
蹴上の駅を下りて、インクラインのトンネルを見上げると「雄観奇想」の扁額。

琵琶湖疏水事業の完成(1890年)に尽力した京都府知事・北垣国道の筆によるもの。
「雄観奇想」とは、素晴らしい眺めと優れた考え。
完成したばかりの琵琶湖疏水を“素晴らしい眺め”と、琵琶湖から引いた疎水を電力や水運に活用するという発想を“優れたアイデア”と讃えたのかもしれない。この大事業の完成に対する、知事の自負がかいま見える言葉だ。

トンネルの中のレンガの積み方にも感嘆。美しい螺旋状を描き、トンネルの中へと吸い込まれていくようだ。
これは強度を保つためのトンネル工法。