2009年06月19日

南禅寺界隈(1)〜雄観奇想

小雨の降る中。



蹴上の駅を下りて、インクラインのトンネルを見上げると「雄観奇想」の扁額。



琵琶湖疏水事業の完成(1890年)に尽力した京都府知事・北垣国道の筆によるもの。
「雄観奇想」とは、素晴らしい眺めと優れた考え。
完成したばかりの琵琶湖疏水を“素晴らしい眺め”と、琵琶湖から引いた疎水を電力や水運に活用するという発想を“優れたアイデア”と讃えたのかもしれない。この大事業の完成に対する、知事の自負がかいま見える言葉だ。



トンネルの中のレンガの積み方にも感嘆。美しい螺旋状を描き、トンネルの中へと吸い込まれていくようだ。
これは強度を保つためのトンネル工法。
トンネルを抜けると、瀟洒な建物が並ぶ。



南禅寺の境内に入って、



境内をぶらぶらと歩きまわり、



境内を抜ける頃には、薄日も差してきた。



南禅寺のあたりをしばし散策し、野村碧雲荘前へ。



野村財閥二代目・野村徳七が大正時代から昭和時代にかけて、およそ13年の月日を経て完成させた数寄屋造りの別邸は、国の重要文化財にも指定されている。
菖蒲がとてもきれいでした。



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