2007年11月24日

【展】鳥獣戯画がやってきた!

2007年春に開業した六本木の東京ミッドタウンに初訪問。お目当てはサントリー美術館で開催中の展覧会「鳥獣戯画がやってきた!〜国宝『鳥獣人物戯画絵巻』の全貌」
「鳥獣戯画」といえば、京都は高山寺の所蔵で知られる全四巻の国宝絵巻。現在は甲巻・丙巻が東京国立博物館、乙巻・丁巻が京都国立博物館に寄託されている(高山寺にはレプリカを展示している)。
その全巻が一同に集まるとあって(ただし会期の前期と後期で場面替え)、この秋、最も楽しみにしていた展覧会のひとつだった。

甲巻はもっとも知られたもの。兎、猿、蛙たちの姿が、自由に、伸びやかに、ユーモラスに描かれていく。動物を描いているのに、表情がとても豊かなことに驚く。それから、墨の筆でさらさらと一発勝負(だろう)で失敗もなく描いてしまうことに、これを描いた人の技術の高さに感嘆してしまう。
乙巻は動物を動物として描いたもの。
丙巻には人間が現れ、様々な遊びに興じる姿が楽しく描かれる。
丁巻は、他の巻と比べると筆のタッチも荒いのだが、これが意外にも僕のツボに入った。いわゆる“ヘタウマ”の世界。やる気があるんだかないんだか……という調子で絵巻は続き、扇子などは投げやりに描かれ、もうぐちゃぐちゃ(笑)。その過程が笑を誘う。
鳥獣戯画の世界は本当に魅力的だった。これはもう、展示替えの後期も行かないと!

(甲)場面は猿と兎の川遊びのシーンから始まる。
背中を流してもらう猿の顔がうっとり。まさに“うっとり”という表情を描いてしまうことがすごい。



(甲)宴会の準備が進む中、弓取り合戦に遅刻した兎が走ってくる。
左の兎「みんな、ちょっと待ってくれよ〜」、右の兎「おい、早くしろよ、始まっちゃうぞ〜」……と吹き出しでも付けたくなるような場面。とてもカワイイです。
今回の展示は、この場面まで。



鳥獣戯画関連の展示だと、住吉模本や長尾模本といった模本を紹介し、かつての鳥獣戯画絵巻の姿(長い年月のあいだに欠落や場面の入れ違いがあったと考えられている)を考察するという展示方法も分かりやすくて良かった。

他には、鳥獣戯画の広げた絵画表現の裾野、パロディやユーモアや擬人物の絵巻の紹介。
印象に残ったものをいくつか挙げると、「勝絵絵巻」は、女性や家族連れが思わず目を逸らしてしまうような、卑猥で馬鹿馬鹿しくも面白い絵巻。これはとても気まずい(笑)。「放屁合戦絵巻」は、文字通りのオナラ戦争。これもすさまじく馬鹿馬鹿しいけど、まぁ、馬鹿なことを考えるって、平和でいいですよね(笑)。
それから「雀の小藤太絵巻」「鼠草子絵巻」は、今で言うところの絵本のようなものだろうか。
前者の「雀の小藤太絵巻」は、子供を亡くした雀の小藤太が出家して諸国を巡る物語。後者の「鼠草子絵巻」は、畜生界(動物界)から逃れたいと願った鼠(ごんのかみ)が人間の娘を嫁に貰うが、鼠であることが知られてしまって嫁に逃げられ、失意のうちに出家。最後は猫の坊と意気投合して(本来は鼠の天敵である猫と!)高野山に上るという、ほんのりと切ない物語。これらは解説も分かりやすく、絵を見ながらストーリーを楽しむことができた。

こちらは、美術館併設のカフェのランチ「ふやきお汁弁当」
…こちらもイイ!(・∀・)




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