2007年06月09日

【展】金沢文庫の仏像

金沢文庫の仏像金沢文庫で特別公開している運慶作の新発見の仏像「大威徳明王坐像」の会期終了が迫ってきたので、とにかく見ておこうというわけで、京急の赤い電車に乗っかって金沢文庫へ。
この仏像は平成10年に称名寺の光明院から発見され、今年2月に修理の際に像内の納入品の開封に成功し、運慶の真作として認められたもの。運慶の真作の発見は48年ぶりで6件目とあって、話題にはなりました。

大威徳明王坐像は、腕や下半身部などの損傷もあって失われた部分も多く、高さは20冂度と聞いてはいたが、実際に目の前にしてみると、その小ぶりな体躯にまず驚いた。けれども、その小ささゆえに、仏像の顔の表情に施された精緻なテクニックが際立ってもいた。さすが運慶さんは天才仏師と呼ばれるだけあるな、と納得してしまう。

仏像内部から出てきた納入品なども興味深かった。
まずは文書。空気にふれていなかったせいか、こちらは驚くほど保存状態が良い。梵字で書かれた文字はくっきりと残っているし、文書末尾には「源氏大弐殿(げんじだいにどの)」(源頼家と実朝の養育係の女性)が発注者となり、運慶によって作られたことが明記されている。
それから、仏舎利。仏像の体内にあった小さな蓮の実の中に、仏舎利が込められているらしい(X線撮影での結果から判断された)。本当に小さな実なのだが、その中に1〜2ミリの仏舎利があり、さらに、これまた小さな小さなヒノキ材で栓をしてあった。
仏舎利を込めた人がいて、それから精緻な像を彫った仏師がいて……と、こうやって一体の小さな仏像に託したであろう、鎌倉時代の人の信心の深さを、ちょっとだけ感じたのでありました。

杉本寺金沢文庫をあとにして、バスで鎌倉へ移動。
杉本寺のディープな仏像ワールドに濃密さを感じ、報国寺の美しい竹林を歩き、浄妙寺でお抹茶をいただいて、鎌倉小旅行は終了したのであった。
写真は、苔生した石段が美しい杉本寺。

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