岩倉・実相院(1)
一仏八僧の庭。

実相院には二つの庭があって、一方がこの枯山水庭園。
よく見てみると、石組みの真ん中にお釈迦様をかたどった石仏があり、周囲の石を8人の弟子に見立てて、説法をする場面を表している。
比叡山を借景とした、奥行きのある、広々とした石庭だ。

京都市内の北、岩倉の地にある実相院は、もともとは皇室との関わりの深い門跡寺院だった。
今は、板の間に映る「床もみじ」や「床みどり」が美しい寺として知られている。
訪れたこの日は天気が良く、楓の葉を映し込んだ「床みどり」がきれいだった(ただし堂内の撮影は禁止)。


けれども、この庭の向こうには電線が入り込んでいる。
借景を楽しむ庭でありながら、この電線はいかがなものなのだろうか。
京都もあちこちを見てまわっていると、こういう「おやっ?」という場面に遭遇することも、けっして珍しくはないのだが……まぁ、しかし、生活のためには電線も必要だろうし、埋めるとなるとお金も掛かるだろうし……
こうしたちょっとしたジレンマも、必要悪で片付けてしまえば簡単なのだろうけれど……なかなか難しい話です。
※写真をクリックするとちょっと大きな画像を表示します。
Posted by rock_garden at 23:45│
Comments(3)│
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石庭さん
ここ、いいっすね!7月に行くリストに入れました!
暑そうだけど・・・祇園祭の「曳き始め」という時期
らしいので、そのあたりも見学してこようと思って
います。
借景の電線は残念ですが、結構残念なことを目にする
ことって多いですよね。
石庭さん
↑のコメント、字が間違っていました。ごめんなさいっ
正しくは「曳き初め」でした。
>hayateさん、
実相院は静かなところでいい感じですよ。
前に行った時は、曇天模様で暗〜い印象しか残っていなかったのですが、
この日の空は雨上がりできれいでした。
周辺は病院や療養施設が多くて、患者さんがのんびり散歩している姿を見かけることも多く、
なんというか、ちょっと穏やかな雰囲気があるというか。。。
文化財と景観との関わりの問題は、話題になったところでは、
俵屋の件とか、最近では円通寺あたりの開発の問題とか……ですかね。
僕が最初に「これはおかしいだろ!」と憤りを感じたのは、妙蓮寺の石庭。
行政って、平気でこういうこと(景観破壊)をするんだなぁ…と。
まぁ、そこに暮らす人たちにはその土地の理屈があるのだろうし、
観光客の理屈なんて、所詮、部外者的な立場でどうにでも言えてしまうので、
こういう込み入った話は、なかなかツッコみにくいのですが…