2009年02月17日

迷〜伏見稲荷大社

迷っていたのだ。
ここに来るたびに、赤い鳥居に異界へ誘われるような気分に陥る。



次から次へと、鳥居の奥へと人が吸い込まれていく。もう彼らとは、二度と会うこともないのだろう。
だって、その鳥居の向こうには。


ちょっと調子に乗って、鳥居の道から脇にそれてみたり。



それから、近道だろうと思って、鳥居から離れて、ぐんぐんと横道を歩いていったら、



すっかり迷ってしまったのだった。いったい、なんだっていうんだ。



何者かが僕のことを見ていた。
視線を感じて振り返ると、そいつらは僕から目をそらしたのだ。とぼけやがって。



頭の上でカラスが鳴いた。大きなカラスだ。漆黒の闇のような色をしていた。
恐ろしくなって、僕は走ってその場を立ち去った。赤い鳥居を探しながら。

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この記事へのコメント
わかります、わかります。
あそこは、そういう感じにさまよいますね。

最初にいったとき、うっかり夕方に行って
しまい(たしか冬だった)、暗くなって
急いで降りたのです。はい、こわくて・・・
Posted by hayate at 2009年02月18日 21:04
>hayateさん
こういう山の中にあるような神社は、あたりが暗くなって、ちょっと人の姿が見えなくなると、
やけに不安な気分にさせられますよねぇ。。。
昼間はなんてことない場所でも、夜に歩いてみると、全然雰囲気が違って見えたり。
Posted by 石庭 at 2009年02月19日 01:03