2008年09月01日

宇治・興聖寺(1)

平等院の賑わいを逃れて、朝日山のふもとに建つ興聖寺へ。
中国(当時は宋)で修行を積んで帰国した道元が、この地より北の伏見深草に寺院を建立したのが、この興聖寺の始まり。その後、兵火によって荒廃してしまったが、17世紀半ば、淀城主の永井尚政がこの地に再興する。



中国風の雰囲気を持つ楼門をくぐると、境内は閑静、かつ、禅の修業道場としての厳粛な雰囲気が漂っている。



本堂の天井は、伏見城の遺構を移築した、いわゆる血天井。
伏見城で討ち死にした鳥居元忠らの霊を弔うため、血痕の残る床板を天井として供養している。



正伝寺(西賀茂)、養源院(東山)、宝泉院(大原)、源光庵(鷹峰)…そしてこの興聖寺と、血天井をある京都のお寺を拝観するのも、これで5ヶ所目だった。


本堂前の庭は、サツキの刈り込みと石組と苔が美しい庭園になっている。
ふと目をやると、枯山水庭園にはよく用いられる手法の、七五三の刈り込みとなっていた。



楼門からの眺めは印象的。楼門〜中雀門〜本堂が、一直線に端正な風景を作り出す。



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