が悪そうな顔をしてるし、細かい部分に目を凝らすと、たとえば雪の描き方にも、まだあのネバネバベタベタしたような独特さは見えない。これらがやがて「動植綵絵」での集大成へとつながるわけだ。
個人的にいちばん面白かったのが、墨画の屏風「花鳥人物図屏風」と「鶴図屏風」。これは見ていて飽きない。紙の上で筆が踊るような即興性に富んだ線描、極端に単純化された人物や生き物たちの形状……この白と黒だけで表現された世界は、まったく古さを感じない。要するに「かっこいいデザイン」にも見えるのだった。

そして、帰りがけに「若冲七福酒まんじゅう」を購入して家路に着いたのでありました。

若冲七福酒まんじゅう

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