2007年11月18日

【展】野口里佳「マラブ・太陽」他

美術館もいいけれど、気分を換えて、たまには銀座界隈のギャラリーめぐり。

野口里佳「マラブ・太陽」
ギャラリー小柳
2004年に原美術館で「飛ぶ夢を見た」を観たときには、その瑞々しくも超現実的な写真の世界にグサリと胸を打たれたものだった。日本での個展は、その時以来なのだとか。
「太陽」シリーズから1作品。それからベルリンで撮った「マラブ」の連作。
“マラブ”とはアフリカハゲコウというコウノトリの一種。マラブはほとんど動かない鳥だそうで、その姿をピンホールカメラで追う。ピントの合わない鳥の姿が、周囲の木々の緑や木漏れ日などと混濁し、幻想的な世界を作り上げている。
「飛ぶ夢を見た」を観たときにも感じたことだが、この人の写す世界は、この地上のどこかにある場所を写していながらも、地上ではないどこか別の場所を写し撮ったかのような浮遊感がある。

マラブ・太陽

中村ケンゴ 「スピーチバルーン・イン・ザ・ビーナスと21世紀のダンス」
MEGUMI OGITA GALLERY
日本画の素材(岩絵具や和紙など)にこだわりながら、ポップな作品を発表しつづける中村ケンゴ。この人の名前を聞くと、某日本代表サッカー選手の顔を思い出してドキリとする(笑)。
ギャラリーに展示されていた作品は、漫画の吹き出し(スピーチバルーン)でボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」を模った「スピーチバルーン・イン・ザ・ビーナス」シリーズと、マティスの「ダンス」を解体し、再構築した「21世紀のダンス」シリーズ。
美術史には決まって名前が出てくるような前人たちの名作を、大胆に引用した作品。いいリズム感を生み出していた。

小西真奈「どこでもない場所」
アラタニウラノ
銀座から歩いて新富町にあるギャラリーへ。
この作家の名前を聞いたのは初めて。作品を見るのも、もちろん初めて。
広漠とした風景と、その景色の中に放り込まれた所在なさげな人物群の姿が、まさに「どこでもない場所」を生み出していた。画の中に佇む人物たちには、これから何かが起こりそうでもあり、何も起こらないような雰囲気でもある。観る者の胸の内にほんのりとした不安を差し込むようだ。
雑誌の中で「浄土2」という作品の写真を見て足を運んでみたのだが、想像していたよりもラフなタッチの画だった(もっと細密なものを想像してた)。

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