2008年09月20日

鶏足寺(旧飯福寺)〜夏の紅葉

石道寺の脇の石段を上り、しばらく山の中を歩いていくと、紅葉の名所・鶏足寺に辿り着く。
ここもまた、無住のお寺となって久しく、こんもりと生い茂った木々の中、石段の上に新しいお堂が建つのみだ。



現在の鶏足寺が立つ場所は、もともとは飯福寺と呼ばれる別院のひとつだった。
もともとの鶏足寺は、背後の己高山(こだかみやま)の山頂付近にあり、このあたり一帯の山岳仏教を代表する寺院として栄えたお寺だった。



鶏足寺は、奈良時代に行基が開基した常楽寺を前身としており、やがて朽ち果てていった寺を伝教大師最澄が再興したと伝えられている。
最澄は、雪の上に残った鳥の足跡に導かれてこの山の中を辿り、十一面観音の仏頭を発見して修復を行うと、この地に仏殿を建てて安置した…というのが寺名の由来となっている。
ここにもまた、十一面観音への信仰を表す逸話が残っているのだった。



参道の両脇には、かつてここが栄えた寺院であった名残を示すように、数々の伽藍跡の石碑が立つのみ。


伽藍の跡を辿っていると、足元に色鮮やかな紅葉の葉が落ちているのに気が付いた。



おや、と思って頭上を見上げてみると、緑の葉の中に一部分だけ鮮やかな紅に色付いた葉があった。
しばしば夏の暑さに傷んで弱々しい色付きを見せることはあるが、それとも違う。一本の枝だけが、明らかに「紅葉」しているのだった。不思議な眺めだった。



秋ともなると、この参道は美しく色付き、多くの人が訪れるという。
僕が訪れたこの日は、ひたすら蚊との格闘だった。



鶏足寺から再び石道寺に戻る。途中、視界が開けた場所に茶畑があった。



※写真をクリックするとちょっと大きな画像を表示します。


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この記事へのコメント
私の故郷の滋賀ですが、この湖北は
縁遠い場所・・・色々と造詣の深い石庭さんの
レポからその歴史を教えてもらってます。
写真の中の一部の枝の紅葉・・・ちょうど
先週、京都郊外でそれと同じような紅葉を
見ましたよ。まだ暑さ残る中に秋を感じますね。

PS:FC東京調子良さそうですね^^;
Posted by 湖北 at 2008年09月21日 11:24
>一休さん
滋賀のどちらですか?滋賀といっても、広いですもんねぇ。
滋賀は京都に近いだけあって、歴史のある場所が多くあって、いい場所だなぁ…と思います。
この湖北の高月や木之本も、田園の広がるのどかな風景の中で、なかなかに味のある歴史がありました。

PS:我らがFC東京、気合いを込めて頑張ってます!
Posted by 石庭 at 2008年09月21日 22:10
私の田舎は滋賀の東側・・・今は東近江市になりましたが
その中のまた田舎の永源寺というお寺のある地域です!
この地元のお寺が、調べてみるとなかなか興味深くて
鎌倉時代の臨済宗のお寺で、応仁の乱時代に京都から
多くの学僧の租界地になったり、後水尾天皇の帰依を受けたり
井伊家にも援助を受けたり・・・
今は紅葉の名所になっていて、あの辺りの湖東三山の
一つにも数えられています・・・
って田舎の自慢話しても、ローカルな話ですよね〜^^;
Posted by 一休 at 2008年09月21日 23:36
>一休さん
永源寺!「文教の地、近江に移る」と、手元のガイドに書いてありました。
なるほど、京都五山のお坊さんたちが、難を逃れてきたお寺なんですね。
なんだかとても良さそうな土地ですね……静かそうで、水も緑も空気もきれいな感じで。
滋賀は、もっともっと開拓してみたい場所です!
Posted by 石庭 at 2008年09月23日 00:51