宇治市にある、黄檗宗の大本山・萬福寺。
1654年に現在の中国福建省からやって来た隠元禅師が、1661年にこの地に開創したお寺。重要文化財にも指定されている立派な伽藍群が並んでいる。
こちらは斎堂の前に吊るされている開版(かいぱん)。
斎堂は食堂のことで、約300人がいっせいに食事をできるのだそうだ。

「鳴り物は絶対に叩いてはいけません」
……叩くなと言われると、叩きたくなるのが……いや、ウソです。

魚のかたちをした開版は、行事や儀式の刻限を告げるときに叩かれる。
手前の青銅製の板は雲版。雲版は朝と昼の食事と朝課の時に打つ。

こちらは本堂の大雄宝殿の前に置かれた香炉。
この派手なデザインも……やはり日本の禅宗寺院とは違った味だ。
その奥に見える戸は、桃の実の彫刻を施した「桃戸」。魔除けの意味がある。
これも黄檗宗系寺院ならではの独自の意匠。

それから、境内の参道のデザインも、これまた独特。
平石が菱形に敷かれ、両側を石條で挟んでいる。これは龍の背の鱗をモチーフとしたもの。
こんな具合に、萬福寺では、一風変わった意匠の数々を観察するだけも、なかなか楽しいお寺なのです。
※写真をクリックするとちょっと大きな画像を表示します。
Posted by rock_garden at 23:29│
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