2年ほど前にここのお寺の宿坊に泊めていただいたことがあるのだが、真言宗智山派の総本山というだけあって、修行に来ていると思しき若いお坊さんたちの姿が見受けられた。きっと、日本のあちこちから集まって来ているのだろう。

ここはお気に入りのお寺のひとつで、何よりもまず、収蔵庫にて長谷川等伯・久蔵父子の国宝障壁画を見ることができるし、そして、写真のこの庭は、京都に数ある庭の中でも、池泉式の庭園としてはいちばん好きな場所だ。
僕にとっては、一度で二度おいしい場所。

特徴的なのは、書院の縁の下にまで入り込んだ池の水。
それから、狭い空間を広く見せるがごとく、右手奥に行くにしたがって狭くなるように作ることで、遠近法的な奥行きを出している。
また、バチ型のツツジの刈り込みや、築山の斜面に並べられた石も印象に残る。


宿坊に宿泊すると、早朝の勤行に参加した後で、この庭を眺めながらお茶をいただける。