やがて見えてくるのが、泉涌寺の総門。
その総門に向かって左手に建つのが、泉涌寺塔頭の即成院(そくじょういん)。

この泉涌寺の界隈の小さなお寺のいくつかは、観光寺院というよりは参拝寺院としての趣きが深く、それゆえに、拝観料を払わずとも、気兼ねなく立ち寄ることができる。
京都の寺院といえば、けっして安くはない拝観料を払わないといけないような雰囲気があるけれども(実際にその通りなのだが)、そのような“拝観料”という垣根がない場所も、まだまだあちこちにある。

本堂には受け付けの方が座っていらっしゃったが、拝観料は必要ない。入り口のところでちょっと躊躇していると、「どうぞご自由にお参り下さい」との声。
堂内に入ると、僕の他に参拝客の姿はない。
本尊は阿弥陀如来。そして、その周囲を取り囲むのが二十五菩薩座像。これがなかなかに圧巻の眺め。
阿弥陀様というからには、極楽浄土を願う信仰心が色濃く漂う場なのである。