2008年02月23日

【展】工芸の力〜21世紀の展望

2月17日まで行われていた東京国立近代美術館工芸館の開館30周年記念展「工芸の力〜21世紀の展望」。本館での展示「わたしいまめまいしたわ」を見たあとに足を伸ばした。

東京国立近代美術館工芸館

「工芸」がテーマであるとはいえ、陳列された作品は「工芸」というジャンルを飛び出し、現代美術作品としても楽しむことができた。
陶土、磁土、ガラス、染織、漆、鉄……それらの素材は作者の手によって姿を変え、ひとつのオブジェ作品として生命を吹き込まれる。中でも、北川宏人の陶土のフィギュア作品(上の写真のスキンヘッドなど)は異彩を放ち、会場内ではいちばんの人気であるようだった。

個人的に印象に残ったのが、須田悦弘の木彫の小さな作品。
一枚の葉や木の枝や雑草などを、朴(ほお)の木を削って彩色して再現した、超絶細密描写の作品だ。それらは展示室や休憩室の窓辺にひっそりと置かれ、作り物であるとは思えないくらい、その場に溶け込んでいるのだった。
館内で配布された展示リストには、これらの小品も掲載されていたのだったが、気が付かずに素通りする観覧客たちが多いのは残念だった。行く人たちに「この葉っぱも作品なんですよ!」と教えてあげたい気分にもなったのだが、しかし、裏を返せば、この葉や枝の小さな作品は、まったく不自然なところがないくらいの描写力を備えているともいえる。また、展示箇所でいちいちキャプションを加えなかったところを考え合わせると、何かしらの意図があったのかもしれない。

ちなみに、工芸館は明治43年(1910年)に建築された、旧近衛師団司令部庁舎。
明治洋風レンガ造り建築で、重要文化財にも指定されている。
旧軍部のものだったとは思えない、「工芸館」という名前になんとなくあてはまるような可愛らしさも感じてしまう。

東京国立近代美術館工芸館


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