2006年08月16日

清涼寺 仁王門と本堂

天龍寺から北に向かって歩いていくと、やがて清涼寺の仁王門が姿を現す。



仁王門から本堂を眺める。
本堂は1701年の再建。仁王門は1776年の再建。



本堂には国宝の釈迦如来立像を祀っている。ふだんも見ることはできるのかな?
僕が訪れた日は、ちょうど取材の人が来ていたので、お坊様の読経のもと、国宝の釈迦如来立像の御開帳の実演場面に遭遇することができた。
お経と太鼓の鳴り響く中、舞台の開演のようにするすると幕が開いて、ご本尊の釈迦如来登場。うぉー……。
それから、お寺の人に釈迦如来立像の由来も解説していただいた。
そういうお話を聞いた後であらためて仏像を眺めてみると、自分の目にも気持ちにも、自然と厳かなものが加わりますね。

この仏像は、約1000年前に中国で作られたもので、日本の仏像とは形式を異にしている。頭は編んでおり、胸元を隠し、顔立ちもややシャープ。こうした形式は「清涼寺式」と呼ばれ、日本各地で似たような仏像が製作された。
また、釈迦の生きているときの姿を映したとも伝えられており(生身の仏像)、頭部には鏡(=脳)、体内には絹で作った五臓六腑が埋め込まれ、食道もきちんとあるそうだ。

釈迦如来立像は広く信仰を集め、江戸時代・五代将軍綱吉の頃には日本各地で出開帳を行ったそうな。いわば人気の仏像の全国ツアー。本堂内には、そのときに釈迦如来像が乗った輿が残されている。
民衆は願いを込めて釈迦如来像に向かってお賽銭を投げ、その願いを身に受けた像の体には小さな傷がいくつも残っている。
本堂の隣には阿弥陀堂が立つ。



晴れていたと思ったら、雲行きが怪しくなり、やがて雨が落ちてきた。
境内は子供たちの通学路。



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