2008年11月20日

泉涌寺界隈(7)雲龍院

泉涌寺の山内も、ここが最奥のあたり。
歩き疲れた体を癒してくれるように、雲龍院の庭は待ってくれている。



しばし身の回りの瑣事を忘れ、静かな時間を過ごしてみたり、



それから、言葉遊びの頓智で頭の体操をしてみたり。



雲龍院の書院に入ると、目を惹くのが、この二つの掛け軸。
それぞれ何を表しているか、お分かりになりますか?
まずは向かって右手から。こちらは分かりやすい。
「ち」が5つで「稚児」、「も」が5つで「いつも」、「の」が3つで「飲み」、「た」が8つで「たや」。



つなげて読むと「稚児の酒いつも飲みたや」という言葉になる。
これは、鎌倉時代の大工さんが、仕事でお寺に行った時に、小僧さんが出してくれる振舞い酒を喜んで書いたという落書きの言葉遊び。



それから、向かって左の「林下祖師現半身 水辺尊者隠頭脚」は難解。
「林下祖師現半身」は、林の下に祖師が半身を現す…で「禁」の一字。祖師が半身を現す…というのは、「祖」の文字の半分、すなわち「しめすへん」=「示」を表し、それを「林の下」に置くことで「禁」となる。
「水辺尊者隠頭脚」は、水辺で尊者が頭と脚を隠す…で「酒」の一字。水辺はすなわち「さんずい」。尊者が頭と脚を隠す…というのは、「頭」は「尊」の字の頭の二つのちょんちょん、「脚」は「寸」の部分、これらを隠すと「酉」となり、「さんずい」と組み合わせると「酒」となる。



よって、「林下祖師現半身 水辺尊者隠頭脚」という、一見、漢詩のように見えた文章で、「禁酒」というたったの二文字を表しているのだった。
修行に励む僧侶たちへの戒めのための言葉なのですね。



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