2007年05月20日

【展】若冲展

相国寺の承天閣美術館にて開催の若冲展
1年以上も前から待ち望んでいた展覧会。とうとうこの日が来たことが嬉しくもあり、そして見終わってしまったことが寂しいような気分でもある。

目玉は、何といっても「動植綵絵」全30幅(宮内庁三の丸尚蔵館蔵)と「釈迦三尊像」(相国寺蔵)の約120年ぶりの再会。それから、若冲の水墨画の最高傑作とされる「鹿苑寺大書院障壁画」全50面の襖絵。他にも、新発見の「厖児戯帚図(ぼうじぎほうず)」など、小さな作品も数点。
これだけクオリティの高い若冲作品が揃うことなど、今後、あるのだろうか……と思わされる充実ぶり。これっきり、なんてことにはならず、またいつの日か一堂に会することを願わずにはいられない。

朝いちばんに入ったので(9時半に相国寺に到着したものの、当日券売り場は人の列)待ち時間はなかったものの、会場内は若冲をひと目見ようという人たちで大変な混雑。とくに「動植綵絵」を展示した第二会場は、人の列がなかなか進まない。
しかし、混雑がいったんピークに達したところで入場制限が入ると、あとから続いて入ってくる人たちもいなくなったので、後ろからプレッシャーをかけられることもなく、余裕を持って見ることができた。
朝いちばん〜最初の入場制限の境目が、意外な狙い目かもしれない。

まずは、人ごみに揉まれながら会場内を一周。
それから、空いてきたところを見計らって、単眼鏡を片手に、じっくりと観察しながら、もう一周。さらに、会場から去りがたい思いに駆られながら、名残惜しさに、もう一周。全部で三周回。
孔雀や鳳凰の羽に施された模様。花弁。魚のウロコ。病葉の枯れた部分。鶏の羽やトサカの文様。羽毛の毛先の一本一本……図版ではもちろん分からない、肉眼でもおよそ見分けのつかない世界の数々が、単眼鏡を通して僕の目に飛び込んでくる。たとえば右の「老松孔雀図」や「老松鳳凰図」などは、おそらく若冲オリジナルのデザイン、それも、ものすごくモダンなデザインの羽毛を身にまとっているのだ。
偏執的ともいえる、緻密な作業の数々。いったい、若冲はどれほどの膨大な時間を費やしたのだろうか。若冲の執念。それを思うと、鳥肌が立つ思いだった。

「動植綵絵」は、昨年、三の丸尚蔵館で5期に渡って全30幅を見る機会に恵まれたのだが、全30幅が一堂に揃ってみると、やはり迫力が違う。また、第二会場は「いつの日か動植綵絵の里帰りが叶ったときに一室で展示が出来るように」との思いで設計されており、「釈迦三尊像」を中心に、左右の面に15幅づつの「動植綵絵」。圧巻の眺めだった。
これ以上はどのような言葉で語っても、空疎なだけだろう。
言葉では語り尽くせないほどの魅力のある絵は、世の中にそう多くは存在しない。
「動植綵絵」全30幅は、まさにそういう絵のひとつだった。

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この記事へのコメント
京都での若沖展お疲れさまでした。
相国寺の美術館が満員ってことは
ニュースとかで聞いていましたが
かなり大変だった様子・・・
その中を3回観覧された石庭さんの
若沖への想い、展示品のクオリティの
高さがよく分かりました。
行きたいですが・・・来週からしばらく
週末詰まってるし〜^^;
Posted by 一休 at 2007年05月20日 21:05
いやぁ、ついつい興奮して、タイピングの指が滑ってしまいました。
読み返してみると……ちょっと暑苦しいですね、自分(苦笑)
会場から出てきたのはお昼過ぎだったのですが、30分〜40分待ちの様子でした。
三周回もしてないで早く出ろよ……って感じなのですが、どうしても去りがたくて……。
Posted by 石庭 at 2007年05月21日 12:42