2008年05月25日

【展】モディリアーニ展

モディリアーニ展六本木の国立新美術館の「モディリアーニ展」に足を運ぶ。
モディリアーニといえば、長い首・瞳のないアーモンド型の目・細長い鼻・撫で肩……といった個性的な肖像画を、わずか35歳の人生の中で残した画家として知られるわけだが、この展覧会では、モディリアーニが画家としての指針を決定付けられたというプリミティヴ(原始)美術との関連を紹介し、最晩年(といっても35歳…)に至る肖像画の数々を展示。

モディリアーニは、アフリカの仮面や古代ギリシャの神殿の柱にかたどられた女性像(カリアティッド)に影響を受け、1912-1914年頃には、それらをモチーフにした作品を集中的に残している。それらの作品は、もともとは彫刻を志していたモディリアーニが、いかに人体を表現するかという試みのためにデッサン的に描いたものだった。
けれども、病に侵されて彫刻を断念した後、モディリアーニは本格的に画家としてのキャリアをスタートさせる。そして、その後の肖像画を年代を追いながら眺めていくと、なるほど、プリミティヴアートの影響が画家の血となり肉となっていることが分かるのだった。

左は「大きな赤い胸像」(1913年)。
右は「大きな帽子をかぶったジャンヌ・エビュテルヌ」(1918年)

モディリアーニ展

「大きな赤い胸像」には、アフリカの仮面などの影響が色濃く出ている。
長い首、瞳のないアーモンド型の目、細長い鼻……うーん、なるほど。

こうした、一見「無表情」にも見てとれるモディリアーニの肖像画だが、いくつもの画を見ていくと、ある者は沈鬱に、ある者は神経質そうに、ある者は自尊心がかいま見え、またある者は柔和さをたたえており……という具合に、あの仮面のような表情の向こうには、人物の性格がしっかりと表現されている(中でも恋人ジャンヌを描いた画は表現力豊かで温かい)。
また、顔の表情が繊細な色遣いで描かれているのに対して、背景や服装などが暗色でシンプルに描かれていることによって、カンバスの中でより顔の表現を際立たせようとしていることが分かる。

会場はもっと混雑しているのかと思ったが、閉館1時間半前に入ったせいか、すいすいと観覧することができた。
やはり閉館間際の美術館は良いものだ(とくに30分前など)。いったんすべてを見終わった後で、もう一度入り口付近に戻ってみると、すでに人の流れは絶えており、気になったあの絵やこの絵を誰かに気兼ねすることなく見ることができる。

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この記事へのコメント
モディリアーニは、神戸のエコールドパリ展や
大阪大丸のモディリアーニと妻ジャンヌの物語展で
ここ2年ほど、2回観る機会がありました。
今回の7月からの大阪での展覧会も期待してますよ!
独特の作風がとても興味深いです。
Posted by 一休 at 2008年05月25日 19:25
>一休さん
そういえば、2007年のモディリアーニとジャンヌ展も、渋谷からの巡回でしたね!
今回のモディリアーニ展は、そのジャンヌ展と監修者が同じ人(マルク・レステリーニ)なので、
出品作品がかぶってるのが多い…という指摘もされてますね…。
切り込み口は違うんでしょうけど、肖像画はかぶっちゃっているのかなぁ、と思います。
でも、あの画風は、何度見ても味があって面白いですね!
Posted by 石庭 at 2008年05月25日 23:21
閉館少し前がいい、っていうの、気がつきませんでした。さすが石庭さんですね!今度試してみます。

いま、私の「サササ絵(さささっと描くヘタ絵)」も抽象化に向かおうとしておりまして、モディリアーニの作風も参考になりそうです。
Posted by hayate at 2008年05月26日 20:58
>hayateさん、
後ろの時間を気にせずに見たい時は「朝イチ開館派」なんですけど、
最終入場時間(ほとんどが30分前)から閉館までの雰囲気も良いものですよ〜。
おさらいしながら、気に入った画と1対1で面と向かってみたり。
hayateさんの「サササ絵」も新境地に!?
Posted by 石庭 at 2008年05月27日 23:23