2006年12月15日

【展】肉筆浮世絵展「江戸の誘惑」

江戸の誘惑展先週10日まで江戸東京博物館開催されていたボストン美術館所蔵の肉筆浮世絵展「江戸の誘惑」。せっかく行ったのだから、記事を投稿しておこう。
この展覧会の作品は、明治時代に来日したアメリカ人医師のビゲローさんが買い集めた浮世絵をボストン美術館に寄贈したもの。日本初公開。葛飾北斎、鈴木春信、菱川師宣、喜多川歌麿……などなど、著名な江戸期の浮世絵画家たちの肉筆画をまとまって見ることができる貴重な機会だった。

僕のお目当ては北斎(→去年の「北斎展」の記事)。
北斎といえば富嶽三十六景だけれども、晩年の肉筆画にも本当に惹きつけられるものがある。
生涯に数々の名を持った北斎は、晩年は「画狂老人卍」(あるいは「卍」)と名乗り、肉筆画の落款には八十八…八十九…と年齢を記していく。細やかで鮮やかな肉筆画には年老いても衰えぬ画への執念が漲り、それはまさに「画狂」と呼ぶにふさわしい。狂気すれすれの描写。
この展覧会には「鳳凰図屏風」「唐獅子図」などの肉筆画が出品されたが、極彩色の「鳳凰図屏風」なんていうのは、明らかに異様なたたずまいで、くらくらするくらいの妖しい輝きを放っていた。

北斎の肉筆画だけの展覧会なんていうのを、いつかどこかでやってくれないものかなぁ。

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