2007年11月07日

【展】狩野永徳

先日の土曜日、11月3日、秋晴れの京都国立博物館。
狩野永徳展を観覧。
大々的なPRの甲斐もあって、会場はものすごい盛況ぶり。朝9時過ぎに到着したが、開門前からどんどんと待機列は伸びていき……会場に入ることができたのは、開館から15分後の9時45分頃。数十人ずつに分けながらの入場だったので、会場内は混雑してはいたものの、予想していたよりもストレスを感じることなく見てまわることができた。会場内の混雑悲惨度でいったら、春の若冲展の方が大変だったので、気持ち的にも余裕があった。

会場の構成は、水墨画→風俗画→肖像画→金碧画という流れで、僕の好みでいったら、聚光院の襖絵「四季花鳥図」でいきなりクライマックスがきてしまった。
この「四季花鳥図」を見るのは3度目。過去に2度、聚光院で見たことがあるが、今年の春から京都国立博物館に寄託された。また会えたな、という気持ちになった。
聚光院の室中の間を飾っていた襖絵も、味気ない展示ケースの中ではどのように見えるか心配していたが……過去2回は薄暗い室内で遠目にしか見ることができなかった作品も、ガラス越しとはいえ、間近に見る永徳の筆遣いに、早くも興奮、鳥肌の立つ思い。
たとえば梅の幹を描く墨の伸びる方向を目で追っていくと、筆が伸びやかに走りまくり、時に荒々しく猛っているのがよく分かる。
さらに「許由巣父図」「仙人高士図」などになると、永徳の筆はさらに自由奔放に踊る。もはやドリッピングアートのようですらある。
そうそう、ドリッピングで思い出したが、永徳と同時代のライバル・長谷川等伯の「枯木猿猴図」が常設展に展示されていて、こちらも永徳に負けず劣らずの爆走ぶりだった。もしかしたら、そういう対比の意図も含めて、常設展の作品を選んで展示しているのかもしれない(他には狩野山楽の「唐獅子図」なども)。

狩野永徳といえば、信長〜秀吉に重用され、「檜図屏風」や「唐獅子図屏風」に代表されるような金碧大画のイメージが強いのかもしれないけれど、僕にとっては水墨画の永徳がいちばんだ。
それも、「琴棋書画図」などのようなかっちりとした“真体”の水墨画ではなく、奔放でラフに描くことができる“行体”の水墨画が、永徳のアクションっぷりを身近に感じ、空想することができるので、見ていても楽しい。

……と、今回は水墨画の話題が中心になってしまいましたが、他に目立ったものでは「洛中洛外図」。
こちらは細密な画であるため、細かに見るのにも時間を要し、展示室は人だかりだった。展示ケースの前に立っても、単眼鏡でもなければ人物まで細かく見ることができない。名所を探してみるばかりではなく、たくさんの人物たちが繰り広げる場面を通して、当時の都の風俗や行事を見ることができる。
また、永徳には意外にユーモラスなところがあるのか、尻を出して焚火に当たっている少年や、道端で小便をしている幼児、あるいは頭にヘンなものをかぶっている人物の姿を発見することができる。

後半は金碧画。こちらのコーナーは、やや冗長という感じで、中だるみの気分。
そして、最後に、でかいでかいとは聞いていたが、こんなにでかいとは……と、「唐獅子図屏風」の大きさに圧倒されて終了。

約2時間の観覧を終え、お昼頃に外に出てみると、展示館の周囲に日傘の花が咲いていた。
待機列の最後尾は「入場まで2時間」と、大変なことになっていた。



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この記事へのコメント
さすが狩野永徳展!すごい人気ですね。
入場制限をされていると、入るまでに時間がかかりますが
ゆっくり見られていいですよね。
夏の直島がそうでした。

Posted by rina-oha at 2007年11月08日 23:25
直島!
そ、そうなんですか……あそこもそんなに混んでいるんですか…。

永徳展にはもうちょっと早く行けると良かったのですが、まぁ、いろいろありまして。
残り1週間、終盤に向けて、さらに混雑するんでしょうね!ひゃー。
Posted by 石庭 at 2007年11月09日 00:07