2009年01月10日

【展】石内都展 ひろしま/ヨコスカ

目黒区美術館目黒区美術館にて、写真家・石内都の展覧会「石内都展 ひろしま/ヨコスカ」(〜1/11まで)。
展示会場は、大きく3つに分かれ、第1部は「横須賀ストーリー」「APARTMENT」「連夜の街」のシリーズの初期の作品。陰影の濃い、ざらついたモノクロの世界。
第2部は、作者の同級生を撮影した「同級生」、作者と同じ1947年生まれの女性の手足を撮影した「1・9・4・7」、さらに身体に残された火傷痕や傷痕を撮影した「Scars」のシリーズ。
そして第3部は、広島で被爆して亡くなった人たちの遺品を撮影した「ヒロシマ」のシリーズ。

とくに、第一部から第二部への劇的な転換が面白い。
街を撮影していた石内都は、やがて自分の身辺の人物を撮影するようになり、「APARTMENT」などで執拗なまでに建物の壁のひび割れや染みを撮影していた作者が、人の体に残されたひび割れ(皺、傷痕、手術痕)や染み(火傷痕)へと視線を移す。外部に向けられていた視線は、その人だけが持ちうるプライベートな領域へと絞られていく。
そこには、被写体となった女性たちに刻まれた皺や傷痕を通して、その人の経てきた年月や体験に迫らんとする、いわば写真を通して作者とモデルの人物とが人間対人間として語り合うような、真摯な姿勢を感じないではいられなかった。


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