2007年08月11日

【展】重森三玲の庭−地上の小宇宙−

8月4日まで、松ヶ崎の京都工芸繊維大学美術工芸資料館で開催されていた、作庭家・重森三玲の回顧展。
昨年秋に東京・松下電工汐留ミュージアムで同じ展覧会を見ていたのだが、今回はどんなものだろうと思って足を運んでみたら……内容はほぼ同じだった。

まずは重森三玲の代表的な庭園の平面設計図や写真。
小倉邸庭園(昭26・岡山)、東福寺方丈(昭14・京都)、東福寺光明院(昭14・京都)、東福寺龍吟庵(昭26・京都)、天籟庵(昭44・岡山)、旧重森邸(昭45・京都)、友琳の庭(昭44・岡山)、松尾大社(昭49〜50・京都)、香里団地「以楽苑」(昭37・大阪)、岸和田城庭園(昭28・大阪)、石像寺(昭47・兵庫)、漢陽寺(昭48・山口)。
造園当時の昔の写真を見ると、東福寺方丈の井田市松にサツキの木が存在しなかったりとか、光明院の波心庭の白砂に水泡を表す栗石が点々と置かれていたりとか、現在とは違った様子がうかがえて、なかなか興味深かった。

それから、庭園研究家としてスタートした重森三玲が、日本のあちこちの庭園を実測した平面図。
無鄰菴、表千家・不審庵、酬恩庵、真如苑、龍安寺石庭、大徳寺大仙院、毛越寺、頼久寺、医光寺、旧大乗院遺構……などなど。
これらはほんの一部で、実測の重要性を説いていた重森は、膨大な数の実測図を残している。

最後に、重森三玲の庭造りの様子を撮影したビデオ上映。
その中で「永遠のモダン」を訴える重森の言葉が印象的だった。
日本庭園とは自然を模倣してきれいに作ったものが良いというわけではない、たとえば龍安寺の石庭に代表されるように、優れた庭園ほど抽象的な志向を持っており、そうした庭園こそがいつの時代にも「モダン」なものとして受け入れられる、いわば、そうした「永遠のモダン」を追求した庭造りをしたい……と、たしかそんな内容だったと思う(耳で聞いて覚えただけなので、違っているかもしれません)。
「永遠のモダン」は、今でも重森三玲を語る上で欠かせないキーワードになっている。
重森の庭が語りかける「モダン」を、今の我々は自由に想像し、感じ取ることができる。

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