2008年11月05日

当尾(4)岩船寺の阿弥陀如来

浄瑠璃寺から岩船寺まで、寄り道をせずに歩いけば、30分くらいの距離だろうか。
ここもまた、地図の上では京都府木津川市に位置する、奈良との県境の寺だ。



本尊は阿弥陀如来。
浄瑠璃寺といい、当尾の石仏たちといい、この地は本当に阿弥陀如来の信仰が篤い。
平安時代から鎌倉時代にかけての阿弥陀信仰の名残なのだろう。



ここの阿弥陀如来の姿には、ちょっと目を奪われる。
なんというか、全体的に「むっちり」としている。胸板といい、腕まわりといい、とにかく肉付きが厚い。一見、不恰好にも見えるかもしれないが、その存在感はなかなかのもの。



浄瑠璃寺ほど分かりやすく端正な造りではないが、岩船寺もまた、池を挟んで本堂と三重塔が建っている。
これもまた、阿弥陀信仰、浄土信仰のスタンダードなのだろうか。




岩船寺をあとにすると、歩いて20分ほど離れたバス停まで歩いていった。
途中、目にしたものは、この土地に押し寄せた開発の風景だった。ダンプカーが僕の脇を騒々しく走りすぎていく。

バス停に辿り着いて、ふと足元に目を落とすと、小さな蛙が行き場を失って困惑気味に身をこごめていた。
どうしてこんなところに迷い込んでしまったのだろう。
その蛙をどこかに逃がしてやりたかったが、右を見ても、左を見ても、アスファルトの道路が続くばかりだった。

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