2007年02月25日

【展】都路華香展

東京国立近代美術館にて都路華香展
都路華香(つじかこう・1871-1931)は京都市上京区に生まれ、京都で後進の指導にもあたるなど、近代京都画壇に尽力した日本画家。1932年の遺作展以来、初めてとなる本格的な回顧展なのだそうだ。したがって、現在の認知度は「知る人ぞ知る」存在。
僕もその名前は知らなかったのだが、ぶらりと美術館に入ってみたところ、いやいや、これがなかなか良かった。こういう気まぐれからの出会いも、また、印象に残るもの。

都路華香展

とくに、1910年代後半から1920年代にかけての作風の「抜け具合」が心地良い。
角が取れて丸くなり、自由で伸びやかで遊び心に富み、楽しげな雰囲気にあふれている。その画風は、初期の作品の頃から柔和で穏やかな表情を持っているのだが、時代を経るごとに筆は軽やかになってゆく。
1910年代後半から1920年代の華香の歳は、まだ40代後半から50代にかけて。それなのに、なんだろうか、すでに老成の観すらある、この達観してしまったような画風は(といっても、華香は60歳で亡くなったので、晩年といえば晩年なのだが)。
「達磨図」(1917)の妙にかわいらしい草履とか、「寿仙図」(1917)の老人と鹿の微笑ましいツーショット、それから「埴輪」(1916)の幸福感に満ちた小さな世界。見ているこちらも、思わず頬がほころんでしまい、画に向かって微笑みかけてしまいそうだ。

なんだろう、この、ちょっと幸せで軽やかな気分。
こういう気分になる展覧会も初めてかもしれない。
とても良い展覧会だった。

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